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低アレルゲンミルクに乳酸菌を加えて与えると、アレルギーが予防できる?

 

topic

 

 以前、プロバイオティクス(乳酸菌製剤)に関するアレルギー予防の検討結果に関し、ご紹介しました。

 

 今回ご紹介するのは、低アレルゲンミルクに乳酸菌製剤を加えることでアレルギー疾患の予防に働くかどうかを検討した研究結果です。

 

P: 中央値が生後5.0ヵ月(interquartile range;3.0-8.0ヵ月)の小児220人(男児67%)
E: 高度加水カゼイン分解乳+Lactobacillus rhamnosus GG (LGG) 110人
C: 高度加水カゼイン分解乳 110人
O: プライマリアウトカム: 36ヶ月後、少なくとも一つのアレルギー症状(allergic manifestation; AM)(湿疹、じんま疹、喘息、鼻結膜炎)のリスクが低下するか
セカンダリアウトカム: 二重盲検食物負荷試験で確認された生後12,24,36ヶ月の食物耐性

 

 結局、何を知りたい?

 ✅乳児期から、低アレルゲンミルクに乳酸菌製剤(Lactobacillus rhamnosus GG)を加えて継続して飲むと、アレルギー疾患の発症リスクが減るかどうかということを知ろうとしている。

 

結果

 

 complete case analysisにおいて、生後36ヵ月間の少なくとも一つのAM発症におけるabsolute risk difference は-0.23(95%CI -0.36〜-0.10; P < .001)だった。
 牛乳耐性獲得におけるabsolute risk differenceは、12ヵ月時 0.20(95%CI 0.05-0.35; P < .01)、24ヵ月時 0.24(95%CI、0.08-0.41; P < .01)、36ヵ月時 0.27(95%CI 0.11-0.43; P < .001)でだった。
 フォローできなかった全27人の児を考慮しても、感度分析におけるプライマリアウトカムには事実上不変だった。

 結局、何がわかった?

 ✅生後5ヶ月時から、低アレルゲンミルクに乳酸菌製剤(Lactobacillus rhamnosus GG)を添加して内服すると、3歳までのアレルギー疾患(湿疹、じんましん、喘息、鼻結膜炎)の予防に効果があった。

 

コメント

 

 高度加水カゼイン分解乳+LGGは、IgE依存性の牛乳アレルギーの経口寛容の発達を早め、他のアレルギー疾患の発生率を減らすとまとめられます。
 ただし、Lactobacillus rhamnosus GGは、多くの種類がある乳酸菌であり、これがいいと決めることが出来ない菌株とも言えます。

 

 プロバイオティクス(乳酸菌製剤)が、アトピー性皮膚炎を予防できるかもしれないというメタアナリシスがあることは上に示したとおりですが、最近コホート研究で1歳未満でのヨーグルトの定期的な摂取がアトピー性皮膚炎予防に働く可能性があることも報告されており、「コンビネーション」も大事なのかもしれませんね。

 

 今日のまとめ!

 ✅低アレルゲンミルクと乳酸菌製剤を同時に乳児期から摂取するとアレルギー疾患を減らすかもしれない。

 

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学校での”ピーナッツなし”の方針は、エピペンの使用を減らすか?

 

topic

 

 本邦の幼稚園や保育園でも、”ピーナッツなし”の献立にしている園はすくなからずあるようです(どれくらいの割合かは知りませんが)。

 実際は、”除去の指導”のみでは、アレルギー反応をゼロにすることは不可能であり、偶発的な摂取による症状も少なからずあることを、以前ご紹介いたしました。

 

 ピーナッツに関しては、米国のほうがさらに大きな問題であり、今回ご紹介するのは、学校における”ピーナッツなし”の方針が、アドレナリン自己注射(エピペン)の使用率に影響するかという報告です。

 

P: マサチューセッツの公立学校
E: ピーナッツなしの方針
C: -
O: 学校でのピーナッツによるアナフィラキシーが減るか

 

 結局、何を知りたい?

