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エビアレルギーとダニアレルギーは関連しているかもしれない

 

topic

 

 なんだか食欲がなくなる話で恐縮ですが、エビとダニってアレルギー学的に似ているのではないかという話があります。

 

P: カナダのオンタリオにあるアレルギー・クリニックに受診したエビアレルギー患者で、同時に検査したチリダニ類の皮膚プリックテストを行った95人
E: -
C: -
O: エビアレルギーの患者にチリダニ類の感作の頻度が高いのか

 

 結局、何を知りたい?

 ✅エビアレルギー患者が、ダニアレルギーも多いのではないかということを知ろうとしている。

 

結果

 

 検討は後向きにカルテの再検討で実施された。
 エビアレルギー患者のうち、86例(90.5%)は、チリダニ類プリックテストが陽性だった。
 エビ皮膚プリックテストが5mm以上であった患者は、エビ皮膚プリックテスト5mm未満の患者に比較して、チリダニ類皮膚プリックテスト≧5mmになるリスクが5.31倍(95%CI 1.55-18.14; p = 0.008)だった。
 エビ皮膚プリックテスト10-18mm以上を持つ患者は、エビ皮膚テスト3-4mmを持つ患者に比較して、チリダニ類皮膚プリックテストのリスクが3.93倍(95%CI 1.03-14.98、p = 0.045)だった。
 エビ皮膚プリックテスト径とエビによるアレルギー反応症状の重症度に相関は認めなかった(p = 0.301)。

 

論文から引用。

エビ皮膚プリックテスト径が大きいほうが、ダニの皮膚プリックテストの径が大きい。
 

 

 結局、何がわかった?

 ✅エビ皮膚プリックテスト径が5mm以上あると、ダニ皮膚プリックテストが5mm以上になるリスクが5.31倍になる(エビ感作が強ければ、ダニ感作も強い)。

 

コメント


 エビアレルギー患者の、大多数がHDMに感作されており、エビに対するより強い皮膚プリックテスト径のある患者は、より弱い皮膚プリックテスト径を持つ患者に比較してHDMに対して強い皮膚プリックテスト径を持つ可能性があるとまとめられます。

 カナダにおいて、エビとチリダニ類(HDM)アレルギーは、一般的であるそうです。そして、これらのアレルギーは、しばしば両方ともに存在します。
 これは、トロポミオシンまたは他の潜在的な共通タンパク質の相同性に起因する可能性が指摘されています。

 こういう変わった交差抗原性は、思いがけないところに潜んでいて、以前、豚肉とネコに交差抗原があるかもという話もご紹介しましたね。

 

 今日のまとめ

 ✅エビアレルギーは、ダニアレルギーに関与する。

 

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血清TARCや総IgE値は、アトピー性皮膚炎以外のアレルギーにも関連する?

 

topic

 

 TARCは、アトピー性皮膚炎の重症度と関係し、すでに本邦では保険適応もおりています。

 すでにアトピー性皮膚炎の治療において、重要な位置づけになってきていますが、アトピー性皮膚炎以外の疾患に関係するかどうかは、十分に分かっているとは言えません。

 例えば、TARCが重症薬疹の場合にも大きく上がることを、最近ご紹介いたしました。

 

 では、重症薬疹以外の、他のアレルギー疾患に関与するのでしょうか。 

 

P: 2001年に6歳児に対して開始された石垣島コホート研究(Kyushu University Ishigaki Atopic Dermatitis Study ;KIDS)に参加した7856人のうち、2008年に血液サンプルが得られた743人
E: -
C: -
O: アトピー性皮膚炎(AD)関連のアレルギー疾患の発症率と危険因子

 

結局、何を知りたい?

✅ 血液バイオマーカーはアトピー性皮膚炎・それ以外のアレルギー疾患との関連はあるかということを知ろうとしている。

 

結果

 

 KIDSコホートに参加した児の11歳までの平均年間アトピー性皮膚炎(AD)有病率は6.3%だった。
 食物アレルギーでは卵アレルギーが最も多く(67.1%)、卵アレルギー発症率は、男児5.3%、女児3.8%だった。
 総IgE値は、2-4歳の同じ年齢群では女児より男児でより高く、ADのある児において、併存疾患として気管支喘息(BA)があるときのみ、血清総IgEが高かった。
 AD児における卵アレルギーの併発リスクは、ADのない児より7.9倍高かった。
 ADの危険因子として、児の気管支喘息と卵アレルギー、父および兄弟のADは、統計的に有意だった。
 ADに罹患している男児は、血清総IgEが高値で、喘息の併存率が高かった。
 TARC/CCL17によって評価されたAD重症度は、卵アレルギーの有症率に関連していた。

 

結局、何がわかった?

