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TEWL・皮膚水分量測定のガイドライン

 

topic

 

 経表皮水分蒸散量(TEWL)に関し、いくつかの研究結果をご紹介してきました。

 

 

 

 これらの重要性は、新生児期のTEWLが、その後のアトピー性皮膚炎や食物アレルギーの発症を予測することにもありますし、また、現在注目されている保湿剤の効果をみる指標にもなるからです。

 

 TEWL測定に関しては、多くの関連因子があり、ガイドラインをみておく必要があります。そこで、2013年にはなりますが、TEWLや皮膚水分量測定のガイドラインの紹介をしたいと思います。

 全文がフリーで閲覧可能なので、TEWL中心にすこし詳しめにご紹介します。

 

ガイドラインなのでPECOはなし

 

 結局、何を知りたい?

 ✅TEWLや皮膚水分量測定に関する標準の方法をガイドラインとして提示しようとしている。

 

結果

 

 皮膚は、体液の低下と物質(化学物質)、感染因子の侵入を防いでいるバリアとして機能し、主に角質層にバリア機能がある。
 経表皮水分喪失(Transepidermal water loss;TEWL)と皮膚水分量(skin hydration;SH)は、皮膚バリア機能を評価する指数として広く使われている。

 皮膚水分量が角質層(SC)の含水量を反映する一方、TEWLはSCからの水分の蒸散を意味する。
 皮膚バリア機能の変化はTEWL上昇によって評価され、多くの皮膚病(例えばアトピー性皮膚炎や乾癬)、実験的な皮膚の修飾(例えば溶媒・界面活性剤使用)で観察される。

 皮膚バリアの障害に関し、TEWL高値と皮膚水分量低下は、しばしば相関している。

 

 

器具使用と測定

 

 TEWLは開放型または閉鎖型で測定される。
 開放型チャンバーは周囲の空気を受け入れやすく、外部の空気の対流と乱流によって容易に影響される。そのため、気流シールドの使用を必要とする。
 閉鎖型チャンバーは、外部の空気の対流と乱流によって影響されない。

 

TEWLと皮膚に影響する因子

 

 TEWLと皮膚水分量に影響する、内因性・外因性・環境関連因子は、表にまとめられる(ここでは省略)。

 温度・感情的・身体的な機序からの発汗は、TEWLと皮膚水分量を増加させるが、測定環境への被験者の十分な順応を考慮すれば、環境温度・湿度を特定の条件の下で測定を行うことによって制御されるかもしれない。
 前腕や顔のTEWLでは、日内変動があるとする報告もあるが、日内変動はないとする報告もある。
 TEWLに影響している外的要因は、皮膚洗浄と湿的働き(局所製品使用)、化学物質曝露(溶媒や界面活性剤への曝露の頻度を含む)、閉塞、皮膚の損傷である。
 美容クリーム/ローション剤の使用がTEWL値を下げる可能性がある。

 一方、陰イオン性界面活性剤を使用した皮膚洗浄、抗菌石鹸、湿潤石鹸はTEWL値を増加させる。

 喫煙者と比較して、非喫煙者はTEWLがより低いことが示唆されている。

 

非臨床的設定のための測定プロトコル

 

 内因性・外因性・環境・測定/器具類因子の影響を最小化もしくは取り除くための、非臨床的設定でTEWLと皮膚水分量測定のためのガイドラインと最善のプラクティスを提供する。
 測定の前に、衛生的プラクティス(皮膚洗浄)、局所製品の使用(化粧品、ローション剤、肌荒れ防止クリーム、その他)、カフェイン含有飲料の摂取、喫煙に関して被験者が受け入れられるかを正確に指示する。
 TEWL測定のために、閉鎖式チャンバーは、空気の動きに影響されず、測定時間が短く(<10s)、容易な可搬性のため、推奨される。

 

製品の取扱いと器具の保管


 使用される製品によっては測定される少なくとも15-30分前にオンにされなければならない。
 器具が断続的に使われることになっている場合、スイッチを切ってはならない。

 衛生目的のために、プローブ・ヘッドは、測定後にアルコールで拭く必要がある。

 

TEWLおよび/または皮膚水分量の測定


 臨床研究のために、EEMCOは、汗を除外するために、TEWL測定前の少なくとも15−30分間環境温度(20-22°C)と相対湿度(40-60%)、皮膚水分量測定の少なくとも20分間、の順応時間が推奨される。

