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妊娠中のビタミン摂取は、こどものアレルギー発症を予防するか?

 

topic

 

 ビタミンDのアレルギー予防もしくは治療効果に関して、いくつかの報告を御紹介してきました。

 

 そこで今回は、ビタミンDだけでなく、ビタミン類を妊娠中に摂取することでアレルギー疾患の予防に働くかどうかを検討したメタアナリシスをご紹介いたします。

 今の環境では、このjournalはabstractしか読めないのですが、きれいな結果ですので問題ないかと思います。

 

P:  CENTRAL, MEDLINE, SCOPUS, World Health Organization's International Clinical Trials Registration, E-theses, Web of Scienceを検索し、妊娠中にビタミンを投与することで児のアレルギー疾患を予防するかどうかを検討したランダム化比較試験 5件計2456人(ビタミンC + E 1研究、ビタミンC 1研究、ビタミンD 3研究)
E: 妊娠中のビタミン内服
C: 妊娠中 プラセボ内服
O: 児のアレルギー疾患の発症リスクを減らすか

 

 結局、何を知りたい?

 ✅妊娠中にビタミン類を内服することで、生まれてくる児のアレルギーが予防できるかどうかということを過去の研究結果をまとめて確認しようとしている。

 

結果

 

 2研究はバイアスが高く追跡調査の脱落率が高いと判断され、一方で、全ての研究はアウトカム評価のブラインドのリスクは低いと評価された。
 ビタミンC+E内服、ビタミンC内服の2研究において、高い不均一性があるためメタアナリシスを行わなかった。
 しかし、ビタミンD(1493人の小児)においてはメタアナリシスを実施し、結果として妊娠中のビタミンD摂取量と出生した児の再発性喘鳴を発症するリスクに関連が認められた(相対危険度[RR] 0.812; 95%CI 0.67-0.98)

 

 結局、何がわかった?

 ✅妊娠中のビタミン類のアレルギー予防効果に関し、ビタミンDのみメタアナリシスが実施でき、繰り返す喘鳴に関してリスクが0.81倍になった。

 

コメント

 

 妊娠中のビタミンD内服は、児の再発性喘鳴に関して効果があるかもしれないとまとめられます。

 しかし、この効果が持続するかどうかを確認するために、より長期の追跡調査が必要であるとされていました。

 どちらにせよ論文数が少ないですので、まだメタアナリシスには少々早かったかなという印象ですね。

 

 今日のまとめ!

 ✅妊娠中のビタミンD摂取は、こどものアレルギー疾患発症のうち、繰り返す喘鳴のリスクを減らすかもしれない。

 

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妊娠中の魚油摂取は、小児期の喘息を減らすかもしれない: ランダム化比較試験

Hansen S, et al. Fish oil supplementation during pregnancy and allergic respiratory disease in the adult offspring. J Allergy Clin Immunol 2017; 139:104-11.e4.

https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/27246522

 


■ 今回は、ほぼAbstractとFigureのみを読んだだけですが、ランダム化比較試験としてきれいな結果ですので問題ないかと思います。

以前、魚油とアレルギー予防に関しては、妊娠中の魚油摂取は1歳でのアレルギー疾患を予防するが3歳では有意差が消失する(http://pedallergy.jugem.jp/?eid=85)という報告をご紹介いたしました。

今回は、魚油が長期的な喘息を予防するかを検討した報告です。


 

P: 第三トリメスター(妊娠30週から出産まで)の妊婦533人

E: 魚油カプセル摂取 

C1:オリーブ油カプセル摂取

C2: 油摂取なし

O: 18〜19歳時点までの喘息発症と関連するか

 

 

結果

 

喘息治療薬を処方された確率は、魚油群ではオリーブ油群に比較して有意に低値だった(ハザード比 0.54、95%CI 0.32-0.90; P =.02)

アレルギー性鼻炎治療薬を処方された確率は、統計的に有意ではなかったが、魚油群ではオリーブ油群より低い傾向だった(ハザード比 0.70、95%CI 0.47-1.05; P=.09)

しかし、18〜19歳時における肺機能やアレルギー感作には有意差が認められなかった。

 

 

コメント

 

妊娠中の魚油サプリメントが、児に対する喘息長期予防効果がある可能性があるかもしれないとまとめられます。

しかし、アレルギー感作の予防は証明できなかったともいえます。

明日、魚(魚油のみではない)摂取でアレルギー疾患を減らすかというメタアナリシスをご紹介いたします。

 

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微生物群は喘息予防の切り札になるかもしれない: レビュー

von Mutius E. The microbial environment and its influence on asthma prevention in early life. J Allergy Clin Immunol 2016; 137:680-9.

https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/26806048

 


