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デングショック症候群になるリスクファクターはなにか?

Lovera D, et al. Clinical Characteristics and Risk Factors of  Dengue Shock Syndrome in Children. Pediatr Infect Dis J 2016; 35:1294-9.

https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/27455442

 


デング熱は、世界で25億人もの人々に影響している感染症であり、本邦でも発生したことは記憶に新しいところです。

以前、妊娠中のデング熱感染は胎児に悪影響があるかもしれない(http://pedallergy.jugem.jp/?eid=116)という報告をUPいたしましたが、今回はデングショック症候群(DSS)のリスクファクターを検討した報告です。

DSSは、デング熱によって亡くなる例で最も多い重症型に分類され、特に小児と若年成人に多いとされています。


P: パラグアイでアウトブレイクしたデング熱ウイルス抗原型2に感染し、デングショック症候群(DSS)で入院した15歳未満の小児

E: DSSが認められた患者

C: DSSが認められなかった患者

O: DSSのリスクファクター

 

 

結果

 

デング熱の診断は、PCR陽性またはNS1抗原試験、抗DEN IgM、ペア血清によるDENV HAI IgG≧4倍(一部疫学的に診断)によって確定され、最終的に471例が分析された。

デング熱で入院した471人のうち、354例(75%)は、入院時もしくは入院後にショックを呈した

性差はなく、DSS患者の平均年齢は10.2±4歳だった(DSSの有無での差なし)。

発疹(50%対56%)、筋肉痛(45%対40%)、嘔吐(66%対68%)、出血徴候(24%対21.2%)にDDSの有無での有意差は認められなかった。

同様に、初感染と続発性感染にDSSの発現頻度の有意差は認められなかった(76.2%対71.6%、P = 0.3)

一方、5歳以上(オッズ比 [OR] 1.6 ; 95%信頼区間[CI] 1-2.8; P < 0.05)、腹痛(OR 2.5; 95%CI 1.3-4.9; P = 0.006)、APTT延長(OR 4; 95%CI 1.6-10; P < 0.001)とフィブリノゲン低値(OR 2.5; 95%CI; 1-5.9; P = 0.02)が、DSSと有意に関連していた

患者の約12%が集中治療室入院を必要とし、2例が死亡した(死亡率0.35%)。

 

 

コメント

 

デング熱は世界的に最も頻度の高いアルボウイルスによる疾患とされています。

デングショック症候群(DSS)は最も多い重症型に分類され、特に小児と若年成人に多く、デング熱による大部分の死亡例はDSSに起因しますので、このような検討は重要です。

再感染時の方が重篤化しやすいとサれてきましたが、今回は、年齢・腹痛・APTT延長・フィブリノゲン低値がリスクファクターであったとまとめられます

 適切な処置がなければ、DSSはDSSのないデング熱患者に比較して死亡率が50倍高く、20%を超える可能性もあるとされていましたので、デング熱に関しては今後の気をつけていくべきでしょう。

 

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妊娠中のデング熱感染は胎児に悪影響があるかもしれない: システマティックレビューとメタアナリシス

Paixao ES, et al., Dengue during pregnancy and adverse fetal outcomes: a systematic review and meta-analysis. Lancet Infect Dis 2016; 16:857-65.

http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/26949028

 


デング熱は、2014年に本邦でも確認され、報道されました。

その後の明らかな流行はありませんが、今年も十分な注意が必要と思われます(http://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou19/dengue_fever_qa.html)。


 

P: Medline, Embase, Global Health Library, Scopusを検索し妊婦を検討した研究

  (6071名の妊婦16研究はシステマティックレビュー条件を満たし、8研究はメタアナリシス条件を満たした)

E: デング熱感染

C: -

O: 妊婦のデング熱感染が胎児の死産・流産・未熟児出産・低出生体重に影響するか

 

【結果】

ケースコントロール、コホート、横断研究、ケースシリーズが含有基準を満たし、症例報告・生態学的研究・レビュー・試験管内の研究・妊娠結果のデータのない研究は除外された。

妊娠中のデング熱感染は、流産をオッズ比(OR) 3.51(95%信頼区間[CI] 1.15-10.77、I2=0.0%、p=0.765)に上昇させた。

死産に関しては1件のみだったためメタアナリシスを行えなかったが、相対危険度(RR) 6.7(95%CI 2.1-21.3)だった。

未熟出生に関してのOR 1.71(95%CI 1.06-2.76、I2=56.1%、p=0.058)と低出生体重のOR 1.41(95%CI 0.90-2.21、I2=0.0%、p=0.543)だった。

 

【コメント】

妊娠中のデング熱感染は、未熟児や低出生体重になりやすいとまとめられ、デング熱が確認された場合は妊娠中のモニターが重要であるとされていました。

もちろん、デング熱に感染すると即心配というような数字では全くありません。ただ、夏場など蚊に対する対策をきちんとしましょうという勧告や、本邦での流行が再燃してこないかどうかの情報収集は必要でしょう。

2010年に同様のシステマティックレビューは行われていますが、デング熱と胎児の関連は十分検討できなかったそうです(Obstet Gynecol Surv 2010; 65: 107–18.)。

一方、デング熱重症度に関するメタアナリシスは出来なかったと述べられており、疾患重症度も検討することが必要かもしれないとされています。また、16の研究のうち56%はケース・シリーズであり、出版バイアスがかかった可能性があるとも述べられていました。

一方、ジカ熱は胎児への明らかな神経的な発達への影響があります。どちらにせよ流行地域への旅行なども含め、十分な対策をしていったほうがよいでしょう。

 

 

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