 ✅学校での”ピーナッツなし”の方針が、アナフィラキシーを減らすかどうかということを知ろうとしている。

 

結果

 

 (1)マサチューセッツ公立学校すべてにおけるアドレナリン投与率と、(2)マサチューセッツ公立学校の看護師調査により、2006-2011年からの学校におけるピーナッツなしの方針が報告され、方針に基づいた「ピーナッツなし」かどうかを自己申告された。

 

 ピーナッツを制限する方針の有無にかかわらず、学校ごとにアドレナリン投与率が比較された。 ピーナッツの制限をする方針である学校の比率は、研究時期によって有意な変化はみられなかった。

 ピーナッツなしの方針である学校の自己評価は、変動した。 ピーナッツなしの方針は、アレルギー反応の完全な欠如と関連しなかった。

 ピーナッツなしの方針の学校も、ピーナッツが学校で提供されるのを禁止したり家から持参するようにしている学校も、ナッツアレルギー反応があった。

 家からのピーナッツを制限する方針は、アドレナリン投与率に影響しなかった。

 ピーナッツなしのテーブルがある学校は、ない学校に比較して、アドレナリン投与率が低かった(10,000人の学生につき、それぞれ0.2と0.6; P=0.009)

 

 結局、何がわかった?

 ✅”ピーナッツなし”という方針は、エピペンの使用率に影響はしなかったが、”ピーナッツなしのテーブル”を用意している学校ではエピペンの使用率が低くなった。

 

コメント

 

 この研究結果を評価するのは難しいですが、学校における食物アレルギーの安全性を改善する学校での方針を、エビデンスベースで導く可能性がある最初のステップであるとされていました。
 特に、”ピーナッツなしのテーブル”に焦点をあてる方針が、ピーナッツやナッツ類曝露によるアレルギー反応やアドレナリン投与率を低下させる可能性があるとされています。
 しかし、ピーナッツなしの方針の成功は、この方針が適切に、一貫して実施されることに依存するだろうとされています。

 そして、結局はこの方針に関わらず、学校で適切な治療のためにアドレナリン投与を速やか行うべきだとされています。

 今日のまとめ

 ✅学校における”ピーナッツなし”の方針は、”ピーナッツなしのテーブル”を用意することがエピペンの使用率を下げるかもしれない。しかし、結局は”ピーナッツなし”の方針を適切に実施できるかどうかに依存するだろう。

 

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加熱卵を少量で早期開始すると、1歳時の卵アレルギーを予防できる(PETITスタディ): ランダム化比較試験

Natsume O, et al., Two-step egg introduction for prevention of egg allergy in high-risk infants with eczema (PETIT): a randomised, double-blind, placebo-controlled trial. Lancet 2016 [Epub ahead of print]

http://www.thelancet.com/journals/lancet/article/PIIS0140-6736(16)31418-0/abstract

 


土曜日に論文紹介を更新するのは珍しいのですが、今回は例外的に更新したいと思います。なぜなら、2016/12/9に各新聞社の夕刊に、食物アレルギー予防に関する極めて重要な報告が報道されたからです

"離乳期早期の鶏卵摂取は鶏卵アレルギー発症を予防することを発見(https://www.ncchd.go.jp/press/2016/egg.html)"とする、成育医療研究センターの研究チームからの報告です。

おそらく、食物アレルギー予防としては金字塔ともいえる報告と考えられ、このような重要な研究結果が本邦から世界最高峰のJournalであるLancetに発表されたというのは、アレルギーを志す一人として、いや同じ日本人として誇らしいです。この研究を実施された先生方、参加されたご家族に敬意を表します。

2016/12/10 13時現在、まだ本論文はPubmedで検索できなかったのですが、論文の報告されたLancetではAbstractが読めるようになっています(http://www.thelancet.com/journals/lancet/article/PIIS0140-6736(16)31418-0/abstract)。

昨日夜に論文全体を一通り目を通し、今日仕事の行き帰りの電車内でまとめていました。まだ公式にはAbstractのみですので、著作権に配慮しAbstractを中心にまとめさせていただき、コメントも追加させていただきます。

なお、上記の成育医療研究センターのHPに、「すでに鶏卵アレルギーと診断されている乳児の鶏卵摂取の可否、及び予防を目的とした実際の鶏卵摂取については、専門医の指導を仰いでください。また、卵の加熱が不十分だと抗原性が高くなり危険です。自分で調整することは危険なので、必ずアレルギー専門医に相談してください。」とあり、もし始める場合でも、先行研究に比較して安全性が高くなっているとはいえ、専門医の指導を十分に受けていただくことをおすすめいたします