久しぶりに土曜日に論文のUPをいたしますが、レビューの抄録のみです。

この論文は全文がフリーで閲覧でき、まとめのFigureを下に抜粋させていただきます。

この分野での権威であるErika von Mutius先生のレビューになります。


 

【まとめ】

環境中のマイクロバイオームが喘息発症の防御に働くことを示唆するエビデンスは増加している。

微生物による環境(農場の児やアーミッシュ)に強く曝露されている集団において喘息罹患率が非常に低いことは、その予防の可能性を強調している。

微生物の多様性は、安定した免疫応答を構築したり、環境要素(例えばアレルゲン、粒子、ウイルス)を吸入したり摂取することで炎症反応を調整したりするのに必要なのかもしれない。

免疫の成熟に重要な腸内マイクロバイオームや体外環境中のマイクロバイオームは若年時に皮膚・気道粘膜表面・潜在的には腸でも免疫応答を形成する可能性がある。

体外の微生物の多様性は、喘息発症に導いている多くの経路を、全てではないにしても、多くを相殺する。同様に、喘息の重要な誘因(例えば乳幼児期のアレルゲン感作とアレルギー症状)は抑制される。

このように、微生物とそれらの生成物・代謝産物が標的とする胎盤免疫は、喘息やアレルギー防御に対するマスタースイッチになるかもしれない。

 

論文より

農場などの微生物にさらされることで、粘膜上や皮膚、腸管のマイクロバイオームに影響し、喘息やアトピーの罹患を減らすかもしれない。

【クリックで拡大】

 

 

 

【コメント】

以前、アーミッシュの方々に喘息が少ないという報告をUPいたしました(http://pedallergy.jugem.jp/?eid=185)。

その論文では、喘息が遺伝要因より環境因子が大きく関与していることを示唆していると結論されていました。では、伝統的な生活が良かった、になるのでしょうか?

米国では麻疹根絶が宣言されているにも関わらず、アーミッシュの方々を狙ったかのように麻疹に罹患するという報告が、最近NEJMにありました(https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/27705270)。微生物に曝露されるということは一方で感染症の危機にさらされるということでもあります。平均余命が増加した大きな部分は、新生児死亡(感染症に起因する部分が大きい)が減ったことも大きな要因ですから、ただマイクロバイオームに晒されればよいというのは難しい側面があります。

(もちろん、アーミッシュの方々の家屋が汚いわけではありません。あくまで”微生物へ晒されること”のベネフィットもリスクもあるということです。)

一方、生後12か月以内の抗生剤投与は、その後の食物アレルギー発症に関連するという報告を以前ご紹介いたしました(http://pedallergy.jugem.jp/?eid=149)が、余分な抗生剤投与を減らす努力と過剰な清潔信仰を見直す時期が来ているのではないかと思います。

 

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妊娠中と乳児期のビタミンD摂取は、乳児期のダニ感作や喘鳴を減らすかもしれない: ランダム化比較試験

Grant CC, et al. Vitamin D supplementation during pregnancy and infancy reduces aeroallergen sensitization: a randomized controlled trial. Allergy 2016; 71:1325-34.

http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/27060679

 


ビタミンDとアレルギーに関しては、当ブログでも過去のいくつかの研究をご紹介してきました。

今回は、妊娠中からビタミンD摂取を開始して、さらに出生した児にもビタミンDを投与、しかも投与量で二群に分けた研究です。


 

P: オークランド(緯度36度)の妊婦 260人

E1: 妊娠27週から出生までの妊婦(1000IU/日)と、出生から年齢6ヵ月までの乳児(400IU/日)

E2: 妊娠27週から出生までの妊婦(2000IU/日)と、出生から年齢6ヵ月までの乳児(800IU/日)

C: プラセボ

O: 生後18か月時の各種感染症(風邪、中耳炎、上気道感染、クループ、喘息、気管支炎、細気管支炎、喘鳴をともなう下気道感染によるプライマリケア医受診)、ダニ感作(コナヒョウヒダニ[Der-f1、Der-f2]、ヤケヒョウヒダニ[Der-p1、Der-p2])。に差があるか

 

【結果】

服薬アドヒアランスは、妊娠中95%、乳児期86%だった。

特異的IgEは185/260人(71%)で測定された。

ダニ感作はそれぞれのコンポーネントごとで異なり、プラセボ群:低用量ビタミンD群:高用量ビタミンD群でそれぞれ、Der-f1(18%:10%:2%)、Der-f2(14%:3%:2%)、Der-p1(19%:14%:3%)とDer-p2(12%:2%:3%)だった。

医師によって診断された喘息でプライマリケア医に受診した率に群間差が認められた(11%、0%、4%、P = 0.002)が、他の呼吸器疾患の診断には有意差はなかった。

 

