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ペニシリンアレルギーは、入院中でもアレルギーを確認されるべき

 

topic

 

 以前、ペニシリンアレルギーは、実際に負荷試験を行ってみても90%以上は症状が誘発されないことをご紹介いたしました。

 

 では、すでにペニシリンアレルギーが疑われている患者さんが入院されたとき、入院中にアレルギー検査を行うことは抗生剤使用基準に影響するのでしょうか?

 abstractのみのまとめですが、少し興味深い結果でしたのでご紹介いたします。

 

P: Ovid MEDLINE/PubMed, Embase, Web of Science, Scopus, Cochrane Libraryを20年以上検索して得られた入院中にペニシリンのアレルギーテストを実施した24研究252例
E: ペニシリンアレルギーの疑われる患者に対する入院中のペニシリンアレルギー検査
C: -
O: 抗生剤の使用基準が変更されるか

 

 結局、何を知りたい?

 ✅ペニシリンアレルギーが疑われる患者さんに対し、入院中にアレルギー検査を実施することで抗生剤の選択が変わるかどうかということを知ろうとしている。

 

結果

 

 経口アモキシシリン負荷試験の有無にかかわらず、ペニシリン皮膚試験(PST)が主要な介入だった(18研究)。
 PST陰性に対するpopulation-加重平均は、95.1%[CI 93.8-96.1]だった。
 入院患者におけるペニシリンアレルギー試験は、集中治療室でより抗生剤選択の変更を導いた(77.97%[CI 72.0-83.1]vs54.73%[CI 51.2-58.2]、P < .01)
 ペニシリン(範囲9.9%-49%)、セファロスポリン(範囲10.7%-48%)は処方が増加し、バンコマイシンとフルオロキノロン使用は減少したと報告された。
 入院患者に対するペニシリンアレルギー検査は、4研究においてコストが減少したと報告された。

 

 結局、何がわかった?

 ✅入院中のペニシリンアレルギー検査により、抗生剤の選択が変化し、ペニシリンやセファロスポリンの使用が増加し、その変更はICUのほうがより多かった。

 

コメント

 

 入院患者におけるペニシリンアレルギー検査は、ペニシリンアレルギーを除外するために安全で有効であるとまとめられます。
 陰性率は、外来患者と手術中の患者で同等だったとされていました。
 ペニシリンを必要とするペニシリンアレルギー患者は、個々のアウトカムと抗生剤管理に対して利点がある入院中に、アレルギー検査を受けるべきであるともされていました。

 

 今日のまとめ!

 ✅ペニシリンアレルギーが疑われる患者さんに対し、入院中にアレルギー検査をすることは有用である。

 

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血清TARCは、重症薬疹(DIHS)の診断に役立つかもしれない

 

topic

 

 血清TARCは、アトピー性皮膚炎の病勢をつかむのに有用で、すでに保険適応になっています。

 以前、外観上アトピー性皮膚炎がひどくなくても、軽症段階からTARCが上昇するという報告をご紹介いたしました。

 

 

では、アトピー性皮膚炎以外へTARCはどれくらい適応できるのでしょうか?まだ十分わかっていない面があります。

 そこで今回は、TARCを重症薬疹の診断に応用できるかもしれないという報告をご紹介いたします。

 

P: 薬物関連と考えられる広汎な発疹を呈した84例(男性36人、2-99歳;平均年齢60.7歳)
E: 各種パラメータ(血清TARC、白血球数;好中球数;好酸球数;好塩基球数;単球数;リンパ球数;異型リンパ球数;赤血球数;ヘモグロビン;血小板数;血清総ビリルビン;総タンパク;アルブミン;AST;ALT;LDH;アルカリホスファターゼ;γ-GTP;CK;BUN;Cr;CRP;総IgE;eGFR)
C: -
O: 薬物過敏症症候群(Drug-induced hypersensitivity syndrome;DIHS)と各種パラメータ(特に血清TARC)は相関するか

 

結局、何を知りたい?

✅重症薬疹のひとつであるDIHSと、アトピー性皮膚炎の重症度と関係する血清TARC値に関係があるかどうかを知ろうとしている。

 

結果

 

 薬物関連と考えられた広汎な発疹には、DIHS、スティーブンス・ジョンソン症候群(SJS)中毒性表皮壊死症(TEN)、斑丘疹状発疹(MPE)、多形紅斑(EM)、紅皮症、中毒疹が含まれ、DIHS6例、SJS/TEN5例、 MPE14例、EM37例、紅皮症5例、中毒疹17例だった。
 DIHS患者における血清TARCは、SJS/TEN、MPE、EM、中毒疹患者のTARCより高値だった。
 血清TARCの閾値を13,900pg/mLに設定すると、DIHSを診断するための感度100%、特異度92.3%だった。
 血清TARCは、年齢、白血球数(WBC)、好中球数、好酸球数、単球数、異型リンパ球数、血清BUN、クレアチニン(CR)と有意に相関した。
 また、血清TARCは、血清総蛋白(TP)、アルブミン(Alb)、推定糸球体濾過速度(eGFR)と負の相関があった。
 これらの臨床パラメータのなかで、好酸球が血清TARCと最も強く相関し、相関係数0.53だった。

 

結局、何がわかった?

