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ステロイド内服は、成人の咽頭痛の改善を早めるか?

 

topic

 

 咽頭痛に関して、溶連菌感染であれば抗生剤加療できますが、それ以外のウイルス性咽頭炎に対しては効果はありません。

 私は桔梗湯やトランサミンを使用することが多く、特に桔梗湯は即効性もあるうえ苦味が少ないので使用しやすいと思っています。

 一方、咽頭炎にステロイドを使用するというプラクティスもあるようです。

 

P: 英国のクリニック42施設に受診した、速やかな抗生物質投与を必要としい急性咽頭炎に罹患した成人576人(女性75.2%;年齢中央値デキサメタゾン群33.7歳、プラセボ群34.3歳)
E: デキサメサゾン10mg 293人
C: プラセボ 283人
O: プライマリアウトカム: 24時間後に症状が完全に改善しているか
セカンダリアウトカム: 48時間後の完全な症状改善、中等度の悪い症状(Likert acale、0;正常; 6; 最も悪い)の持続期間、VAS症状スケール(0-100mm; 0; 無症状、100;考えられる最悪の状態)、クリニック受診、仕事や学校を休んだ日数、抗生物質の内服、他の薬物投与、不都合なイベント。

 

 結局、何を知りたい?

 ✅成人の咽頭痛をともなう咽頭炎に、ステロイド内服が効果があるかどうかを知ろうとしている。

 

結果

 

 ベースラインで、臨床記録取得と咽頭スワブが採取された。
 連鎖球菌迅速抗原試験は利用できなかった。
 24時間後の完全な症状改善率は、デキサメサゾン投与群はプラセボ投与と有意差がなく、 デキサメサゾン群288人中65人(22.6%)、プラセボ群277人中49人(17.7%)が24時間以内に完全に改善し、相対危険度(RR)1.28(95%CI、0.92〜1.78、P = .14)、リスク差4.7%(95%CI、1.8%-11.2%)だった。
 抗生処方を処方されなかった群と抗生処方を遅れて処方された群でも同様だった。
 48時間後の完全な症状改善は、デキサメサゾン投与群は、プラセボ群より多く、48時間の完全な症状改善率は、デキサメタゾン群102人(35.4%)対プラセボ群75人(27.1%)であり、RR 1.31(95%CI、1.02〜1.68; P = .03)、リスク差8.7%(95%CI 1.2%〜16.2%;number needed to treat 12; 95%CI 7〜146)だった。
 他のセカンダリアウトカムに有意差はなかった。
 重大な不都合な5イベントのうち、2例はデキサメタゾン群であり、1例は試験に関連があるとみなされた咽頭側膿瘍による入院、3例はプラセボ群であり、扁桃周囲膿瘍による入院1例、重篤な扁桃炎による入院1例、肺炎による入院が発生した。

 

 結局、何がわかった?

 ✅咽頭痛を伴う咽頭炎に関して、初期にステロイド(デキサメサゾン10mg)を1回内服しても、24時間後の咽頭痛の改善率は変わらない。ただし、12人に投与して1人効果がある程度であるものの、48時間後は有意な改善がある。

 

コメント

 

 急性咽頭痛に罹患し受診した成人では、経口デキサメサゾン単回内服は、プラセボと比較して24時間に完全に症状改善率を改善しなかったが、48時間後に有意差が認められたとまとめられます。

 しかし、デキサメサゾン群にはステロイドに関係すると思われる副作用イベントが起こっていますし、普段のプラクティスに利用できるとは思えません。

 冒頭に書きましたが、桔梗湯は漢方薬にしては飲みやすく、効く場合は即効性もあります。エビデンスはあまりないものの使いやすいと思っています。わたしは、溶連菌でなければトランサミン+桔梗湯を使うことが多いです。

 ただ、当院はトランサミンの散剤の処方が出来ず(採用が抹消されてしまった)、使用する場合はカプセルを割る必要があります。それで、カプセルは採用している割に、錠剤のトランサミンは採用されているんですよね。それならカプセルはやめて散剤にしてほしい、、、

 

 今日のまとめ!