✅ TARCが高い小児では、卵アレルギーの有症率が高いかもしれない。

 

コメント

 

 石垣島は、年間平均気温が24.4°C、湿度73.1%であり、東京の気温16.5°C、湿度60%より高い気候です。もともと、寒冷な地域のほうがアトピー性皮膚炎が多いことはわかっており、本邦ではアトピー性皮膚炎を発症しにくい地域といえましょう。
 AD児におけるTARC高値とEAの併発の関係性は、TARCがEAの増悪要因であるかもしれないことを示しますが、それが本当に影響している因子かどうかはわからないとされていました。
 また、児のBA+卵アレルギーと父および兄弟のADは、児のAD発症の有意な危険因子であったそうです。
 さらに、男児における高いBA発症率は、総IgE高値と一致しており、EAがAD重症度と関連していたとされていました。

 組み合わせによる検討が多く、ややこしいのですが、アトピー性皮膚炎とTARCは相関して、TARCが高い場合は卵アレルギーが多くなるかもしれない、とまとめられるでしょう。

 

今日のまとめ

✅ アトピー性皮膚炎とTARCは相関し、TARCが高い場合は卵アレルギーが多くなるかもしれない。

 

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ナッツ類のアナフィラキシーは、どれが多い?

 

 

topic

 

 本邦においても、徐々にピーナッツ・ナッツ類アレルギーは増えてきており、問題となりつつあります。

 ピーナッツアレルギーと他のナッツ類やマメ類の交差性に関して、いくつかのタイプにわかれることを最近ご紹介いたしました。

 

 しかし、まだデータは少なく、地政学的に近い韓国からの報告がありましたのでご紹介いたします。

 

P: 韓国(2009-2013年)の14の大学病院に、ピーナッツ(PN)もしくは木の実類(TNs)によるアナフィラキシーとして受診した19歳未満の小児126人(平均4.9歳)
E: -
C: -
O: 韓国におけるピーナッツ(PN)と木の実類(TNs)に対するアナフィラキシーの臨床的特徴

 

結局、何を知りたい?

✅ピーナッツやナッツ類のアナフィラキシーの特徴を知りたい。

 

結果

 

 レトロスペクティブにカルテから情報が集められた。
 アナフィラキシーの総症例数は991例であり、126例がピーナッツ(PN)、木の実類(TNs)、種子類に起因していた。
 平均年齢は4.9歳(範囲0.8-18.9歳)であり、男児が64.3%だった。
 アナフィラキシーの原因として、PN、クルミ(walnut; WN)、アーモンド、ヘイゼルナッツ、松の実、カシューナッツ、ピスタチオ、ペカン、マカダミアナッツ、シソの種、ヒマワリの種、ゴマの種が確認された。

 アナフィラキシーの原因として、PN 32.5%、WN 41.3%、松の実 7.1%であり、特異的IgE(sIgE)の中央値は、PN 10.50 kUA/l、WN 8.74 kUA/l、松の実 4.61 kUA/lであった。
 PNアナフィラキシー症例の58パーセントはPN特異的IgE抗体価 14.0kUA/l未満であり、PN-sIgEレベルは最低0.39kUA/lだった。
 救急治療部で治療された50例において、アドレナリン52.0%、ステロイド66.0%、抗ヒスタミン剤94.0%、酸素36.0%、気管支拡張剤48.0%が使用されていた。

 

結局、何がわかった?

✅韓国における平均約5歳のピーナッツ・ナッツ類アナフィラキシーで、クルミが約4割、ピーナッツが約3割、松の実が1割弱だった。

✅ピーナッツアレルギーが多いとされる特異的IgE抗体価14kUA/l未満が半数以上であり、とても低い児もいた。

 

 

コメント

 

 韓国の小児において、クルミ、ピーナッツ、松の実がアナフィラキシーの最も一般的な原因であり、特異的IgE抗体価が低くてもアナフィラキシーが起こっていたとまとめられます。

 本邦で、松の実でそんなにアナフィラキシーを起こしている印象はありませんが、クルミは確かに多い印象があります。

 一方で、本邦ではピーナッツ特異的IgE抗体価以外に、ピーナッツコンポーネントであるAra h2特異的抗体価が保険適応として検査可能になっており、臨床に使われるようになっています。

 

今日のまとめ

韓国の小児において、クルミ、ピーナッツ、松の実がアナフィラキシーの原因として多いことが判明したが、本邦でも多施設におけるデータが必要とされている。

 

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食物アレルギー発症に関連する新しい遺伝子(SPINK5)の初報告

 

topic

 

 以前、皮膚バリア機能低下をきたしやすい素因を持っていると食物アレルギーを発症しやすいという報告をご紹介いたしました。

 その報告では、フィラグリン遺伝子という皮膚バリアをコードする遺伝子異常を持つ児では食物アレルギーを発症しやすいという結果でした。

 今回は、ネザートン症候群という疾患でみられる、SPINK5遺伝子多型に関しての研究結果です。

 

P: 4つのコホート試験に参加した12ヶ月児、食物アレルギー367人、食物感作された199人、食物アレルギーのない156人
E: SPINK5遺伝子多型あり
C: SPINK5遺伝子多型なし
O: SPINK5遺伝子多型は、IgE依存性食物アレルギーと関連するか

 

結果

 

