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妊娠中の抗生剤使用は、児のアトピー性皮膚炎の発症リスクを上げる?

 

topic

 

 以前、1歳未満での抗生剤の使用が、1歳時の食物アレルギーやアトピー性皮膚炎のリスクを増加させることをご紹介いたしました。

 

 

 

 多様な微生物群がアレルギーの予防に役立つ可能性が示されており、抗生剤は微生物群の撹乱すると考えられます。

 

 

 では、出生後の児に対してではなく、妊娠中の抗生剤の使用は児のアトピー性皮膚炎のリスクに影響するのでしょうか

 

P:  Danish National Birth Cohortに参加した62560組の母児
E: 妊娠中の母に対する抗生剤使用
C: -
O: 生後18ヶ月までの児のアトピー性皮膚炎発症リスクをあげるか

 

結局、何を知りたい?

✅妊娠中の抗生剤使用が、こどものアトピー性皮膚炎の発症リスクになるかどうかということを知ろうとしている。

 

結果

 

 抗生剤投与は、妊娠30週と分娩後6ヵ月に電話インタビューで集められ、アトピー性皮膚炎の診断はISAACの定義によった。
 抗生剤使用のタイミングは、第1-第-2トリメスター(妊娠週0-29)、第三トリメスター(妊娠週30-出生時)、全トリメスター、すべて投与なしに分類された。
 第1-2および第3トリメスターに、抗生物質が投与されたときのみ、アトピー体質の母体から出生した児におけるアトピー性皮膚炎発症リスクが増加した(修正オッズ比[ORadj] 1.45、95%CI 1.19-1.76)

 しかし、アトピー体質ではない母体から出生した児では有意な増加は認められなかった(ORadj 1.01、95%CI 0.83-1.22)。
 この、第1〜2および第3トリメスターに抗生物質を投与されたアトピー体質の母体から出生した児に対するアトピー性皮膚炎の発症リスクは、経膣分娩児(ORadj 1.34、95% 1.08-1.66)と比較し、帝王切開出生児(ORadj 2.13、95% 1.34-3.38)により強く認められた。

 抗生物質投与とアトピー性皮膚炎の発症リスクに対し、抗生物質の種類のよる差は認められなかった。

 

結局、何がわかった?

✅アトピー体質の母に対し、妊娠期間を通して抗生剤投与が使用されると、子どもの1歳半時点のアトピー性皮膚炎の発症リスクを1.45倍にする。

 

コメント

 

 アトピー体質の母体のみ、しかも第1-2トリメスター、第3トリメスターともに抗生剤が使用された場合に、こどものアトピー性皮膚炎のリスクが1.45倍になる、とまとめられます。

ただし、この結果が臨床的に有用かどうかは、独立したデータ・ソースで確認しなければならないとされています。

 妊娠中の抗生剤使用は、尿路感染が多かったようですので、その場合は感染症を優先して治療するべきでしょう。

 妊娠中の抗生剤に関しては、小児科医に関わることはできませんが、上に挙げたとおり、出生後の子どもさんに対する抗生剤は、配慮できる守備範囲です。気をつけていきたいと思います。

 

今日のまとめ

✅妊娠中の抗生剤使用は、児のアトピー性皮膚炎のリスクになるかもしれない。

 

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1歳までのヨーグルト摂取は、アトピー性皮膚炎を予防する?

 

topic

 

 アトピー性皮膚炎などアレルギー疾患に対するプロバイオティクス(乳酸菌製剤)の効果に関し、プロバイオティクス(乳酸菌製剤)はアトピー性皮膚炎発症を予防するや、シンバイオティクスはアトピー性皮膚炎の治療に効果があるなどをご紹介してきました。

 

 

 今回は、本邦の成育医療研究センターにおけるコホート研究から、ヨーグルト摂取によりアトピー性皮膚炎が予防できるかもしれないという報告をご紹介いたします。

 

P: Tokyo Children’s Health, Illness and Development (T-CHILD) studyに参加した小児1550人 のうち、5歳時点でアンケートに答えた1166人
E: 生後12か月までの日常的なヨーグルト摂取
C: -
O: 生後12か月までのヨーグルト消費と5歳時点のアトピー性皮膚炎発症は関連するか

 

結果

 

 ヨーグルトの摂取頻度は、”過去12ヵ月間、お子さんは、どれくらいヨーグルトもしくは他の発酵性乳製品を摂取しましたか?”という問いで集められ、3群に分類された(1)全くない、2)時々、3)毎日)。毎日摂取する群が、日常的に摂取していると定義された。
 5歳時点でのアレルギー疾患は、 International Study of Asthma and Allergies in Childhood (ISAAC) 質問用紙で評価され、アトピー性皮膚炎はUnited Kingdom Working Party (UKWP)基準が用いられた。
 感作は ImmunoCAP ISACが用いられ、≧0.3 ISAC standardized units (ISU)が感作陽性と判断され、評価されたアレルゲンは、40の食物アレルゲンと、3の吸入性アレルゲン、その他10のアレルゲンを含んだ。
 生後12か月までのヨーグルトの日常的な摂取と5歳時点でのアトピー性皮膚炎は有意に関連し(aOR 0.70; 95%CI 0.51-0.97; P=0.03)食物アレルゲン感作を減らした(aOR、0.53; 95%CI、0.31-0.93; P=0.03)

