スポンサーサイト

一定期間更新がないため広告を表示しています

■こんな記事も読まれています




■スポンサーリンク


妊娠中・乳幼児期の魚摂取は、アレルギー疾患を予防するのか?: システマティックレビュー&メタアナリシス

Zhang GQ, et al. Fish intake during pregnancy or infancy and allergic outcomes in children: A systematic review and meta-analysis. Pediatr Allergy Immunol 2016.[Epub ahead of print]

https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/27590571

 


昨日、魚油サプリメントが小児期の喘息を減らすかもしれないという報告を御紹介いたしました(http://pedallergy.jugem.jp/?eid=271)。

ほぼ同時期に魚摂取が小児期のアレルギー疾患を予防するかどうかのシステマティックレビュー&メタアナリシスが発表されていたのでご紹介いたします。


 

P: 2016年2月07日までの妊娠中の母の魚摂取に関するランダム化比較試験 1件、前向きコホート研究 13件からの17研究、乳幼児期における魚摂取に関する前向きコホート5件からの8研究

E: 妊娠中もしくは乳幼児期における多い魚摂取(n-3系多価不飽和脂肪酸[[n-3LC-PUFA]を多く含む)

C: 魚摂取が少ない、もしくは摂取がない

O: 小児期のアトピー、湿疹、アレルギー性鼻炎、喘鳴、喘息、食物アレルギーを減らすか

 

 

結果

 

妊娠中の母の魚摂取は、児の湿疹リスク(RR 0.88; 95%CI 0.75ー1.04; p = 0.13; I2 = 53%)、アレルギー性鼻炎リスク(RR 0.95; 95%CI 0.62ー1.45; p = 0.81; I2 = 44%)、喘鳴リスク(RR 0.94; 95%CI 0.83ー1.07; p = 0.36; I2 = 26%)、喘息リスク(RR 0.94; 95%CI 0.75ー1.18; p = 0.58; I2 = 52%)に有意な関連がなかった。

1歳までの魚摂取は、湿疹(RR 0.61; 95%CI 0.47ー0.80; p = 0.0003; I2 = 68%)とアレルギー性鼻炎(RR 0.54; 95%CI 0.36-0.81; p = 0.003; I2 = 74%)のリスクを減少させた。

しかし、喘鳴(RR 0.94; 95%CI 0.77ー1.14; p = 0.51; I2 = 0%)、喘息(RR 0.84; 95%CI 0.69ー1.02; p = 0.09; I2 = 0%)には有意な関連が認められなかった。

 

コメント

 

乳幼児期の魚摂取が、児の湿疹やアレルギー性鼻炎のリスクを減らす可能性があることを示唆するが、妊娠中の母の魚摂取はアトピー性転帰に影響を及ぼさない、とまとめられます。

魚は、特定のタンパク質(必須アミノ酸など)、ビタミン(A、DとB12)、ミネラル(セレン)、微量元素)といった、n-3 LC-PUFA以外の物質があり、個々のもしくはその組合せがアレルギー疾患リスクを低下させる可能性があるとされています。

すでに、2つのシステマティックレビューで、アレルギー疾患予防と魚摂取に関して行われており、多くの疫学的研究が、妊娠中・乳幼児期・もしくは小児期の魚摂取はアトピー性疾患のリスクを下げると結論しているそうです(Am J Clin Nutr 2016: 103: 128–43.)(Clin Rev Allergy Immunol 2011: 41: 36–66.)。

一方、最近のメタアナリシスでは、妊娠中の母の魚摂取が児のアトピー性疾患リスクに関連がないと結論しています(Allergy 2015: 70: 1588–604.)。

これらの結果をどう判断するのか難しくなっていますが、、”少なくとも妊娠中・乳児期の魚摂取は悪くない、子どもの湿疹のリスクを減らす可能性はある”程度にまとめておくといいのかなと思っています。

 

 

Continue Reading

■こんな記事も読まれています




■スポンサーリンク


アレルゲン免疫療法は、アレルギー疾患の新規発症を予防するか?: システマティックレビュー&メタアナリシス

Kristiansen M, et al., Allergen immunotherapy for the prevention of allergy: A systematic review and meta-analysis. Pediatr Allergy Immunol. 2016.[Epub ahead of print]

https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/27653623

 


アレルゲン免疫療法、特に舌下免疫療法(SLIT)に関しては、本邦でもダニとスギ花粉に関して保険適応があり、注目されています。

免疫療法を治療ではなく予防に使えないかどうかに関し、システマティックレビューが発表されましたので、まとめをUPしてみようかと思います。


 