 

P: アトピー性皮膚炎を発症している生後4-5ヶ月の乳児 

E: 生後6ヶ月から加熱卵乾燥粉末 50mg(=加熱卵0.2g相当、かぼちゃ粉末で賦形) → 生後9ヶ月から 250mg(=加熱卵1.1g相当)に増量して摂取群(卵摂取群) 60人

C: かぼちゃ粉末 摂取群(プラセボ群) 61人

O: プライマリアウトカム; 生後12ヶ月における卵アレルギー(加熱卵乾燥粉末7g=ゆで卵32g相当のオープン経口負荷試験で評価)

 セカンダリアウトカム; 血清TARC、卵白・オボムコイド特異的IgE抗体価(ImmunoCAP)、IgG1、IgG4、IgA(diamond-like carbon-coated densely carboxylated protein chips)

 

 

結果

 

介入期間中、積極的に湿疹の治療を行い(一部の中等症から重症湿疹に対してはProactive治療)、介入期間は悪化なく湿疹をコントロールされた

試験食品を摂取できなかった参加者、アトピー性皮膚炎の診断基準を満していなかった参加者、介入を開始できなかった参加者は検討から除外され、プライマリアウトカムに分析に含まれる参加者数は、卵摂取群60人、プラセボ群61人だった。

per protcol analysis群における試験食品の摂取平均日数は、卵摂取群の163.5±17.9日、プラセボ群167.6±16.5日だった。

結果として、卵摂取群の8%(60人中5人)、プラセボ群の38%(61人中23人)に卵アレルギーが認められた(リスク比0.221[0.090-0.543]; p=0.0001)

リスク差は29.4%(95%信頼区間[CI] 15.3-43.4)であり、NNTは3.40(2.30-6.52)、リスク比は0.221(0.090-0.543; p=0.0001)だった。

有害事象として、入院率に有意差が認められた(卵摂取群 10%、プラセボ群 0%; p=0.022)が、試験食品摂取後の急性イベントは卵群14例、プラセボ群11例であり、生後6ヵ月と9ヵ月で外来で初めて試験食品を摂取したとき(9ヶ月は増量時)の急性のアレルギー反応は認められなかった

生後12ヶ月時における卵摂取群オボムコイド特異的IgE抗体価はプラセボ群より低値であり、オボムコイド特異的IgG1、IgG4、IgAは卵摂取群で高値だった。

 

 

コメント

 

丁寧な湿疹の治療と卵を段階的に早期導入することで、すでに湿疹を発症している6ヶ月児の卵アレルギー発症を8割減らすことができる可能性があるとまとめられます。

先行研究であるEATスタディのアドヒアランスはわずか43%であり(http://pedallergy.jugem.jp/?eid=2)、本研究は高いアドヒアランスを実現しているとされていました。

つい最近、卵を乳児期早期に摂取し始めた場合の検討が2本立て続けに報告されています。

ひとつは、卵早期摂取に予防効果がない(http://pedallergy.jugem.jp/?eid=207)という否定的な結果、もうひとつが卵早期摂取は卵白感作を減少させる(卵アレルギーの発症抑制効果は証明できていない)(http://pedallergy.jugem.jp/?eid=208)という中立の結果です。さらに、卵の早期開始は予防に効果がある可能性があるけれども、危険性を伴う(http://pedallergy.jugem.jp/?eid=70)という、リスクを警鐘した報告もあります。ただし、これらの研究は湿疹の治療には重きをおいていませんでした

これらの結果を総合して考えると湿疹の治療を先行し、安定化させたことも発症予防効果を上げる大きな要因ではないかと推測されます。

どちらにせよ、今回の研究の大きなポイントは、”大きな副作用なく、実施可能な量で卵アレルギーが予防できたこと””事前に湿疹の治療をしっかり行い、悪化させないように治療介入した”という2点が指摘できるでしょう。

PETITスタディ(今回の研究の略称)に先行した早期開始の予防研究として、卵以外においては上記のEATスタディ以外にピーナッツを早期に摂取開始したほうがピーナッツアレルギーが減少するとしたLEAPスタディ(http://pedallergy.jugem.jp/?eid=23)や、さらにその後1年間中断しても耐性が維持されるというLEAP-onスタディ(http://pedallergy.jugem.jp/?eid=3)が挙げられます。しかし、安全性という面では、PETITスタディが上回ると言って良いと思われます。

