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母乳中のダニ抗原は、児のアレルギー疾患発症に影響するか?: コホート試験

Baiz N, et al. Early oral exposure to house dust mite allergen through breast milk: A potential risk factor for allergic sensitization and respiratory allergies in children. J Allergy Clin Immunol 2017; 139:369-72.e10.

https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/27566456

 


ダニは環境抗原のなかでも重要なものの一つです。

今回の検討は、ダニ抗原が母乳中に含まれていて、感作に関与するのではないかというショッキングなLetter(短報)です。


 

P: EDEN Mother-Child Cohort Studyに参加した母255人

E: 母乳中のDer p1 (ダニ抗原) 

C: -

O: 児のアレルギー疾患・Derp p1感作に影響するか

 

 

結果

 

Der p 1は、255人の母乳中からELISAにより測定され、Der p 1は母乳サンプルの3分の2で検出さた(中央値52.1pg/mL)。

Der p 1は、喘息またはアレルギーの既往歴のある母親でより高く、34歳以上の母親より、それ以下の母親のほうが高値だった(P = .02)。

冬季に採取された母乳のほうが他のの季節で採取されたものより高値だった(P =.04)。

ナンシー(フランスの都市)に居住している母は、ポアティエに居住しているより高かった(P=.0008)。

Der p 1を中央値(552.1pg/mL)で高値群と低値群に層別化されたが、母乳中のDer p 1と児の5歳時点での健康転帰の関連は認められなかった。

しかし、喘息もしくはアレルギーの既往歴のある母から授乳され、母乳中のDer p 1高値群は、喘息またはアレルギー性鼻炎のリスクが有意に高かった(オッズ比[OR]3.4; P =.02)

Der p 1高値群は、総IgE陽性になるリスクが高く(調整オッズ比[aOR]3.87; P =.003)、Der p 1特異的IgEの高い傾向があった(aOR 2.21; P =.07)。

 

 

コメント

 

アトピー感作されている母からの母乳栄養が、児のアレルギー保護に働いていないことと、母乳中にあるDer p1(ダニ抗原)が呼吸器アレルギーに関与するかもしれないとまとめられます。

同グループは、すでに、母乳にDer pやBlomia tropicalisといったエアロアレルゲンの存在を示しており、マウスモデルにおいて、母乳中のDer pが児のアレルギー感作を促進すると報告しているそうです。

さて、経皮感作に注目されていますが、これは経口感作、、なのでしょうか?

以前、唾液中・血清中ダニ特異的IgA2は、アトピー性皮膚炎に防御的に働く(http://pedallergy.jugem.jp/?eid=78)という研究結果をご紹介いたしましたが、それと反対の結果になるようにも思います。

この論文中には言及されていないようなのですが、もしかすると、環境中のダニ抗原が皮膚に付着していてコンタミネーションしているのでは?とも思える結果です。

今後の続報をまちたいと思っています。

 

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離乳食導入タイミングはアレルギー疾患のリスクを変化させる: システマティックレビュー&メタアナリシス

Ierodiakonou D, et al. Timing of Allergenic Food Introduction to the Infant Diet and Risk of Allergic or Autoimmune Disease: A Systematic Review and Meta-analysis. Jama 2016; 316:1181-92.

http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/27654604

 


最近、BMJから、加水分解乳(低アレルゲンミルク)の早期介入がアレルギー疾患や自己免疫性疾患の予防にはならないというシステマティックレビューが報告されました(http://pedallergy.jugem.jp/?eid=144)。少し内容が異なりますが、今度はJAMAから食物導入のタイミングがアレルギー疾患に関与するかを検討したシステマティックレビューが発表されました。


 

P: 1946年1月から2016年3月のMEDLINE, EMBASE, Web of Science, CENTRAL, LILACS databasesから抽出された、1歳までに食物導入のタイミングを評価し、自己免疫性疾患もしくはアレルギー感作を報告した介入試験と観察研究 146研究からの204報告

E: 食物の導入のタイミング

C: -

O: 喘鳴、湿疹、アレルギー性鼻炎、食物アレルギー、アレルゲン感作、1型糖尿病、セリアック病、炎症性腸疾患、自己免疫甲状腺疾患、若年性関節リウマチの発症リスクに影響するか

 

【結果】

介入試験24件(39報告)は、13298人の参加者においてアレルギーの転帰を評価し、介入試験5件(6報告)は、5623人の参加者において自己免疫性疾患を評価した。 観察研究69件(90報告)は、142103人の参加者においてアレルギーの転帰を報告し、観察研究48件(69報告)は、63576人の参加者において自己免疫性疾患を評価した。 コホート研究55件(1件は後方視的)、コホート試験内でのケースコントロール研究2件、ケースコントロール研究もしくは横断研究12件が、アレルギーの転帰を報告し、 コホート研究7件、コホート試験内でのケースコントロール研究4件、ケースコントロール研究37件が、自己免疫性疾患を評価した。

 

【食物アレルギーとアレルゲン感作のリスク】

メタアナリシス(5試験1915人)は、生後4〜6ヵ月の卵早期導入が、卵アレルギーを減少させるという中等度のエビデンスを示した(リスク比[RR]0.56; 95%信頼区間[CI](0.36-0.87; I2=36%; p=0.009)