✅DIHSは他の薬疹型より血清TARCが高く、13900pg/mLを超えていると、感度100%、特異度92.3%でほぼDIHSと言える

 

コメント

 

 薬物過敏症候群(Drug-induced hypersensitivity syndrome;DIHS)は、重篤な薬疹のひとつで、斑丘疹状発疹、遷延性の臨床症状、高熱、白血球異常、肝機能障害、リンパ節腫大、ヒトヘルペスウイルス6型(human herpes virus type-6;HHV-6)再活性化といった臨床像を示します。
 広範な薬疹患者においては、血清TARCと好酸球数は相関することがわかり、Th2免疫反応がTARC産生の基礎にあるとされていました。
 小児範囲では、DIHSを経験することは決して多くはありませんが、診断の際に血清TARCを参考にすることができると覚えておこうと思います。

 

今日のまとめ

✅薬物アレルギーの中でも重症薬疹の一つであるDIHSは、他の薬疹よりも血清TARCが高くなり、診断に役立つかもしれない。

 

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小児のペニシリンアレルギーにおける負荷試験陽性者の特徴

Mill C, et al. Assessing the Diagnostic Properties of a Graded Oral Provocation Challenge for the Diagnosis of Immediate and Nonimmediate Reactions to Amoxicillin in Children. JAMA Pediatr 2016. (in press) 

http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/27043788
 


薬物アレルギーは、外来で最も困るアレルギー分野のひとつではないでしょうか。
今回はペニシリンに対する薬物アレルギーの報告。



P: Montreal Children’s Hospitalにおいてアモキシシリン(ペニシリン)にアレルギーが疑われた818名
   年齢中央値、1.7歳、 男児53.9%
E: 臨床的特徴、疑わしい抗菌薬による治療歴、本人および第一親等の既往、アトピーと反応に対する加療歴
C: -
O: アモキシシリンの段階的負荷試験(PC)の陰性予測値および、即時型反応・非即時型反応の予測に関連している因子

【結果】
PCは、アモキシシリンの治療量(50mg/kg、max1.5g)の10%を投与後20分後に90%を投与し、少なくとも1時間経過観察した。
即時型反応陰性の場合は、メールや電話でいかなる有害事象も報告するように指示された。即時型反応陽性の場合は、2-3ヶ月にベンジルペニシリンとPRE-PENによる皮膚プリックテストと皮内反応を行った。

770例(94.1%)はPC)に耐性だった。
さらに、アモキシシリンの使用と経過を確認するために、3年間、家族と連絡した。
17例(2.1%)は軽度の即時型反応を呈し、31例(3.8%)は非即時型反応を呈した。
17例の即時型反応のうち、皮膚テスト陽性者は1名(5.9%)のみだった。

段階的に増量するPCは、100.0%(95%CI、90.9%-100.0%)の特異性、89.1%(95%CI、77.1%-95.5%)の陰性予測値、100.0%(95%CI、86.3%-100.0%)の陽性適中率を示した。
非即時型反応の中央時間は12時間(四分位5.0-36.0時間)であり、非即時型反応31名のうち9名はPCの24時間以上後に反応した。

暴露5分以内の反応歴は、PCに関して即時型反応に関係していた(補正オッズ比= 9.6; 95%CI、1.5-64.0)。
7日を超えて継続した発疹(補正オッズ比= 4.8; 95%CI、1.4-16.4)と、親の薬物誘発アレルギー既往歴(補正オッズ比= 3.0; 95%CI、1.3-6.8)は、PCに対する非即時型反応と関係していた。


【コメント】
薬物アレルギーは、外来のセッティングで最も難渋するアレルギー疾患のひとつ。
ペニシリンアレルギーがあると答えた成人に対して再度負荷試験を行ったところほとんど症状が再現できなかったという報告もありますが(J Allergy Clin Immunol Pract 2013; 1:258-63.)
、小児での大規模なデータはありませんでした。
本研究でもまた、ペニシリンアレルギーを疑っていても、90%以上耐性であったことになります。

一方、やはり皮膚検査の陽性率がとても低く、やはり臨床に直結するとはとても言えません。

負荷に関しては20分間隔で行っていたのが参考になりました。
自分自身では少々怖いので、もっと間隔を開けることが多いですが、20分間隔+1時間経過観察でいいのであれば、外来でも対応できるかもしれません。ただし、24時間以上経過してから非即時型反応が31名中9名起こっており、もし一泊入院で確認したとしても、その後に症状が出る場合もかなりあるということ。
皮膚試験が役に立たず、負荷試験も時間が経過してから症状が発現する場合があると考えると、薬物アレルギーが対応に難渋する疾患であることは変わりがないといえそうです。


どちらにせよ、ペニシリンのみではありますが、今後参考にするに値する素晴らしい研究であると思います。

 

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