P: アレルギー疾患予防目的にアレルゲン免疫療法(allergen immunotherapy;AIT)の効果を検討した32研究

E: 様々なアレルゲン(例えば、花粉、チリダニ類[HDM])を用い、皮下(SCIT)もしくは舌下(SLIT)免疫療法で介入

C: プラセボもしくは異なるアレルゲンを用いた介入

O: 短期間(AIT開始<2年)/長期間(AIT開始≧2年)介入において、初めてのアレルギー疾患発症もしくは新規のアレルギー疾患の発症に予防効果があるか

 

 

結果

 

AITが短期間における最初のアレルギー疾患のリスクを減らすという決定的なエビデンスを見つけることはできなかった(RR = 0.30; 95%CI:0.04.2.09)

また、ランダム化比較試験も、長期間のにおける予防効果を認めなかった。

しかし、アレルギー性鼻炎患者の喘息発症の短期的なリスクは低下し(RR = 0.40; 95%CI:0.30-0.54)、この効果は、長期間維持されたという(断定的とはいえない)エビデンスがあった(RR = 0.62; 95%CI:0.31-1.23)

新規の感作のリスクが、短期間低下したというエビデンスがあったが、感度分析では確認できなかった(RR = 0.72; 95%CI:0.24-2.18)。

長期間における感作のリスクにも明らかなエビデンスは確認できなかった(RR = 0.47; 95%CI:0.08-2.77)。

AITの費用効果についてもコメントすることができない。

AITの副作用は許容範囲だった。

 

 

コメント

 

AITに初発のアレルギー疾患のリスクを下げるという効果があるというエビデンスは得られなかったとまとめられます。

しかし、短期間ながらアレルギー性鼻炎患者における喘息発症リスクを低下させるというエビデンスがあったとされています。
ただし、この有益性が長期間維持されたかどうかは不明だそうです。

AITに関しては、効果のみならず予防効果が期待されていますが、まだエビデンスがあるとはいえないようです。

食物アレルギー予防に関して、皮膚ケアを十分しながら卵を摂取することで予防効果があり、皮膚ケアを考慮しない場合は予防効果が不十分であることから、AITもスキンケアをしながらであれば、一定の効果があがるのかもしれません。

Continue Reading

■こんな記事も読まれています




■スポンサーリンク


アトピー性皮膚炎乳児にピメクロリムス早期に塗布するとアレルギーマーチを予防するか: ランダム化比較試験

Schneider L, et al. Study of the Atopic March: Development of Atopic Comorbidities. Pediatr Dermatol 2016; 33:388-98.

https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/27273433

 


新生児期からの保湿薬塗布によりアトピー性皮膚炎発症を減らすことが報告(http://pedallergy.jugem.jp/?eid=51)されており、さらに、アトピー性皮膚炎がその後の食物アレルギーをはじめとしたアレルギー疾患のリスクを上げることが示されています(http://pedallergy.jugem.jp/?eid=76)。これらの現象は”アレルギーマーチ”と称されます。しかし、現状ではアトピー性皮膚炎の予防で”直接”アレルギーマーチも予防できるかどうかは証明されていません

この証明は、大規模な保湿剤によるアトピー性皮膚炎予防研究であるBEEPスタディ(http://www.nottingham.ac.uk/research/groups/cebd/projects/1eczema/beep-maintrial.aspx)の結果を待つ必要があると思われますが、今回ご紹介するのは、湿疹発症時に早期にピメクロリムス(本邦未発売;免疫抑制薬)外用を塗布するとアレルギーマーチを予防できるかどうかを検討した研究結果です。


 

P: 3か月以内発症の生後3〜18ヵ月のアトピー性皮膚炎(AD)患児 1,091人

E: ピメクロリムス軟膏×3年間(盲検化フェーズ) 546人⇒ 非盲検化フェーズ

C: 基剤×3年間(盲検化フェーズ) 545人⇒ 非盲検化フェーズ 

O: ピメクロリムスによる早期介入が、3年間の観察期間中のアトピーマーチを予防するか

 

 

【結果】

ベースラインで、対照群 (35.2%)よりピメクロリムス群(45.7%)のほうがに中等度ADが認められた。

3日間改善が見られない場合、ステロイド外用(プロピオン酸フルチカゾン0.05%クリーム)を許可され、使用の判断は、第14週までは研究者が、その後は介護者が決定した(ランダム化時にトレーニングされた)。