5.4%の卵アレルギー発症率のある集団に対する絶対危険度の減少は、1000人につき24例(95%CI 7-35例)だった。

メタアナリシス(2試験1550人)は、生後4〜11ヵ月のピーナッツ早期導入が、ピーナッツアレルギーを減少させるという中等度のエビデンスを示した(RR 0.29; 95%CI(0.11-0.74); I2=66%; p=.009)

2.5%のピーナッツアレルギー発症率のある集団に対する絶対危険度減少は、1000人につき18例(95%CI 6-22例)であった。

他の食品に対するアレルギーのリスクは、卵やピーナッツ導入のタイミングにより減少しなかった。

前向きコホート研究(1件参加者699人)は、卵早期導入が卵アレルギーを有意に減少する(オッズ比[OR]、0.29; 95%CI 0.15-0.56)と報告したが、コホート研究(3件13472人)は研究ごとの異質性のためにメタアナリシスが実施できなかった。

 

【アレルギー性鼻炎のリスク】

介入試験(13件6333人)と観察研究(12件25147人)が、アレルギー性鼻炎のリスクを評価した。

コホート研究(4件12781人)は、生後6〜12ヵ月の魚導入が4歳以下(OR 0.59; 95%CI、0.40-0.87;I2=59%])、5〜14歳(OR、0.68; 95%CI、0.47-0.98)においてアレルギー性鼻炎を減少させることを示唆した。

 

【喘鳴のリスク】

介入試験(16件8433人)と観察研究(30件65601人)は、喘鳴のリスクを評価した。

コホート研究(3件11155人)は、8〜12ヵ月目の魚導入が4歳以下で再発性喘鳴を減少させることを示唆した(OR、0.72; 95%CI、0.59-0.87;I2=0%)。しかし、他の5件の報告(13033人)は、魚導入のタイミングと喘鳴の間に関連を示唆しなかった。

 

【湿疹のリスク】

介入試験(17件6798人)と観察研究(37件59120人)は、湿疹のリスクを評価したが、一貫した関連を認めなかった。

 

【自己免疫性疾患のリスク】

介入試験(5件5623人)と観察研究(48件63576人)は自己免疫性疾患のリスクを評価した。その他2件の観察研究データによるシステマティックレビューも確認されたが、グルテン導入のタイミングとセリアック病の間に一貫した関係を見つけられなかった。

観察研究は、グルテン導入のタイミングとセリアック病や炎症性大腸疾患のリスクの間に関連を示唆せず、乳導入とセリアック病や若年性特発性関節炎にも関連を示唆せず、食物導入のタイミングと1型糖尿病のリスクにも関連を示唆しなかった。

 

 

【コメント】

卵やピーナッツの乳児に対する早期導入は、卵もしくはピーナッツアレルギーのリスクを減少させると結論されていました。

最近、食物アレルギー予防のための食物早期導入のランダム化比較試験が次々と発表され、食物アレルギー診療に大きなパラダイムシフトが訪れています

 

 

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マイコプラズマによるスティーブンス・ジョンソン症候群の特徴: 症例集積研究

Olson D, et al. Outbreak of Mycoplasma pneumoniae-Associated Stevens-Johnson Syndrome. Pediatrics 2015; 136:e386-94.

http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/26628717

 


マイコプラズマとスティーブンス・ジョンソン症候群の関連はよく言われますが、思ったよりエビデンスがありません。

マイコプラズマの流行期に多形紅斑の児を複数診療したので調べてみた時に出てきた文献です。



P:  2013年9月1日から11月30日 コロラド小児病院 (CHCO)でMycoplasma(Mp)流行期における5歳から21歳のスティーブンス・ジョンソン症候群(SJS) 8例+2008年10月以降に後方視的に集積した追加症例

E: Mp陽性SJS

C: Mp陰性SJS

O: Mp陽性SJSの特徴
 

【結果】
Mp流行期のSJS8例中5例がMp陽性。

後方視的に集積したSJS 22例中、Mpの関与が疑われた5例を除外しコントロールに追加された。

Mp陽性SJSは、a) Xpにおける肺炎あり オッズ比 10 (信頼区間 1.3-5.1)、 b) 先行する呼吸器症状 オッズ比 30.0(信頼区間 1.6-72.6)、c) より少ない皮膚症状箇所を持っていた。
 

【コメント】
Mpの関与するSJSは、Mpの特徴がやはりある可能性が高いという結果ですが、皮疹の箇所が少ないのは意外でした。

Mp診断はPCRで行われており、PCR陽性例でもIgM陽性は少ないのが印象的です。

 

 

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小児期のネコやイヌの感作は、将来のネコやイヌの症状発症を予測する

Asarnoj A, et al. Sensitization to cat and dog allergen molecules in childhood and prediction of symptoms of cat and dog allergy in adolescence: A BAMSE/MeDALL study. J Allergy Clin Immunol 2016; 137:813-21.e7. 