 測定される部位は、測定の前に、少なくとも10分間外気にさらされなければならない

 しかし、職場のような非臨床的設定では、測定のための時間に加え20分間順応することは必ずしも実行可能ではないかもしれない。

 カフェイン含有飲料の摂取は、3時間は回避される必要がある。
 意図された測定部位に対する局所製品の使用は、参加/測定の12時間は回避されなければならない。
 研究の目的が病変部位を評価することでない限り、測定は臨床的に炎症を起こした皮膚の上でなされてはならず、その位置に隣接していてはならない。
 臨床試験では、TEWLと皮膚水分量測定のための推奨された解剖学的位置は手首から離れた前腕内側であるが、他の解剖学的部位も同様にも測定されている。
 同じ解剖学的部位の3回測定の平均を結果とするよう勧められる

 

 結局、何がわかった?

 ✅TEWL測定に関し、(i) 実現可能性と、内因性・外因性・環境性・測定/器具類関連因子の影響 (ii)  閉鎖型チャンバー型TEWLによる測定 (iii) 絶対値よりむしろパーセンテージの変化の測定 (iv) ガイドラインからの顕著な逸脱に関してなど、推奨事項に関するガイドラインが提示されていた。

 

コメント

 

 アトピー性皮膚炎がバリア機能の面から注目されて以来、TEWLはさらに注目されている「非侵襲的な」皮膚検査になります。

 標準的な測定方法が求められ、ガイドラインは重要となりますので、もし研究で用いるならば目を通す必要があります。

 また、最近、閉鎖型のTEWL測定機器が開放型の代わりになるのではないかという報告があります。

 とはいえ、ガイドラインにも記載あるように、必ずしも理想的な環境による検査は難しいですし、リアルワールドでは、使いにくい面もあるといえるかもしれません。

 個人的には、リアルワールドでは、最低限エアコンで温度を一定にし安静時に測定することが重要で、研究目的であれば、出来る限りガイドラインに沿う、しかないかと思っています。

 

 今日のまとめ!

 ✅TEWL(経表皮水分蒸散量)や皮膚水分量に関して、標準的な測定方法や変動する因子に関してまとめられている。

 

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TEWLの正常値はどれくらいか?

 

topic

 

 今日は忙しくてUPが遅れました。明日はUPできるかどうかわかりません、、、

 さて、皮膚バリア機能を反映するTEWLに関し、いくつかの報告をご紹介してきました。

 

 

 今回、基準値に関するメタアナリシスがありましたのでご紹介いたします。

 

P: MEDLINEとEMBASEから抽出された、TEWLに関して報告している167研究
E: -
C: -
O: 健常な成人の一般的なTEWL値はどれくらいか

 

 結局、何を知りたい?

 ✅TEWLの基準値がどれくらいかということを知ろうとしている。

 

結果

 

 最終的に、皮膚の50部位におけるTEWLデータを提供する167研究が、検討された。
 検体サイズは、左頬部と左下背における5例から、前腕内側中央における2838例まで多岐にわたった。
 TEWLは、胸部における2.3g/m2/h(95%CI 1.9-.2.7)が最も低く、腋窩の44.0g/m2/h(39.8.-48.2)が最も高値だった。
 65歳以上のTEWLは、18〜64歳と比較して、一貫してより低かった

 

 結局、何がわかった?

 ✅TEWLは、年齢によっても測定する箇所によっても様々である。

 

コメント

 

 経表皮水分蒸散量(TEWL)は、皮膚バリア機能における最も重要なパラメータのうちの1つと考えられています。

 論文そのものには、各箇所による基準値(50箇所!)が65歳未満、65歳以上にわけて示されていました。

 

 今日のまとめ

 ✅TEWLは年齢によっても、測定箇所によっても値が異なる。メタアナリシスで基準値が示された。

 

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生後24時間以内の経表皮水分蒸散量(TEWL)は成人と異なるか?