健常皮膚もしくは炎症を起こした皮膚に対する毎日の保湿剤の使用は推奨された。

研究者による有効性評価は、重症度の調査者アセスメント(Investigator Global Assessment;IGA)、症状のある総体表面積(TBSA;0-100%)、EASIスコア(0-72スケール)、症状部位(頭頸部、上肢:0-14スケール;体幹・下肢:0-22スケール)といったスコアリングによった。

平均追跡期間は、全調査フェーズ 平均2.8年と非盲検化フェーズ 1.2年間だった。

結果として、喘息10.7%、アレルギー性鼻炎22.4%、食物アレルギー15.9%、アレルギー結膜炎14.1%、一つ以上のアトピー性疾患37.0%発症したが、ピメクロリムスとプラセボ投与を受けた群の発症率に有意差は認められなかった

ベースラインでのAD重症度がより高い乳児群では、アレルギー性鼻炎、食物アレルギー、一つ以上のアトピー性疾患(喘息もしくはアレルギー結膜炎単独を除く)を有意に発症した。

頭頸部に対するEASIスコアは、二重盲検相の全体を通じてピメクロリムス群が有意に改善しており、ピメクロリムス群は、対照群よりステロイド塗布日数が少なかった(中央値32対49日; p=0.20;ANCOVA、 van Elterenテスト;p = 0.002)。

 

【コメント】

ピメクロリムスを保護者判断で症状出現時に塗布しても、アトピーマーチの予防はできなかったとまとめられます。

ピメクロリムスを塗布する期間はプロアクティブに塗布するわけではなく症状が出たときのみであり、3日間使用して改善しなければ両群にステロイド外用薬を使用し、受診も可能になっていますので、湿疹の期間が短く済んでいる可能性があります。

また、保湿薬は”推奨”にとどまっているのですが、十分に塗布されていた可能性もあります。

それは、論文中に記載されているのですが、他の研究より、本報告で観察されたアトピー性疾患の率は低くなっていました

例えば湿疹を持つ児におけるコホート試験のシステマティックレビューで6歳で喘息有病率29.5%であるとか、アトピー性皮膚炎患児 2,270人の横断調査において3歳時点で66%が一つ以上のアトピー性疾患を有していたなどの報告があり、それらよりこの検討でのアレルギー疾患の発症率が低くなっています。

喘息や他のアトピー疾患の低いことは、試験による治療介入(保湿薬、ピメクロリムス外用、ステロイド外用)に起因する可能性があるとされていました。またアトピー性皮膚炎重症度とアトピー性疾患の発症には相関があることが報告されており、今回はランダム化されたにも関わらず中等症以上のアトピー性皮膚炎患者が介入群で多かったことも影響した可能性があるとされています。

この結果のみでは、効果があったともなかったともいえませんが、ピメクロリムスor保湿を3日間塗布して、改善なければステロイド外用薬という方針であれば、湿疹の増悪期間はとても短く、結果には影響しないような印象を持ちます。

 

 

■こんな記事も読まれています




■スポンサーリンク


親指しゃぶりや爪噛みの癖は、アレルゲン感作を抑制する: コホート研究

Lynch SJ, et al., Thumb-Sucking, Nail-Biting, and Atopic Sensitization, Asthma, and Hay Fever. Pediatrics 2016; 138.

 

 

 


以前、食洗機を使用しているより手洗いをしている家庭のほうがアレルギーが少なくなるという報告をUPしました(http://pedallergy.jugem.jp/?eid=6)。また、おしゃぶりを煮沸消毒ではなく親御さんが口でなめてきれいにするという習慣をもっているほうがやはり児のアレルギーが減るという報告もあります(Hesselmar B,. Pediatrics 2013; 131:e1829-37.)。衛生仮説(Strachan DP. BMJ 1989; 299:1259-60.)を支持する結果と言えますが、今度は指しゃぶりや爪噛みの癖がアレルギーを予防するかもしれないという報告です。

 

P: Dunedin Multidisciplinary Health and Development Study(ニュージーランドの出生コホート研究)に参加した1972-1973年出生の1037名(男児52%)
E: 5、7、 9、11歳時の親指しゃぶりの癖、爪噛みの癖
C: -
O: 13歳と32歳時のアトピー性感作、喘息、花粉症の発症に影響するか

 