http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/26686472
 


昨日の論文は、ネコは持続して飼育していたほうが防御抗体といえるIgG4が増加するという報告。
今回は、小児期にネコやイヌに感作されていると将来ネコやイヌアレルギーを発症している可能性が高いという報告。



P: BAMSE/MeDALLコホート研究4089名からランダムに収集された779名
E: 4, 8歳時のネコ・イヌ特異的IgE抗体価(ImmunoCAP)、Fel d1,2,4(ネコアレルギー分子)、Can f1,2,3,5,6(イヌアレルギー分子)に対するIgE(ISAC技術を使用)
C: -
O: 16歳時のネコ・イヌに対する症状の予測


【結果】
アレルギーは、ネコまたはイヌに対する曝露による鼻炎、結膜炎または喘息と定義された。
4,8,16歳でネコとイヌ抽出物(ImmunoCAP)に対するIgE陽性率(≧0.35)はネコ6.8%、13.9%と19.8%、イヌ5.1%、11.6%、22.9%だった。
Fel d1もしくはネコ特異的IgEは、将来のネコアレルギーに関し同程度の陽性適中率だった。
Can f1もしくはイヌ特異的IgEは、将来のイヌアレルギーのために、イヌ抽出物IgEより高い陽性予測値を示した。

小児期のFel d1、Can f1に対する感作は、16歳におけるネコまたはイヌに対する症状と有意に関係していた。
アレルギーを起こす分子に対する3つ以上の感作は、ネコ・イヌ特異的IgE抗体価の結果より良好に、将来のイヌネコの症状を予測し、多数に感作していた小児は、将来より強い症状を呈していた。


【コメント】
小児期にネコ/イヌアレルゲンに感作している幼児に関し、将来の呼吸器症状に関し縦断的なpopulation-based studyを行ったのははじめてだそうです。
昨日の論文と矛盾している印象も持つかもしれませんが、幼児期にネコを飼育し続けると防御抗体が産生はされても、それ以上にアレルギーとしては明らかになってしまう可能性のほうが高いと考えれば矛盾はないといえます。
症状が安定してきた患者さんが急に症状が不安定になってきて、おかしいなと思い、よくお話をお聞きすると新しくペットを飼いはじめたという患者さんがごく稀にいらっしゃいます(多くの場合は、事前にどうしましょうかと相談されるのですが、、)。
ダニはいくらでも減らしていいと思いますが、ペットも生き物ですから簡単に手放せるわけはありません。結局薬剤を増量する結果になることがあります。
どちらにせよ、飼育し続けるかどうかは、ご家族と相談を十分していく必要性はあるでしょうけど、簡単な問題ではないですね。


 

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慢性のネコ曝露はTh2細胞依存性のIgG4産生に働き、脱感作を促進する

Renand A, et al. Chronic cat allergen exposure induces a TH2 cell-dependent IgG4 response related to low sensitization. J Allergy Clin Immunol 2015; 136:1627-35.

http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/26371841
 


ネコ飼育でネコアレルギーがない患者さんは、このような機序が働いているのでしょう。
では、飼育を続けるのが吉なのか?
そうもいかないという臨床報告の抄録を明日UPします。



P: Virginia Mason Medical Center Allergy Clinic and Benaroya Research Instituteでリクルートされた38名
E: ネコアレルギー患者 24名(症状歴あり、皮膚テスト陽性、ネコフケ特異的IgE抗体価≧0.35kUA/mL)
C: ネコアレルギーでない対照者 14名(ネコ、チリダニ、ギョウギシバ、オオアワガエリ、ハンノキ、アルテルナリアIgE陰性)
O: 抗原刺激によるCD154発現により特徴づけられたFel d1、Fel d4、Fel d7、Fel d 8特異的特性T細胞反応

【結果】
(1) IgG4を産生する能力を持つB細胞は、アレルギー患者でも存在する。
(2) ネコアレルゲン曝露は、TH2細胞依存性にIgG4反応を誘発する。 そして、IgG4増加はTH2反応の慢性の活性化により媒介され、次に脱感作を引き起こす。


【コメント】
動物飼育に関する逆説的なこの論文に関しては、まだ議論の余地が十分残されています。
少なくとも、症状のある児が動物飼育をしても良いと手放しで考えて良いとはなりません。
一方で、感作があるけれども症状がない児に関して、一律に動物を手放すことを指導するわけでもないということ。
私は、感作があるからといって即座に飼育を中止する指導はせずに、まずは共存を図っていただく指導をすることが多くなっています。
もちろん、飼育中で感作が明らかになっており、例えばアトピー性皮膚炎の治療が難渋して十分ステロイド外用薬が減量できない場合などは、やはり患児が優先で、飼育に関して考えていただくしかないと思っています。
この論文に関しては、Correspondenceが出ている(Liccardi G, et al.,Chronic cat allergen exposure and low sensitization: Possible limitations in patient selection? J Allergy Clin Immunol 2016.[in press])。
しばらくは議論が続くと思われます。
明日は、小児期にネコ・イヌに感作されると将来ネコ・イヌによる症状が出現する可能性が高いという報告をUPします。


 

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