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乳児血管腫にプロプラノロールに加えてステロイドを投与した2例

 

topic

 

 昨日、乳児血管腫( infantile haemangiomas ;IH)に対するプロプラノロール内服治療とステロイド内服治療の比較の研究結果をご紹介いたしました。

 

 今後、IHに対する治療はプロプラノロール内服がファーストチョイスになってくることが予想されます。

 では、ステロイド内服は古い治療として使用を考慮しなくなるのでしょうか?

 今回は、プロプラノロール内服に加え、ステロイド内服を併用した症例報告をご紹介いたします。

 

症例報告なのでPECOはなし。

 

 結局、何を知りたい?

 ✅乳児血管腫治療のファーストチョイスになってきているプロプラノロール(ヘマンジオル)内服単独で治療困難な難治性乳児血管腫に対し、ステロイド内服を併用した例を報告しようとしている。

 

結果

 

症例1

 3ヵ月男児。
 生後2ヵ月から急速に増大する、重篤な潰瘍を伴う上背部の乳児血管腫( infantile haemangiomas ;IH)のために受診した。

 ワセリンとDuoDERMとパルス色素レーザーによる伝統的な創傷治療にもかかわらず、IHの90%以上が潰瘍化したうえ、少量出血のある頻回の疼痛が増悪し、生後4ヵ月は275cm2もの大きさの、中等度に深い潰瘍が全病変にある、暗紫灰色の病巣となった。

 プロプラノロールは、2mg/kg/日が処方され、2週以内に186cm2に縮小したが、潰瘍や持続性の毛細血管出血は増悪した。

 Aquacel抗原やTegadermが追加されたにも関わらず、潰瘍は経口プレドニゾロン2mg/kg/日を追加するまで持続した。

 プレドニゾロン開始2週以内に、IHは173cm2に縮小し潰瘍は有意に改善され、3週後にはIHは完全な再上皮形成を伴う129cm2の病巣になった。

 最大投薬量の5週間後からプレドニゾロンは4週間で潰瘍の再発なく漸減に成功し、プロプラノロール使用は、生後10ヵ月まで継続されIHは軽快した。

 

症例2


 生後4ヵ月の女児。
 生後数週から出現し、生後7週で痛みを伴う潰瘍が悪化した左腹部のIHのために受診した。
 左腹部に、62cm2の中心潰瘍を持つ、限局的なIHと18cm2の血管性病巣が認められた。

 プロプラノロールは2mg/kg/日で2週間日投薬され、容積は縮小したが中心の持続性の深い潰瘍を残した。

 2mg/kg/日の経口プレドニゾンが追加され、2週間で潰瘍とIHは10cm2の潰瘍を残して早期に再上皮形成し、有意に縮小した。

 プレドニゾロンは4週間で漸減されたが、リバウンドや潰瘍再発はなかった。

 プロプラノロールは生後9ヵ月まで継続された。

 

 結局、何がわかった?

 ✅潰瘍形成を伴う乳児血管腫に対し、プロプラノロールに併用したステロイド内服は効果があるようである。

 

コメント

 

 全身性コルチコステロイドに比較しプロプラノロールの有効性と副作用の低下を支持している多数の研究があり、IH治療の中心はプロプラノロールとなろうとしています。

 しかし、潰瘍を併発しているIHのケースでは、プロプラノロール単独療法の効果が充分でないかもしれないとしており、現在のファーストラインの治療で治療困難な潰瘍を併発したIHの治療に対し、経口コルチコステロイドは、今後も役割があるかもしれないとしていました。

 

 今日のまとめ!

 ✅プロプラノロール内服で改善不十分な、潰瘍形成をしている乳児血管腫に対して、ステロイド内服が追加治療として選択できるかもしれない。

 

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乳児血管腫に対するプロプラノロールはステロイドと副作用が変わらない

 

topic

 

 乳児の血管腫(いちご状血管腫)に対し、プロプラノロール内服が効果があることが報告され、本邦でも商品名ヘマンジオルとして使用されるようになりました。

 一方、ヘマンジオルは重篤な副作用は多くはないものの懸念が残っており、先行したステロイドとの比較試験が行われた結果が報告されていましたのでご紹介いたします。

 

P: ソウル国立大学に受診した、心機能に異常のない乳児期血管腫(infantile hemangioma;IH)の乳児34人(男児15人、女児19人、平均年齢3.3ヵ月[0.3-8.2ヵ月])
E: プロプラノロール 1日総量2mg/kg/日 17人
C: 経口プレドニゾロンシロップ 2mg/kg/日 17人
O: プライマリアウトカム:16週後の治療反応

 

 結局、何を知りたい?