 ✅咽頭痛が主訴の成人に対し、ステロイド内服は24時間での有効性は認められないが、48時間では有意に改善させる。ただしその効果は12人治療して1人程度であり、重大な副作用は増やすかもしれない。

 

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軽症中耳炎の抗生剤使用を待機する方法は、コスパが良い

 

topic

 

 間違えて4/4に2本の論文紹介をUPしていたので、この論文紹介を本日(4/6)の紹介にずらして再度UPいたします。

 さて、中耳炎は、1歳までに約半数が経験する極めてありふれたな疾患です。

 また、小児中耳炎の治療は、するべき病態ならば、短期では失敗率が高くなります。

 一方で、症状が軽微ならば、最初は抗生剤を使用せずとも自然に改善する例が多いことも推奨されており、余分な抗生剤加療は耐性菌を誘導する可能性を上昇させます。

そのため、軽症であれば初期は抗生剤を投与せず待機する方法がすすめられており、余分な抗生剤投与を減らすように勧められています。 

 

P: 小児三次病院の救急治療部に急性中耳炎(AOM)で受診した18歳以下の小児からランダムに選択された250人
E: 中耳炎に対する注意深い経過観察 (watchful waiting ;WW)
C: 一般的な対応
O: 費用対効果は改善するか

 

 結局、何を知りたい?

 ✅軽症中耳炎に関し、抗生剤投与無しで慎重に経過観察をしてから必要な例に抗生剤投与、という方法が、費用対効果がよいかどうかを知ろうとしている。

 

結果

 

 注意深い経過観察 (watchful waiting;WW)は、2013年のAAPガイドライン修正が行われている。

1) 耳漏または重篤な症状(中等から重度の耳痛、耳痛≧48時間、体温≧39℃と定義)に対してはどの年齢の小児にも、即座の抗生物質を投与されなければならない。

2) 両側中耳炎(AOM)がある場合、6〜23ヵ月の重篤な症状のない小児は即座の抗生物質を受けるが、両側性に関係なく、2歳以上の児はWWを受ける可能性がある。

 disability-adjusted life year (DALY)で表される費用効果比率(ICER)で検討された。

 247人が身体所見から実際にAOMに罹患していることが確認された。

 231人(93.5%)は抗生物質を処方され、7人(2.8%)はWWを選択され、9人(3.6%)は抗生処方なしで帰宅した。

 AAP(米国小児学会)基準がこの集団に適用された場合、104人(42.1%)は即座の抗生剤処方の条件を満たした。

 143人(57.9%)はWWの選択基準を満たした。 我々のモデル化されたシナリオでは、AOM患者1000人ごとに、WWを実行することで514人の即時の抗生処方と、205処方の抗生剤処方を減少させた。

 そして、14.3DALYsを回避し、5573ドルを節約した。

 

 結局、何がわかった?

 ✅小児軽症中耳炎に対し、初期の抗生剤投与を待機して注意深く経過観察することで、1000人あたり205処方の抗生剤投与が回避され、費用対効果に優れた方法だった。

 

コメント

 

 小児軽症中耳炎治療における注意深い経過観察 (watchful waiting;WW)は、費用対効果(いわゆるコスパ)が良いとまとめられます。

 しかし、本邦のように、小児の医療費が無料だと、いわゆる医療経済的なお話に対して患者さんは納得されないかもしれません。

 一方で、オラペネムやオゼックスが初期治療に使われている現状はまた、問題と言えるでしょう。耳鼻科の先生方からはおしかりを受けるかもしれませんが、せめてペニシリン(orペニシリン増量)から初期治療を始めていただければ助かるなあと思っています。

 

 今日のまとめ

 ✅小児軽症中耳炎に対し、初期の抗生剤を回避する方法は、費用対効果(いわゆるコスパ)を改善させる。

 

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高流量の加湿酸素は、こどもの細気管支炎に有効か?

 

topic

 

 細気管支炎に関しては、いろいろな研究結果があるものの、これはという治療がありません。

 昨日、鼻カニューレで高流量の酸素を使うという前後比較研究をご紹介しました。

 そして、最近のLancetに、高流量の加湿酸素による治療のランダム化比較試験が発表されていました。

 ほぼabstractのみですが、きれいな結果なので問題ないでしょう。

 

P: ニューサウスウェールズ(オーストラリア)の2施設に中等症の細気管支炎入院した生後24ヵ月未満の小児
E: 高流量加湿酸素(空気:酸素1:1; <20L/分; <1L/kg/分→結果として≦FiO2 0.6) 101人
C: 標準治療(鼻カニューレによる加湿していない低流量100%酸素<2L/分) 101人
O: 酸素投与時間

 

 結局、何を知りたい?