 しかし、他のアレルゲンに関しては関連を認めなかった。

 

コメント

 

 乳幼児期の日常的なヨーグルト摂取は、5歳時点でのアトピー性皮膚炎と食物感作の発症を予防する可能性があるとまとめられます。

 もちろん、これを証明するにはランダム化比較試験を必要としますが、ヨーグルトを毎日食べさせること自体は決して難しくありませんし、乳酸菌製剤を飲ませることより実際的といえるかもしれません。

 

今日のまとめ

✅乳児期にヨーグルトを毎日食べると、アトピー性皮膚炎になる可能性を低くするかもしれない。

 

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出産時の母の不安は、児のアトピー性皮膚炎の発症に関連するかもしれない: コホート研究

 

topic

 

以前、妊娠中の母の抑うつや不安は、児のアトピー性皮膚炎発症に関係するかもしれないという報告をご紹介しましたが、今回もその報告と近いと言えそうです。

 

P: Ulm SPATZ Health Studyにおいて、単生(双生児以上ではない)児934人の母

E: 出産時の母の不安・抑うつといった慢性ストレスと症状、毛髪中コルチゾル濃度(HCCs)626人

C:

O: 2歳までの児のアトピー性皮膚炎累積発症率に関連するか

 

結果

 

2歳までのアトピー性皮膚炎発症は 親と小児科医による報告により判定された。

アトピー性皮膚炎症状のある167人に対し、皮膚科学的検査が205件実施された。

母のストレスや不安は、児のアトピー性皮膚炎の累積発症率と関連し(慢性ストレス 上位1/4と下位1/4における相対危険度[RR] 1.5[1.0-2.3])不安症状あり vs 不安症状がない母での補正相対危険度(aRR)は 1.4(1.0-2.0)だった

 

コメント

 

母のストレスは児のアトピー性皮膚炎症状と関連がある可能性があるとまとめられます。

ただし、まだその関連に対するエビデンスは限定されており、更なる研究を必要とするとされていました。

最近、この種の報告が増えてきており注目されている関連性ではありますが、出産に先立ってお母さんは心配があるものです。この結果は必ずしも臨床にそのまま適応できるとは言えないと思いました。

 

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アトピー性皮膚炎発症前に、黄色ブドウ球菌は保菌していない: 症例対照研究

Kennedy EA, et al. Skin microbiome before development of atopic dermatitis: Early colonization with commensal staphylococci at 2 months is associated with a lower risk of atopic dermatitis at 1 year. J Allergy Clin Immunol 2017; 139:166-72.

https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/27609659

 


アトピー性皮膚炎と黄色ブドウ球菌の関連に関し、今まで幾つかの報告をご紹介してきました(http://pedallergy.jugem.jp/?eid=101)(http://pedallergy.jugem.jp/?eid=96)。

しかし、「アトピー性皮膚炎が先か」「黄色ブドウ球菌が先か」は、はっきりしていません。

その疑問に答える研究結果が発表されたのでご紹介いたします。


 

P: Cork BASELINE Birth Cohort Study(SCOPE studyの引き続きの研究) に参加した児からランダムに選択された生後6か月児 50人

E: 12ヶ月までにアトピー性皮膚炎を発症した10人

C: 12ヶ月までにアトピー性皮膚炎を発症しなかった対照群 10人

O: 生後6ヶ月まで3回(2日、2ヶ月、6ヶ月)得られた皮膚4箇所(肘窩、膝窩、鼻先端、頬部)で採取したサンプルが両群で異なるか

 

 

結果

 

臨床検体に対し、16SリボソームRNA塩基配列決定法と分析を行い、最も一般的な菌株は、Staphylococcus epidermidisとStaphylococcus cohnii だった。

アトピー性皮膚炎児は、発症前に異常な細菌叢がなく、黄色ブドウ球菌を保菌していなかった

患者とコントロールを比較し、、12ヵ月時に皮膚に影響を受けた乳児は、12ヶ月で影響を受けなかった乳児と比較し、2ヶ月時の肘窩の細菌叢に統計的に有意差があった。

特に、共生ブドウ球菌は12ヵ月で皮膚に影響を受ける乳児で有意により少なかった

 

 

コメント

 

アトピー性皮膚炎発症時において黄色ブドウ球菌コロニー形成は、起こっておらず、共生ブドウ球菌種によるコロニー形成が、アトピー性皮膚炎の発症を保護するかもしれないとまとめられます。