 

topic

 

 経表皮水分蒸散量(Transepidermal water loss;TEWL)は、皮膚バリア機能を反映する非侵襲的な検査の一つで、最近、いくつかの報告をご紹介しています。

 TEWLは年齢に応じ大きく変化することもわかっており、新生児では刻々と変化します。

 そこで今回は、生後24時間以内のTEWLを検討した報告をご紹介いたします。

 

P: 2012年10月から2012年12月S. Orsola Malpighi病院(ボローニャ大学;イタリア)で出生した新生児94人
在胎週数32.3-42.3週(平均39.2±1.8週)、出生時平均体重3.3±0.4kg
E: 生後24時間以内のTEWL
C: 成人対照
O: 健常新生児の24時間以内のTEWL

 

結果

 

 すべての新生児は、出生4時間、8時間後に同じ洗浄(水道水で洗、湿らせた綿タオルで穏やかに洗う)の処置を受けた。洗剤や類似の製品は使用しなかった。
 水温は、34°C〜36.5°Cであり、洗浄後、新生児を毛布で軽く押し拭きし乾燥させた。薬物は一人も投与されず、遺伝的・内分泌的・血液学的・代謝性障害は認めなかった。
 成人対照は、24時間以内にシャワーを浴びるか、保湿剤を塗布している場合、乾燥もしくはアトピー性皮膚炎の場合は除外された。
 TEWLは、掌側前腕と膝窩で測定された。
 TEWLは開放式のTEWL測定装置(Tewameter TM 300; Courage & Khazaka, Cologne, Germany)が使用され、一定の気温(20°C - 24°C)と相対湿度(40% - 60%)を維持し、被験者は少なくとも15〜30分間とどまってから測定された。
 94人の新生児において、TEWLは、平均16.1±7.8時間で測定され、掌側前腕のTEWLは平均T11.30±3.39 g/m2/hour、膝窩は10.95±2.96 g/m2/hourだった
 分娩様式によるTEWLの有意差は認めなかった。

 早産児 5人は、掌側前腕の平均TEWLが9.58±2.60g/m2/hour、膝窩8.18±0.96g/m2/hourだった。
 過期産児 1人は、掌側前腕5.1g/m2/hour、膝窩11.4g/m2/hourだった。
成人対照 33人において、平均TEWLは、前腕掌側側4.13±0.97 g/m2/hourと膝窩3.97±1.19g/m2/hourだった。

 

コメント

 

 新生児のTEWLは、成人より非常に高いとまとめられます。
 この理由として、角層がより薄い、顆粒層のコルネオサイトと顆粒層細胞がより小さい、細胞の代謝率が高い、角層の疎水性細胞外脂質マトリックスの組成が異なることなどが原因として挙げられていました。

 

今日のまとめ

✅新生児の皮膚バリア機能を測定するための研究も進んできていているが、時間とともに値が大きく異なることがわかってきた

 

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アトピー性皮膚炎のバイオマーカーの未来は?

 

topic

 

 今回はレビューです。

 今週は、アトピー性皮膚炎のバイオマーカーに関する報告を多くご紹介してきました。

 例えば、単一のバイオマーカーであればTARCがいいとか、

 

 いやいや、単一より複数を組み合わせたほうがいいとか、、、。

 

 今回ご紹介するのはインパクトファクターはそれほど高くないjournalですが、最近のアトピー性皮膚炎のバイオマーカーの現状に関し、示唆が富む優れたレビューです。

 このレビューを発表したグループが、上に挙げた研究結果を報告していることもあり、読む価値のあるレビューと思います。

 今回の論文は全文がフリーで閲覧できるので、少し詳しめ。

 

レビューなのでPECOはなし

 

結局、何を知りたい?

✅アトピー性皮膚炎のバイオマーカーに関し、最近の報告をまとめようとしている。

 

まとめ

 

 アトピー性皮膚炎において、多くのバイオマーカーは、重症度の指標として研究されてきた。
 thymus and activation-regulated chemokine (TARC)(TARC)は、重症度を評価する優れたバイオマーカーである。
 しかし、我々は、血清バイオマーカーの併用が、個々の生物マーカーよりも重症度を評価することに適していることを示した。
 世界保健機関は、バイオマーカーを「体またはその産物により測定されうる物質、構造または過程であり、病気の転機の発生の影響や予測をするもの」と定義している。

 

アトピー性皮膚炎のバイオマーカー

 

診断のためのバイオマーカー


 アトピー性皮膚炎(AD)は、診断を確定するための客観的で信頼に足るバイオマーカーはなく、臨床診断に留まる。
 古典的には、ADは2つの外因性、内因性の二つのサブタイプに分けられており、総血清IgEは約20%のAD患者では上昇しないため、総血清IgEがAD患者すべての診断バイオマーカーとしては使えない
 最近、Suarez-Farinas らは内因性および外因性AD患者では類似のTh2型免疫活性化をしており、Th2は外因性AD患者のにおけるIgE高値の唯一の原因ではないことを示唆した(J. Allergy Clin. Immunol. 2013, 132, 361–370.)。