【コメント】

妊娠と乳児期のビタミンD投与は、生後18ヶ月時のダニ感作率を減らし、喘鳴を減らす可能性があるとまとめられます。

これまで、下記のようなビタミンDの報告をご紹介してきました。

・ 妊娠中のビタミンDは、児のアトピー性皮膚炎発症リスクを下げるかもしれない(http://pedallergy.jugem.jp/?eid=128)

・ 母体のビタミンDは、児の湿疹リスクに関連する(http://pedallergy.jugem.jp/?eid=89)

・ ビタミンDとアトピー性皮膚炎治療: メタアナリシス(http://pedallergy.jugem.jp/?eid=47)

  といった、ポジティブデータから、
・ ビタミンDとアトピー性皮膚炎重症度は相関しないhttp://pedallergy.jugem.jp/?eid=52

・ 妊娠中のビタミンD補充は、児の喘息予防に効果不十分(http://pedallergy.jugem.jp/?eid=111)

  といったネガディブデータまでいろいろです。

このように、ビタミンDに関しては相反する報告があり、どうしても腑に落ちない点があります。

これから、メタアナリシスなどでさらに評価されていくのでしょうか。

 

 

 

評価:
Robert M. Kliegman MD,Bonita M.D. Stanton MD,Joseph St. Geme MD,Nina F Schor MD PhD
Elsevier
¥ 15,500
(2015-05-06)

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喘息予防ワクチンは可能か?: レビュー

Elenius V, Jartti T. Vaccines: could asthma in young children be a preventable disease? Pediatr Allergy Immunol 2016. [Epub ahead of print]

http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/27171908

 


今回は喘息を直接予防できるワクチンができないかを論じたレビューです。

レビューですのでPECOはありません。


 

【アレルギー・ワクチン】

アレルゲン特異的免疫療法(AIT)は、アレルギー性鼻炎の長期寛解に効果的であり、新規の感作と喘息発症を防止する可能性がある。AITは、通常皮下もしくは舌下免疫療法に区別されるが、別の投与経路(例えば、リンパ節、経皮、皮内)や、アジュバント、補助治療法が研究中である。

より安全かつ効果をあげるために、オマリズマブなどの生物学的治療と組み合わせることも考えられる。

喘息予防的効果は一般に天然アレルゲンを含有した製剤で最も高く、アレルギー疾患発症初期に開始されなければならない。そのため、現状のAIT治療による喘息予防研究は、すでに遅きに失した時期に開始している可能性もある。

 

【喘息増悪させるウイルスに対するワクチン】

乳児期の喘鳴のほとんどはウイルス感染、例えばRSウイルス(RSV)とライノウイルス誘発性喘鳴は、以降の喘息リスク増加と関連している。また、小児の喘息増悪のうち、少なくとも80%はウイルス感染と関連しており、主にライノウイルスによる。そのため、喘鳴と喘息トリガーであるウイルスに対する予防接種をすることは、喘息を予防の戦略となりうる。

RSVに対するワクチンは、弱毒生ワクチン、遺伝子ベースのベクター、RSV-Fナノ粒子、RSV-Fサブユニットワクチンの4種類に分類されるが、現在のところこれらのワクチンの成績は発表されていない。一方、モノクローナル抗体(palivizumab)による治療は、RSVだけでなく、1歳までのRSV以外のウイルスによる再発性喘鳴も減少させたと報告されている。

ライノウイルスは160種類ものジェノタイプがある。細胞性および体液免疫応答を誘発するライノウイルス・カプシドタンパク質(VP0とVP1)は特定されており、広く交差反応を起こし得るサブユニット・ライノウイルス・ワクチン開発を可能にするかもしれない。

インフルエンザは喘息増悪を誘発し、喘息患者ではより重篤化する可能性があるため、インフルエンザ予防接種は、喘息患者に推奨されている。

 

【免疫調節ワクチン】

サイトカインとケモカイン(IgEを含む)の中和は、喘息予防の標的であり、Omalizumabi(抗IgE療法)は、重症喘息の治療に有益であるとすでに判明している。

将来、自己由来幹細胞を再プログラムして免疫寛容を誘導する樹状細胞を作成できる可能性があり、免疫調節性Treg細胞を誘導するワクチンも、魅力的な着想である。

しかし、今のところ、これらのアプローチに対する前臨床試験は失敗している。

 

【コメント】

まだまだ喘息予防にはハードルがたくさんあるようです。

興味深いのはライノウイルスワクチンがです。秋以降に喘息発作が多いのもライノウイルスの影響が多いとされていますし、幼児期のライノウイルスが13歳まで影響するという報告もあります(http://pedallergy.jugem.jp/?eid=112)。

今後喘息予防が現実のものになってくればいいですね。

 

 

 

 

 

 

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