 SPINK5(~61kb)を含む~263kbにわたる領域における71個の"tag" single nucleotide polymorphisms (tag-SNPs)の遺伝子型解析を行った。
 2ヶ月時に、一部の参加者(150人)から経表皮水分蒸散量(TEWL)が計測された。
 SPINK5多型rs9325071(A→G)は、食物負荷試験で証明された食物アレルギーに関連していた(P=0.001 | OR=2.95 | CI=1.49-5.83)
 主成分修正により、4つの独立したコホート検体でさらに追試された(食物アレルギー群203人、非食物アレルギー群330人、計533人; 平均2.5歳)。
 追試でもSPINK5多型と食物アレルギーの関連が維持されており(P=0.007 | OR=1.58 | CI=1.13-2.20)、メタアナリシスでも関連が確認された(P=0.0004 | OR=1.65)。
 rs9325071多型は、すでに一般公開されている遺伝子型データにおける皮膚のSPINK5遺伝子発現の低下と関連しており、TEWL高値にも関連するという予備的なエビデンスが示された。

 

コメント

 

 SPINK5多型rs9325071と、食物負荷試験で証明されたIgE依存性食物アレルギーには関連があるとまとめられ、このSPINK5多型と食物アレルギーに関する報告としては、本報告が初めてなのだそうです。   
 セリンプロテアーゼインヒビターをコードする遺伝子SPINK5は、ネザートン症候群 (先天性魚鱗癬、アトピー性皮膚炎、毛髪の異常などを併発する疾患)の原因遺伝子であり、フィラグリンの発見と同様、皮膚バリアからのアプローチといえます。

 様々な疾患で、遺伝素因との関連が報告されるようになりましたが、アレルギー疾患にもその波が訪れているといえるでしょう。

 

今日のまとめ

✅食物アレルギーに関係する遺伝子である”SPINK5”が見つかり、ネザートン症候群の責任遺伝子でもあった。

 

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キウイ栽培地域でのキウイアレルギー罹患率はどれくらいか?: 横断研究

Haktanir Abul M, et al. Is kiwifruit allergy a matter in kiwifruit-cultivating regions? A population-based study. Pediatr Allergy Immunol 2016.[Epub ahead of print]

https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/27732749

 


キウイフルーツのアレルギーは本邦でも増えており、消費量が増えたからではないかと推測されています。

では、キウイフルーツの産地に近く、消費も多い地域でのキウイアレルギーは多いといえるのでしょうか。


 

P: トルコの東の黒海地域の都会であるRize市に住む6-18歳の小児からランダムに選択された20800人

E: キウイに関するアンケート調査、皮膚プリックテスト(SPTs)、経口食物負荷試験(OFCs)

C: -

O: キウイアレルギーの有症率

 

 

結果

 

IgE依存性キウイアレルギーが疑われる児は、キウイによる皮膚プリックテスト(SPTs)(市販のプリック液と、新鮮なキウイ)と事前に決められたアレルゲンによるSPTs(バナナ、アボカド、ラテックス、ゴマ、カバ、チモシー、ハシバミ、ネコ、ヤケヒョウヒダニ、コナヒョウヒダニ)を行い、キウイに対するSPTsが陽性である児に対してはオープン食物経口負荷試験(OFCs)を勧めた。

アンケートの回答率は、75.9%(15783/20800人)だった。

IgE依存性キウイアレルギーの推定罹患率は、0.5%(72/15783人)(95%CI 0.39-0.61%)だった。

72人中、52人(72.2%)にはSPTsが実施され、17人(32.7%)が市販のプリック液と新鮮なキウイで陽性だった。

キウイSPTsで陽性だった児で最も多い症状は、皮膚症状 10人(58.8%)に続いて、胃腸症状 6人(35.3%)、呼吸器症状 4人(23.5%)だった口腔症状は、6人の(35.3%)だった

SPTs陽性であるすべての小児は、OFCsで陽性だった。

 

 

コメント

 

結果として、Rize市に住んでいる6-18歳児におけるオープン食物負荷試験で確定されたIgE依存性キウイアレルギー罹患率は、0.10%(95%CI 0.06ー0.16)であり、予想に反して、キウイアレルギー罹患率は、キウイが栽培され消費される都市部で低かったとまとめられます

一般の小児群におけるキウイアレルギーの有病率を調査した初めての研究だそうです。

トルコ東部の黒海地域の最近の報告では、キウイアレルギーが、6-9歳の都市部の児童では、3番目に多い食物アレルギーであるそうです(Clin Exp Allergy 2009: 39: 1027–35.)。

しかし、同様な先行研究と比較し、臨床的に確定したキウイアレルギーと自己報告の有病率の間に大きな差があるといえます。例えば、スウェーデンの7-8歳の児童ではキウイアレルギーが8.0%、花粉アレルギーのあるデンマークの若年成人で7.8%、フィンランドの大学1年生でる39.0%とされていました。

この違いが、研究方法の違いにある可能性があるが、逆に”良く消費される”ということが早期導入につながり耐性になったかもしれないと結ばれています。

しかし、この結果はアンケート調査と負荷試験などで確実な診断を行ったからの可能性もありますので、注意を要するかと思いました。

 

 

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