この結果から考えると、アトピー性皮膚炎の発症に黄色ブドウ球菌が関与するというより、黄色ブドウ球菌以外の表皮ブドウ球菌などがアトピー性皮膚炎発症を阻止しているとも言い換えられましょう。

一方、幼児の皮膚培養による研究では、1歳までの乳児においてアトピー性皮膚炎病変の約21%で、黄色ブドウ球菌コロニー形成を示したそうです(Br J Dermatol 2009;160:1286-91.)。

本研究との差は、研究集団における違いおよび/または標本抽出された皮膚病変の重症度に関連があるかもしれないとされていました。

また、本研究の検体サイズが小さいことや帝王切開が少ないことが、生後2日目の統計的な違いが現れにくかった理由になる可能性が指摘されています。

 

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生後6ヶ月の経皮的水分蒸散量(TEWL)は、2歳でのアトピー性皮膚炎発症を予測する: 前向きコホート試験

Berents TL, et al. Transepidermal water loss in infancy associated with atopic eczema at 2 years: a population-based cohort study. Br J Dermatol 2016. [Epub ahead of print]

https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/27808403

 


 TEWLによるアトピー性皮膚炎発症予測に関しては2015年に発表されたKellherらの報告が有名で、生後2日、2ヶ月の経皮的水分蒸散量(TEWL)は、1歳でのアトピー性皮膚炎発症を予測する(http://pedallergy.jugem.jp/?eid=22)としていました。本邦からも「生後1週間以内のTEWLがアトピー性皮膚炎の発症を予測し他の検査(角質水分量・pH)よりも有効」(https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/26666481)という報告があります。

 それらに比較して何か新しい知見があるわけではないのですが、生後6ヶ月時のTEWLが2歳時のアトピー性皮膚炎発症を予測するという結果を見つけたのでご紹介します。これらの研究結果は、今後、アトピー性皮膚炎発症予防群を層別化するために重要になるのではないかと思っています。


 

P: ノルウェーの南東地域の2つの都市(オスロとFredrikstad)でリクルートされた平均6.0ヵ月(1.2-13.4ヶ月) 116人

E: 経皮的水分蒸散量(TEWL)高値群

C: 経皮的水分蒸散量(TEWL)低値群

O: 2歳時点でのアトピー性皮膚炎の発症率

 

 

■ 結果

 

■ 母・父のアトピー素因は、母・父のアトピー性皮膚炎、喘息、アレルギー性鼻炎と定義された。

■ 1回目の訪問でTEWLを測定したうえで2回目の訪問でアトピー性皮膚炎を確認できた児が196人中116人だった。

■ TEWLの中央値は、7.95g/m2/h(SD 4.34)であり、 ROC解析によるAUCで検討した2歳でのアトピー性皮膚炎発症予測における生後6ヶ月のTEWLの低値と高値の分割点は9.33g/m2/hと求められた。

■ 結果として、生後6ヶ月のTEWL高値は、2歳でのアトピー性皮膚炎発症リスクと有意に関連しており(OR 3.32、95%CI 1.15、9.60)、感度 0.63(95%CI 0.44、0.79)、特異度0.70(95%CI 0.62、0.77)、陽性適中率0.29(95%CI 0.19、0.42)と陰性予測値0.91(95%CI 0.84、0.95)だった。

■ 生後3ヵ月未満の乳児32人のみに限定すると、1回目の訪問でのTEWL高値は6人の児がアトピー性皮膚炎を発症しており(OR 7.67; 95%CI 1.04、56.77)、有意に発症していた。しかし、感度、特異度、陽性適中率と陰性予測値は被験者が少なく求められなかった。

 

 

■ コメント

 

■ TEWL高値群は、アトピー性皮膚炎発症に関連するとまとめられます。

先行研究に比較して、検討した児はやや高年齢で、測定した月齢の範囲も大きいという対象者の選択が異なります。

■ また、先行研究はTEWLが四分位値によって定義されていましたが(上位1/4と下位1/4で比較)、本研究ではROC曲線分析から求められたTEWL高値群と低値群で比較されていました。なお、上に紹介した本邦の検討はc-統計を使用して2群に層別化しています(c-統計は時間的な要素も加味できます)。

■  印象としては、最初のリクルート時の月齢に幅があるすぎるのが問題点ではないかと思います。また、TEWLの測定部位の記載が見当たらないのも引っかかります。

■ TEWLは月齢によって大きく変化することが先行研究で示唆されており、幅が大きすぎると値の閾値を決めるのに問題がでるでしょう。実際、3ヶ月未満に限定すると発症のオッズ比が上がる(TEWL高値の発症への関連がはっきりしやすいといえるでしょう)と本論文にも指摘されています。

■ また、TEWLは季節によって変化する可能性がありますが、本論文の著者は、相対湿度がTEWLと相関しなかったそうです。

■ 今後のこの類の研究は、事前に検査部位を決め、検査する月齢を限定する必要性があるでしょうね。

 

 

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