■  2015年から2016年にかけて発表されたこれらの研究は食物アレルギーの予防の概念を大きく変えようとしています。

2015年に発表された離乳食早期導入による食物アレルギー予防のレビュー(http://pedallergy.jugem.jp/?eid=106)はすでに陳腐化してきてしまっている印象で、食物アレルギーの分野は長足の進歩を遂げようとしています。

もちろん、大きな進歩がみられるとは言え、まだ解決しなければならない問題は沢山あります。

さらに研究が進むことを期待したいですし、微力ながら自分自身もその発展に貢献できればと思っています。

 

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人工乳を早期に導入したほうがミルクアレルギーが少なくなる: 症例対照研究

Onizawa Y, et al., The Association of the Delayed Introduction of Cow's Milk with IgE-Mediated Cow's Milk Allergies. J Allergy Clin Immunol Pract 2016; 4:481-8.e2.

https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/27157937

 


最近、ピーナッツは早期開始摂取がアレルギー予防に効果があるとする研究が報告されています(http://pedallergy.jugem.jp/?eid=23)。

一方、卵はまだ賛否両論ですし(http://pedallergy.jugem.jp/?eid=2)(http://pedallergy.jugem.jp/?eid=208)(http://pedallergy.jugem.jp/?eid=207)、ミルクはまだ出生コホート研究から、生後14日以内に人口乳を開始した群にミルクアレルギーが少ないという結果くらいしかめぼしいものがありませんでした(Katz Y,  et al.  J Allergy Clin Immunol 2010; 126:77-82.e1.)

そこで、症例対照研究ですが、生後1か月以内に人工乳を開始したほうがミルクアレルギー発症を低下させるという研究結果をご紹介いたします。


P: 龍ヶ崎済生会病院に受診した1歳以上のIgE依存性ミルクアレルギー患者(IgECMA)、コントロール、卵アレルギー患者(IgE-EA)
IgECMA: 乳製品摂取2時間以内に即時型反応歴があり、ミルク特異的IgE抗体価 0.7kUA/L以上
コントロール: 一般的な風邪または予防注射のために受診した患者
IgE-EA: 卵摂取で即時型アレルギー反応歴があり、卵白特異的IgE抗体価 0.7kUA/L以上

E: IgE依存性ミルクアレルギー患者(IgE-CMA) 51人
C1: 年齢・性別でマッチしたコントロール102人
C2: 卵アレルギー患者(IgE-EA)32人
O: 早期ミルク開始は、ミルクアレルギー発症を低下させるか

 

 

結果

 

”一般的なミルク摂取”は、少なくとも1日1回以上のミルク摂取と定義された(量は無関係)。

多変量ロジスティック回帰分析により、ミルクアレルギー発症のリスクを評価した。

生後1ヵ月以上後にミルクを開始した群もしくは1日1回未満しかミルクを摂取しなかった群は、コントロール群に比較して、補正オッズ比23.74(95%CI、5.39-104.52)、卵アレルギー群と比較しても10.16(95%CI、2.48-41.64)、とミルクアレルギーのリスクが高かった

生後1か月に、完全母乳もしくはほぼ完全母乳を選択している理由として「アレルギー疾患を予防するため」とした母は、CMA群3人(6.5%)、Control群2人(4.8%)、EA群3人(14.3%)のみだった。

 

コメント

 

ミルクの早期摂取開始はIgECMAの発症の低下と関連するとまとめられます

以前、わたしも、1歳未満の初診患者さんでミルクを継続して摂取している群と摂取していない群で、卵と乳感作の有意差があるという学会発表をしたことがありました。このことをどう検討すれば論文として報告できるか考えて結局断念していたのですが、とてもうまく計画されて論文化されたのを感心してしまいました。

一方で、卵やピーナッツが生後4-10か月から開始して予防効果を報告しているのに比較し、先行研究ではむしろこの時期から開始した群にミルクアレルギーが多いとされています。

食物アレルギーの予防として早期開始を考える場合、食物によっても開始時期が変わる可能性があり、さらに混沌としているといえるかもしれません。

 

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母の摂取した卵は、母乳から児に移行しアレルギー予防に働くかもしれない: ランダム化比較試験

