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7歳時点での気管支喘息の重症度は50歳での喘息症状に強く関連する: メルボルンコホート研究 2014年版

Tai A, et al. Outcomes of childhood asthma to the age of 50 years. J Allergy Clin Immunol 2014; 133:1572-8.e3.

http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/24495434

 


昨日は、7歳時点での喘息児における19歳時点での喘息予後の研究をお示ししました。

喘息予後に関してはメルボルン研究が有名で、42歳での結果がすでに既報となっていました(Phelan PD, et al., J Allergy Clin Immunol 2002; 109:189-94.)。今回は、さらにメルボルン研究を50歳まで延長した研究結果を提示させていただきます。


 

P: 7歳時点でリクルートされた喘息患者484人のうち、50歳までフォローできた346人(肺機能検査を施行できたのは197人)

E: 7歳時点での喘息重症度

C: -

O: 50歳での喘息の寛解

 

【結果】

7歳時点での喘息は、4群に層別化された。

すなわち、Control(喘息がない)105人、軽症喘息様気管支炎(MWB;感染を伴う喘鳴が5エピソードより少ない) 74人、喘息様気管支炎(WB;感染を伴う喘鳴が5エピソード以上) 104人、喘息(A;気道感染症を伴わない喘鳴) 113人、重症喘息(SA;3歳より前から発症し、10歳前の2年間に少なくとも10回以上発作がありもしくは10歳で持続した症状がある) 83人である。

50歳で喘息が寛解しているのは、7歳で喘息様気管支炎であった患者の64%、持続性喘息であった患者の47%、重篤な喘息患者の15%だった

多変量解析では、50歳まで“current asthma”が持続する危険因子として、小児期の重篤な喘息(オッズ比[OR]11.9[95%CI、3.4-41.8])、女性(OR 2.0[95%CI、1.1-3.6])、小児期の花粉症(OR 2.0[95%CI、1.0-4.0])が特定された。

一方、重篤な喘息群(15mL/y[95%CI、9-22mL/y])と他のすべての群にFEV1の低下率(mL/y、95%CI)に有意差は認めなかった(control群(16 mL/y [95% CI, 12-20 mL/y])、軽症喘息様気管支炎(14mL/y[95%CI(8-19mL/y)])、喘息様気管支炎(16mL/y[95%CI(11-20mL/y)])、持続型喘息(19mL/y[95%CI(13-24mL/y)])。

 

論文より抜粋

7歳時点での喘息表現型が重症であるほど、50歳時点でも喘息が持続している率が高い【クリックで拡大】。

 

 

 

【コメント】

メルボルン研究の続報になります。

成人期喘息の臨床症状および肺機能の転帰は、小児期の喘息重症度で強く予想されることが示唆されるとまとめられます。

しかも、成人期の肺機能低下は小児期にすでに規定されており、継続した症状に関係なく急速に低下するようではなかったとされていました。

吸入ステロイド薬の使用は、必ずしも呼吸機能予後を改善しないことがすでに報告されています(IFWIN研究:Murray CS, Lancet 2006; 368:754-62.)が、IFWIN研究は比較的軽症喘息しか含まれていません。

昨日お示しした研究結果は吸入ステロイド薬を使用できる時代のものであり、このメルボルン研究は小児期の吸入ステロイドがなかった時代と言え、比較してみると興味深いです。とはいえ、結局は喘息重症度とアレルゲン感作が規定する部分が大きいといえそうです。

 

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7-8歳時点での動物感作と気管支喘息重症度は19歳時点での気管支喘息の持続リスクとなる: コホート試験

Andersson M, et al., Remission and persistence of asthma followed from 7 to 19 years of age. Pediatrics 2013; 132:e435-42.

http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/23897917

 


「小児喘息は成長すれば自然に良くなる」とまことしやかに言われています。

しかし、あくまで低年齢での喘息の一部のフェノタイプ(Transient early wheezers[一時的な早期喘鳴])に言えるのであって、7歳以降に上気道炎にかかわらず喘鳴がある場合は成人まで続く可能性が高いことが指摘されています(Stein RT,et al. Thorax 1997; 52:946-52.)。

今回ご紹介する研究結果は、7-8歳の喘息児が19歳時点で喘息が持続しているリスク要因を調査したものになります。


 

P: 北スウェーデンの3つの自治体において登録された7-8歳の喘息患者205人

E: 喘息状態、喘息の家族歴、喘息薬物使用(吸入ステロイド薬を含む)、喘息重症度スコア、医師に診断された鼻炎または湿疹、過去1年間の交通曝露と家庭内の湿気曝露  

  10種のアレルゲン皮膚プリックテスト(一部の患者)

  呼吸機能検査(全員)+メサコリン負荷試験(一部の患者)

C: -

O: 19歳時点での持続した喘息に対するリスク因子

 