 

重症度のバイオマーカー


 重症患者はより高いIgEを持つ傾向があるが、IgEが高くない重篤な皮膚炎患者もいる。

 従って、総血清IgEは、重症度のための信頼性が高いバイオマーカーでない( J. Am. Acad. Dermatol. 2014, 70, 338–351.)。

 ADの重症度に対する血清バイオマーカーは、eosinophilic cationic protein(ECP)、IL-2R、hymus and activation-regulated chemokine(TARC/CCL17)がこれまで報告されている
 ADの重症度のための血清バイオーマーカーにおけるシステマティックレビューで、血清TARCが、縦断的研究で加重平均R値0.51、横断研究で加重平均R値0.63で相関が最もよかったことを示している。

 しかし、重篤なAD患者のTARCが正常範囲であったり、軽症中等症患者でも高いTARCを示す可能性もある(J. Am Acad Dermatol. 2014, 71, 1160–1166.)。

 これは、ADの病因と臨床的な異質性に関係する、多数の生物学的経路によって説明されるかもしれない。

 実際、4つの血清バイオマーカーによる多変量指数が、6つの領域と6つの徴候を評価するアトピー性皮膚炎重症度スコア(SASSAD)で測定される重症度に0.86の相関係数を示すことが最近証明された(Br. J. Dermatol. 2002, 146, 1057–1060.)。

 17例の予備的研究ではあるが、ADのような多面的な疾患の測定にはバイオマーカーの併用が有用なのかもしれない(Clin. Exp. Allergy 2015, 45, 698–701.)。

 現在、重症度測定のためのゴールデンスタンダードの基準はADにはなく、20以上のいろいろな複合指数が提示されている( J. Allergy Clin. Immunol. 2007, 120, 1389–1398. )。

 臨床試験の代理のエンドポイントとしてのバイオマーカーは、試験の比較を改善しメタアナリシスを容易にする。

 

前兆となるバイオマーカー

 

 新しい治療薬と「ターゲット」治療の導入はまた、前兆となるバイオマーカーの必要性を惹起するが、疾患の不均一性があるため、サブグループの層別化は前兆となるツールの発達が不可欠である。

 

バイオマーカーを測定する別の方法

 

 血液は、バイオマーカー測定に最も一般的に用いられるが、採血は訓練されたスタッフを要し、侵襲性でもありこの領域に適していない。また、小児領域でも好まれない。
 そこで、毎日のプラクティスと追跡研究用の選択肢として、ろ紙乾燥血液(
Dried Blood Spots;DBS)と唾液がある。

 

ろ紙乾燥血液(Dried Blood Spots;DBS)
 Chambers らは、DBSから40種類のタンパク質パネルの質量分析が可能であることを報告している(Mol. Cell. Proteomics 2013, 12, 781–791.)。

 

唾液
 唾液がバイオマーカーを測定する理想的な検体であるようにみえるが、検体の採取と取扱いに関して多くの変数が存在する。

 さらに、唾液の構成とタンパク質濃度は、多くの因子(例えば年齢、性、水分補給ステータス、流量、サンプリング、食事の時間)によって影響される。唾液サンプルの採取と取扱い方法の標準化が、毎日のプラクティスにおける導入の前に必要とされている。

 

結局、何がわかった?

✅アトピー性皮膚炎の重症度を示すバイオマーカーとして、単一ではTARCの有用性が報告されている。

✅一方、複数のバイオマーカーを組み合わせる方法も有望視されており、4つの血清バイオマーカーによる多変量指数が、臨床的なアトピー性皮膚炎重症度スコアと相関係数0.86で強い相関を示した。

✅血清採血だけでなく、ろ紙乾燥血液検査(小児科では先天性代謝異常でおこなうような検査)や唾液も検査を行う検体として有望視されているが、まだこれからの研究が必要である。

 

コメント

 

 血清TARCが毎日のプラクティスや臨床試験にに対する優れた補助的手段を提供するにもかかわらず、アトピー性皮膚炎のようなheterogeneous(不均一)な疾患に対して、単一のバイオマーカーを使用するのは制限が起こりうると述べられていました。
 近い将来、バイオマーカーのパネル検査が、これまでの検査を置き換える可能性があるとされていました。

 ただ、現状では、稀にIgEとTARCを同時に検査すると保険審査に問題が出たり(最終的には通していただけましたが、)、保険内で同一疾患に対する複数のバイオマーカーを駆使するのは難しいでしょうね、、。

 

今日のまとめ

✅アトピー性皮膚炎のバイオマーカーは、単一ではTARCがまずまず良い結果を示し、他のバイオマーカーを組み合わせる方法が研究中である。

 

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アトピー性皮膚炎の重症度診断には単独より複数のバイオマーカーが良い?