 ✅ 高流量加湿酸素が、小児の細気管支炎の治療に有効かどうかということを知ろうとしている。

 

結果

 

 酸素離脱までの時間の中央値は、高流量加湿酸素群20時間(95%CI 17-34)、標準治療群24時間(95%CI 18-28)であり有意差はなかった(ハザード比 0.9[95%CI 0.7-1.2];logrank p=0.61)
 高流量加湿酸素群(14人[14%])は、標準治療群(33人[33%])と比較して、治療失敗が少なかった( p=0.0016)
 高流量加湿酸素群では、治療失敗までの時間が、標準治療群より有意に長かった(HR 0.3; 95%CI 0.2-0.6; p<0・0001)。
 標準治療で治療失敗した33人のうちの20人(61%)は、高流量加湿酸素群でレスキューされた。
 集中治療室へ移動することが必要になった児は、標準治療群12人(12%)、高流量加湿酸素群14人(14%)であり有意差はなかった(差-1%; 95%CI  -7〜16; p=0.41)。
 不都合なイベントが4例発生した(高流量加湿酸素群で酸素不飽和と液化吸入、標準治療群で酸素管断線2例)が、試験中止にならなかった。
 酸素関連の重大な不都合なイベントは、発生しなかった。

 

 結局、何がわかった?

 ✅細気管支炎で入院した2歳未満児に対し、高流量の加湿された酸素投与は、加湿していない酸素のカニューレ投与に比べ、酸素吸入時間は変わらないが、治療失敗が少なかった。

 

コメント

 

 高流量加湿酸素は標準治療と比較して酸素の投与時間を有意に減らさなかったとまとめられます。
 さらに、高流量加湿酸素の早期使用は、中等症の細気管支炎のプロセスを改善しないことが示唆されるとされていました。
 しかし、高流量加湿酸素は、集中治療を必要する児を低下させるレスキュー療法としての役割があるかもしれないとされていました。

 

 今日のまとめ!

 ✅乳幼児の細気管支炎の治療として、加湿された高流量酸素は酸素吸入時間を短縮はしないが、集中治療を行うまでのつなぎとして使えるかもしれない。

 

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高流量経鼻カニューレ療法は、乳幼児の細気管支炎に安全か?

 

topic

 

 今回は細気管支炎の治療の話題です。

 明日、Lancetの報告をUPしようと思うんですけど、Lancetに比べるとインパクトファクターは大分低いjournalの報告で、しかも前後比較研究です。

 でも、海外の医学論文サイトのアクセス数で上位になっていて、比較してみると面白いのではないかと思い、ご紹介させていただきます。

 

P: 細気管支炎が疑われた1-23ヵ月乳幼児
E: 高流量鼻カニューレ(high-flow nasal cannula;HFNC)治療 
C: -
O: 高流量鼻カニューレ(HFNC)療法の安全性および有効性

 

 結局、何を知りたい?

 ✅鼻カニューレによる酸素療法が小児の細気管支炎治療に使用できるかどうかを知ろうとしている。

 

結果

 

 

 ベースライン・データに関する変化は、呼吸仕事量(work of breathing; WOB)に対する効果、心拍(HR)、呼吸数(RR)に関して分析された。
 データは線形混合効果モデルを用いて分析され、年齢(≦12月vs>12ヵ月)と場所(救急部vs病棟)で調整された。
 三次施設への移動、治療の段階的強化、不都合なイベント発生率が記録された。
 合計61人は、0.6から3.3L/kg/分の流速によるHFNC療法が開始された。
 WOBスコアが高い患者の率は、治療開始60分で減るようだった。
 呼吸窮迫(心拍数と呼吸数)は、60分で有意に減少した(P < 0.05)

 HFNC療法に関連した不都合なイベントはなかった。
 三次施設への転送率は13%だったが、大部分はHFNC療法後の生理的パラメータの改善不足に起因した。
 しかし、転送された患者の誰も、治療の強化を必要としなかった。

 

 結局、何がわかった?