【結果】

喘息はISAACアンケートと診察で特定され、ベースラインでの登録患者245人のうち、205人が19歳時点で評価された。

喘息重症度はアンケートを使用された。現在の喘鳴、毎日の喘息薬物、喘息による睡眠障害が週に≧1日/週、会話を制限する喘鳴症状が≧1/週、過去12ヶ月における喘鳴が12回よりの多いかどうかがアンケートに含まれた。

寛解の評価は、過去12ヵ月間に喘息薬物の使用も喘鳴もないものと定義され、持続性喘息は先行する調査のうち少なくとも8-9回は持続した喘鳴があるものとし、再発性喘鳴は、持続性喘息でも寛解でもないものと定義された。

結果として19歳時点で、21%は寛解、38%は再発性喘鳴、41%は持続性喘息であった。

寛解は、男児により多かった。

7-8歳時点における動物の毛に対する皮膚プリックテストと特異的IgE抗体価陽性と重篤な喘息は、19歳時点での喘息の持続に有意に関連した(動物の毛に対する感作 [オッズ比:0.14、95%信頼区間:0.04-0.55]、重篤な喘息(オッズ比:0.19、95%信頼区間:0.07-0.54])これら2つの特徴がある児の82%は、19歳でも喘息が持続していた。

 

【コメント】

7-8歳での喘息児において、喘鳴が繰り返しあり、動物の毛に対してアレルギー感作されている場合は、19歳時点でも喘息がある可能性が高いとまとめられます。

過去、メルボルン研究により、7歳でのあきらかな喘息は42歳でも持続している場合が多いことが報告されています(Phelan PD, et al., J Allergy Clin Immunol 2002; 109:189-94.)(Stein RT,et al. Thorax 1997; 52:946-52.)。今回は7-8歳の喘息患者の19歳での評価になります。吸入ステロイド薬が小児に適応されるようになる前と後といえるのではないでしょうか。

さて、メルボルン研究のその後、50歳までフォローした研究があったので、明日UPしようと思います。

 

 

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エアロアレルゲンに感作された成人の喘息症状は10年後も続く可能性が高い: コホート研究

Garcia-Larsen V, et al. Changes in symptoms of asthma and rhinitis by sensitization status over ten years in a cohort of young Chilean adults. BMC Pulm Med 2016; 16:116.

http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/27503476

 


以前、小児に関するダニ感作とその後の喘息の持続に関しての報告をUPさせていただきました(http://pedallergy.jugem.jp/?eid=112)。

今回は成人に関しての報告を見つけたのでご紹介します。


 

P: Limache (Chile) Cohort studyに参加した、チリ中部に在住の22-28歳の参加者 1193人

E: 2001年に気管支過敏性(BHR)とアレルゲン8種(ヤケヒョウヒダニ、ネコ毛、イヌ毛、アルテルナリア、ゴキブリ、花粉混合物、雑草・低木混合物、樹木混合物)による皮膚プリックテスト(SPT)を評価

C: -

O: 10年後の喘息症状に影響するか

 

【結果】

ベースライン(2001年)に、少なくとも4分の1の参加者は1種類のアレルゲンに感作されており、10年後(2011年)にアンケート調査に参加した772名が解析対象となった。
喘鳴有症率の1年ごとの変化は、-0.37%(95%CI−0.71 to 0.02%; p = 0.067)であり、アレルギー性鼻炎(自己申告)は、直近12ヵ月の変化が1年にごとに0.83%(95%CI 0.49 to 1.17%; p < 0.001)増加した。

ベースラインでのネコ毛(OR 1.76; CI 1.01〜3.05)、ゴキブリ(OR 2.09; 1.13〜3.86)、イネ科雑草・花粉の混合物(OR1.78; 95%CI 1.08〜2.92)、雑草(OR 1.77; 95%CI 1.01〜3.12)いずれかの感作されている参加者は、10年後の直近12ヶ月の喘鳴を、有意に発症していることが示唆された。

 

【コメント】

成人喘息に関して、10年間での喘息症状は概ね安定(もしくは僅かな減少)と言えますが、一方で鼻炎は大きく増加していることになります。そして、少なくとも1つのアレルゲンに対して感作されることは、喘息と鼻炎が持続する危険因子であるとまとめられます。

以前、小児に関して、ダニの早期感作が持続した喘息症状の強い予測因子になることをUPしました(http://pedallergy.jugem.jp/?eid=112)。一方で、1歳未満からのダニの早期免疫寛容誘導は喘息の予防ができなかったことも報告されています(http://pedallergy.jugem.jp/?eid=141)。

全くもってややこしい事態ですが、感作は喘息の予後の危険因子になることは明らかで、でも免疫療法で発症予防は証明できていないと理解しています。

 

 

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