 

topic

 

 今週は、各種バイオマーカー(特にTARC)とアトピー性皮膚炎の関連に関する報告のご紹介が続いています。

 昨日、単一のバイオマーカーとしてTARCが有用とするシステマティックレビューをご紹介いたしました。

 

 今回は、単一のバイオマーカーではなく、複数のバイオマーカーの組み合わせがアトピー性皮膚炎の重症度と関連するかどうかという報告です。

 

P: 中等症から重症のアトピー性皮膚炎患者17人(男性6人、女性11人; 平均年齢33歳; SASSAD 20-54; 湿疹の体表面積 24-100%)
E: 31種類のの血液バイオマーカー
C: -
O: 単一もしくは複数のバイオマーカーと、アトピー性皮膚炎の重症度の関連

 

結局、何を知りたい?

✅血液バイオマーカーとアトピー性皮膚炎の重症度ということを知ろうとしている。

 

結果

 

 アトピー性皮膚炎(AD)はHanifin and Rajka基準に従って診断され、全員が総IgE値が高値だった(範囲:275-76942 IU/mL;平均 19006 IU/mL)。

 重症度は Six Area Six Sign Atopic Dermatitis (SASSAD) で評価され、症状のある部位の体表面積(body surface area ;BSA)も評価された。

 すべての患者は、強いステロイド外用薬(ヨーロッパ分類でクラスIII)を用いた治療を受け、経口免疫抑制性薬を内服している患者は、含まれなかった。

 血清サンプルは、病院入院時、約2週間の治療後に採取され(平均時間:12.8日)、サイトカイン分析は複合プラットフォームを使用して行われた。

 すべての患者は、ステロイド外用薬で臨床状態が有意に改善し、SASSADは、2週間の治療で36.9から8.0まで減少した。

 研究された31種類ののマーカーのうち、7種類は統計学的に有意に後減少し、TARC/CCL17、macrophage-derived chemokine(MDC/CCL22)、IL-22、pulmonary and activation-regulated chemokine (PARC/CCL18)、sIL-2Rで、soluble E-selectin(sE-セレクチン)、IL-16が含まれた

 SASSADに基づく重症度に対する最善の予測因子を見つけるために、TARC、MDC、PARC、IL-22、sE-セレクチン、sIL-2R、IL-16の治療前値を用いて一次結合が行われ、重症度を予測するための予測式を確立した。

SASSAD = -39.89 - 6.95×sex male +1.78×log(TARC)+ 9.12×log(PARC)+ 4.52×log(IL-22) - 2.51×log(sIL-2R)

 人口統計学的な特性(性)、TARC・PARC・IL-22・sIL-2Rの4種類を含む5つのパラメータを用いた多変量サインは相関係数0.856を示したが、単一のそれぞれのバイオマーカーの重症度に対する相関係数は0.415から0.742だった

 

結局、何がわかった?

✅アトピー性皮膚炎の重症度の予測は、単一のバイオマーカーより複数のバイオマーカーを使ったほうが予測精度が高くなる。

特に、性別・TARC・PARC・IL-22・sIL-2Rが予測に有用で、精度の高い予測式を作ることができた。

 

コメント

 

 バイオマーカーパネルが単一のバイオマーカーよりも、重症度と良好な相関を示すことが示唆された。

 この結果は、アトピー性皮膚炎がheterogeneous(不均一な)疾患であり、臨床的だけでなく血清バイオマーカー でも、単一のバイオマーカーでは予測しがたいことが示唆されたとされていました。

とはいえ、この4種類すべてをアトピー性皮膚炎の検査で行うことは現実的には困難ですし、こんな複雑な予測式を臨床で使えるかというと、、、難しいでしょうね。

 でも、この4種類がバイオマーカーとして有用とわかれば、今後の研究にも役立つことでしょう。

 

今日のまとめ

✅アトピー性皮膚炎の重症度の予測に関し、性別・TARC・PARC・IL-22・sIL-2Rの組み合わせが有用である。

 

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