 ✅小児の細気管支炎に対し、鼻カニューレで酸素を0.6から3.3L/kg/分程度の流量で使用することで、60分で呼吸状態はある程度改善してくるようで、特に副作用は認めなかった。

 

コメント

 

 HFNC療法は、12か月未満・以上いずれにおいても、三次でない救急部や病棟でも、問題なく始められる可能性があるとまとめられます。

 もちろん、前後比較研究ですので、これだけで何か言えるわけではありません。

 

 今日のまとめ

 ✅鼻カニューレで高流量酸素を使用することは、小児の細気管支炎に有効かもしれない。

 

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抗生剤は、溶血性尿毒症症候群(HUS)を増やすのか?

 

topic

 

 医者になってから初めての学会発表が、O-157による溶血性尿毒症症候群(hemolytic uremic syndrome;HUS)でした。

 そして発表後に受けたご質問が、「ホスミシン(抗生剤)を体重1kgあたり何mg投与すればいいんですか?」というものでした。

 それから随分な時間が経過しましたが、投与量以前に、抗生剤を使用すること自体が正しいのかどうかすら、いまだに論争中です。
 

P: 志賀毒素産生大腸菌(Shiga toxin-producing Escherichia coli;STEC)に感染し、溶血性尿毒症症候群(hemolytic uremic syndrome;HUS)の発症を検討した17報告(1896例)
E: 抗生剤投与あり
C: 抗生剤投与なし
O: 抗生投与投与はHUS発症に影響するか

 

結局、何を知りたい?

✅毒素を作るタイプの大腸菌感染で重篤になった場合に発症する腎障害(溶血性尿毒症症候群)は、抗生剤を使うことで予防するのか、かえって悪くするのかを調査するため、17の研究結果をまとめて検討した。

 

結果

 

 17本の研究の内訳は、レトロスペクティブ研究が8本(47%)、前向きなコホート5本(29%)、ケースコントロール3本(18%)、臨床試験1本であり、検体サイズは11から304例だった。
 1896例のうち、349例(18.4%)がHUSを発症した。
 すべての研究を結合した抗生物質の投与とHUS発症をに関するpooled ORは、1.33(95%信頼区間[CI]0.89-1.99; I2 = 42%)だった。
 バイアスのリスクが低く、HUSを適切な定義を使用している研究のみを検討した再解析では、ORが2.24(95%CI 1.45-3.46; I2 = 0%)だった。
 抗生物質の種類に関しては、ST合剤(5研究:OR 1.95[95%CI 0.63-5.99]);β-ラクタム(2研究:OR 6.10[95%CI 0.62-59.98]);フルオロキノロン(3研究:OR1.83[95%CI 0.70-4.75])だった。
 下痢発症から3日以内に抗生投与を開始した研究では、ORが1.83(95%CI、0.99-3.40; 5研究; I2 = 26%)だった。

 

結局、何がわかった?

✅17研究全体では、抗生剤をつかってもつかわなくても溶血性尿毒症症候群の発生に差はなかった。

✅ただ、きちんとした研究のみで解析すると、抗生剤を使った方が、溶血性尿毒症症候群の発生リスクが2.24倍高かった。

✅下痢が発症してから3日以内に抗生剤を開始した結果を検討しても、溶血性尿毒症症候群の発生リスクが1.83倍高かった。

 

コメント

 

■ STEC感染によるHUSに関し、抗生剤がリスクを増加させる(N Engl J Med 2000; 342:1930–6.)、減少させる(Clin Nephrol 1999; 52:357–62.)という、それぞれの主張があり、先行したシステマティックレビューでは、STEC感染患者への抗生物質投与は、HUSのリスクを増加させないとしていたそうです(JAMA 2002; 288:996–1001.)(Aliment Pharmacol Ther 2006; 24:731–42.)

総合すると、抗生物質の使用は、HUSの発症リスクを増加させなかったが、バイアスがリスクが高い研究と、HUSの定義が不適切な研究を除外すると、有意にリスクをあげるといえ、STEC感染症に対する抗生物質使用は、推奨されないとまとめられます。

とはいえ、本邦で良く用いられるホスホマイシンに言及がないことや、ランダム化比較試験(現実には困難と思いますが、、)ではないことなどLimitationも大きそうです。

 

今日のまとめ

✅O157のような志賀毒素産生大腸菌(STEC)に対しての抗生物質投与は、少なくとも溶結性尿毒症症候群(O-157で腎不全まで至る特に重篤な病態)を防ぐことはできず、むしろリスクを上げる可能性がある。

 

 

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