【結果】

317例(31%)の児は、5、7、 9、11歳時のうち1回以上、親指しゃぶりもしくは爪噛みの癖があった

アレルゲン感作は皮膚プリックテストで行い、13歳時点でハウスダスト、ヤケヒョウヒダニ、雑草、ネコ、イヌ、ウマ、カポック、羊毛、Aspergillus fumigatus、アルテルナリア、ペニシリウム、Cladosporiumで検査され、32歳ではゴキブリも追加検査された。アレルゲン感作は、皮膚プリックテストにおいて、少なくとも1つ以上に直径2mm以上の膨疹があった場合を陽性とした。

皮膚プリックテストは13歳時に724人、32歳で935名に実施された。

親指しゃぶりもしくは爪噛みの癖がある児は、アトピー性感作のリスクが有意に低く、13歳時はオッズ比(OR) 0.67(95%信頼区間[CI] 0.48-0.92、P = .013,)、32歳時のOR 0.61(95%CI 0.46-0.81、P = .001)だった

両方の癖がある児は、片方だけの癖のある児よりアトピー性感作リスクが低値だった。

一方、親指しゃぶりや爪噛みの癖は、喘息や花粉症には影響しなかった。

 

【コメント】

親指しゃぶりや爪噛みの癖が、アレルゲン感作を予防するという結果にまとめられます。

衛生仮説に関しては、外来でも聞かれることが多い説ですが、「清潔になりすぎるとアレルギーになりやすい」とざっくりまとめられてしまうことが多く、「じゃあ、掃除はしなくていいんですか」と間違った方向に行きがちの誤解されやすい説でもあります。もちろん、あくまで細菌に対する曝露が重要ですので家庭の掃除とはまた別の話になります。

なお、最初に挙げたのおしゃぶりの報告(Hesselmar B,. Pediatrics 2013; 131:e1829-37.)は、生後6ヶ月でのおしゃぶりの洗浄方法が1歳半-3歳時点でのアレルギー感作や喘息・湿疹の予防効果もあるという結果でした(もしリクエストがあればUPします)。今回提示した報告より、ずっと早い時期の曝露がさらにいい結果となったのかもしれません。

とはいえ、指しゃぶりは歯の変形などにも影響しますし、この報告は「アレルギー専門医のネタ」くらいなのかもしれません。自分自身の講演でも、上記のおしゃぶりのお話をすると会場で笑いがでて場が和むので、提示することが多いです。

 

 

 

評価:
Robert M. Kliegman MD,Bonita M.D. Stanton MD,Joseph St. Geme MD,Nina F Schor MD PhD
Elsevier
¥ 15,500
(2015-05-06)

■こんな記事も読まれています




■スポンサーリンク


加水分解乳はアレルギー疾患や自己免疫疾患を予防しない: システマティックレビュー&メタアナリシス

Boyle RJ, et al. Hydrolysed formula and risk of allergic or autoimmune disease: systematic review and meta-analysis. Bmj 2016; 352:i974.

http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/26956579

 


加水分解乳とは、乳蛋白質を分解してアレルゲン性を下げたミルクのことです。本邦のガイドラインでは、「低アレルゲン化ミルクを使用する場合には、医師の指導の下に行う」とされています(http://foodallergy.jp/manual2014.pdf)。一方、海外のガイドラインでは推奨もされていましたが、最近、そのメタアナリシスが発表されました。結果はどうでしょうか。


 

P: Medline, Embase, Web of Science, CENTRAL, LILACSを検索した37研究 19000名以上

E: 加水分解乳

C: 一般調乳(他の加水分解乳、母乳、一般ミルク) 

O: アレルギー疾患、自己免疫疾患、アレルギー感作に影響するか

 

【結果】

0-4歳の湿疹発症リスクは一般ミルクと比較して、部分加水分解乳のオッズ比0.84(95%信頼区間0.67〜1.07; I2=30%)、高度カゼイン加水分解乳0.55(0.28〜1.09; I2=74%)、高度乳清加水分解乳1.12(0.88〜1.42; I2=0%)だった。

 

 

論文から引用。

加水分解乳の効果は認められない。

 

 

【コメント】

FDAでは、部分加水分解乳が湿疹のリスクを低下させる可能性があるとしていましたが、今回の研究結果はそのエビデンスがないことを示しています。これを受けて、すでにオーストラリアのガイドラインは変更されたそうです(Bmj 2016; 352:i1710.http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/27033252)。

 

 

■こんな記事も読まれています




■スポンサーリンク