Metcalfe JR, et al. Effects of maternal dietary egg intake during early lactation on human milk ovalbumin concentration: a randomized controlled trial. Clin Exp Allergy 2016. [Epub ahead of print]

https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/27562481

 


現在、子どものアレルギー予防のために母の食物制限することは勧められておらず、むしろ、バランス良く多種の食物を摂取するように指導されています。以前は、除去食が勧められていたことを考えると180度変わっていると言えるでしょう(変更はもう随分前になりますが)。

一方で、母乳中に母が摂取した食物が分泌されることはすでに報告されており、これが「感作(アレルギーを悪くする)」に働くという根拠になっていました。一方、「経口免疫寛容(摂取することで受け入れるほうに働く=アレルギーを良くする、予防する」という考えが大きくなってきています。

今回は、母が食べた食物が母乳から分泌され、子どもにとってはむしろ寛容(=卵を受け入れる反応)に働いているのではないかと仮定し検討した報告です。


 

P: 妊娠週数36-40週の妊婦120人

E1: 出生後6週まで>4個/週の卵摂取(卵高摂取群) 40人 

E2: 出生後6週まで1-3個/週の卵摂取(卵低摂取群) 44人

C: 出生後6週まで卵摂取なし(卵非摂取郡) 36人

O: 2、4、6週の母乳中オボアルブミン濃度と生後6週、16週の児の血漿中卵特異的IgEとIgG4

 

【結果】

母乳中オボアルブミン濃度分析は、0.1-4ng/mLの検出範囲で実施され、4ng/mLを越える場合は希釈し測定を繰り返した。 参加者の卵摂取量は日誌記録に基づき、週ごとの卵摂取量(IQR)の中央値は、卵高摂取群 5.0個(4.1-6.7)、卵低摂取群2.4個(1.8-3.0)、卵非摂取郡 0.0個(0.0-0.25)であり、卵非摂取郡の偶然の卵摂取の大部分は一般的な食品(例えばケーキ、マヨネーズ、ビスケット、麺)に含有される少量の卵だった。

母の卵摂取量は、母乳中のオボアルブミン濃度と関連があり、週あたりの卵摂取量が増加するほど、母乳中オボアルブミン濃度は平均25%増加した(95%CI:5.48%;P = 0.01)。母乳中オボアルブミン濃度は、卵非摂取群より卵高摂取群(>4個/週)」群で有意に高かった(P = 0.04)

乳房上皮の透過性は、母乳のNa:K比を測定することで評価された。母親の1/3は母乳中オボアルブミンが検出されなかったが、乳房上皮透過性と母乳中オボアルブミン濃度に関連は認められなかった。

週あたりの摂取される卵が増加するほど、乳児の卵特異的IgG4は平均的22%(95%CI:3.45%)増加した(P = 0.02)

生後6週では、検出可能な卵特異的IgE抗体価を認めなかった(n = 82)。

生後16週では、84人中4人(4.8%)の乳児で卵特異的IgE抗体価を認め、2人(2.4%)のみ>0.35kUA/Lであり、卵低摂取群に含まれた。その他の検出可能な卵特異的IgE抗体価(0.1-0.35kUA/L)の児は、1人が卵高消費群、1人が卵非摂取群だった。

 

【コメント】

母が卵を摂取することは、母乳中のオボアルブミンを増加させ、乳児の経口免疫寛容を誘導する可能性があるとまとめられます。ただし、感作された群が少なかったこともあり、感作に関して有意な差を確認できなかったようですし、また、児の卵アレリギーを明らかに予防するまでには至っていません。ですので、授乳中はガイドライン通り、自由に摂取していただくでよさそうです。

一方、妊娠中に関しては、妊娠初期にピーナッツや卵を摂取することは子どものアレルギー疾患を減らすかもしれないという報告(http://pedallergy.jugem.jp/?eid=195)や、摂取しすぎはアレルギーを増やすという報告もあります(https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/21035177)。

妊娠中に関しても、バランス良く摂取という指導がやはり良さそうです。

同グループは、すでに母の卵摂取量と摂取方法が8時間以内で母乳中の卵タンパク質(オボアルブミン)濃度に影響することを証明しており(Palmer DJ,et al., Clin Exp Allergy 2005; 35:173-8.https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/15725188)、この研究につながったようです。

 

 

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