 ✅乳児血管腫に対するプロプラノロール(ヘマンジオル)内服が、ステロイド内服に比較して効果や副作用に差があるかということを知ろうとしている。

 

結果

 

 すべての参加者は、心機能は正常であり、試験開始まで乳児血管腫(IH)の治療を受けていなかった。
 プロプラノロール群(2mg/kg/d)の患者は、処置開始後の3日間は入院して副作用を観察され、16週間外来で加療された。
 ステロイド群(2mg/kg/d)は、最初から外来で加療開始し、16週間の加療を受けた。
 16週後の治療反応は、処置開始前と治療開始16週後に、血管腫容積によってMRIにより評価され、平均IH容積はプロプラノロール群14125mm3であり、ステロイド群は9349mm3だった(有意差なし)。
 intention-to-treat解析では、プロプラノロール群の処置反応率が95.65%であるのに対し、ステロイド群は91.94%であり、プロプラノロールは非劣性と判定された(95.65%対91.94%、差3.71%; 95%CI -15.43%〜22.84%)
 容積減少は、プロプラノロール群(55.87%)はステロイド群(46.52%)より大きかったが、有意差はなかった(P=.27)
 プロプラノロール群における最初の薬物投与後の心拍(131.88対147.63bpm;P=.003)、体温(36.66°C対36.96°C;P=.04)と血糖値(103対121mg/dL;P=002)は、ステロイド群より有意に低かった。

 ステロイド群のうち2例は、成長障害を示した。
 一つ以上の有害事象は、31例の患者で観察された(プロプラノロール群16例、ステロイド群15例; P>.90)たが、群による有意差はなく、重篤な副作用は認めなかった

 

 結局、何がわかった?

 ✅乳児血管腫に対するプロプラノロール内服とステロイド内服は効果や副作用に差はなかった。

 

コメント

 

 プロプラノロール内服に関しては、上記のように先行研究があり、プラセボに対し有意に効果があることが示されています。

 ステロイド内服(プレドニゾロン2mg/kg/日×16週間)は、ちょっと小児科医としてためらわれる量と期間です。副作用は様々出ておかしくないでしょう。

 このような結果からも、乳児血管腫に対する治療としてプロプラノロール(ヘマンジオル)が普及してくるのは確かでしょう。

 一方で、プロプラノロール外用の報告もみられるようになりました。こちらも期待したいところですね。

 さらに、プロプラノロール内服にステロイド内服を併用したという症例報告(Br J Dermatol 2017; 176:1064-7.)がありましたので、ご紹介しようと思っています。

 

 今日のまとめ!

 ✅プロプラノロール(ヘマンジオル)内服はステロイド内服に比較して効果・副作用に差がない。

 

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いちご状血管腫にβブロッカー外用薬が有効? : 前後比較研究

 

topic

 

 以前、小児血管腫に対して、βブロッカー(プロプラノロール)は乳児血管腫に効果的という報告をご紹介いたしました。

 そして、プロプラノロールは内服薬剤(商品名ヘマンジオル)として使用できるようになりました。

 内服薬剤でも副作用が必ずしも多いわけではなかったのですが、皮膚の治療としては、もし外用薬で効果があれば、より副作用が少なく心配も減るはずです。

 前後比較研究で、まだパイロット的な結果ではありますが、そのプロプラノロール外用の報告がありましたのでご紹介いたします。全文が手に入らなかったのでAbstractのみをまとめたのですが、先行情報としては良いかと思います。

 

P: 小児増殖性いちご状血管腫があり受診した計40人
E: 2%プロプラノロールクリーム 毎日3回塗布
C: -
O: 12ヵ月間の治療でいちご状血管腫が改善するか

 

結果

 

 Scale 1(乏しい反応)2例、Scale 2(中等度の反応)15例、Scale 3(良好な反応)17例、Scale 4(優れた反応)6例だった。

 女性と男性、病変部位/サイズ、治療開始年齢それぞれにおいて、治療結果に有意差は認められなかった。
 明らかな副作用は認められなかった。

 

コメント

 

 2%プロプラノロールクリーム外用は、増殖性小児いちご状血管腫治療に安全かつ有効であると結論されていました。

 もちろん対照のない前後比較研究ですので、さらにこの後の研究を要するでしょうが、おそらくいちご状血管腫以外にも適応できるであろう外用薬になる可能性を秘めているといえるでしょう。

 

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βブロッカー(プロプラノロール)は乳児血管腫に効果的: ランダム化比較試験

血管腫 治療 プロプラノロールLeaute-Labreze C, et al. A randomized, controlled trial of oral propranolol in infantile hemangioma. N Engl J Med 2015; 372:735-46.

http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/25693013

 


血管腫は乳児期に頻度の高い良性腫瘍で、3〜10%の乳児に見られます。

経過観察して改善を待つことも多いのですが、美容的に問題が残り、心理的にも後を引くこともありますし、顔面に出来た場合や、大きい場合はレーザー治療も選択されることがあります。

一方で、βブロッカーが効果があることが2008年に報告され、大規模ランダム化試験が行われることになったという経緯があります。


 

P: 最小径1.5cmで全身投与治療が必要な血管腫のある生後35〜150日の乳児460例 (16カ国の56施設が参加)

E: 1) 1mg/kg/日×3ヵ月間

 2) 1mg/kg/日×6ヵ月間

 3) 3mg/kg/日×3ヵ月間

 4) 3mg/kg/日×6ヵ月間(3mg/kg/日の群は、最初1mg/kg、7日目から2mg/kg、14日目から3mg/kgに増量)

C: プラセボ

O: 24週時点での血管腫の完全もしくはほぼ消失

 

【結果】

ランダム化を受けた乳児460名のうち、456例がそれぞれの処置を受けた。188例の参加者が24週を終了した時点で中間解析が行われ、この時点までに参加者は予定の460例に達しており、最終的に460例でITT解析が行われた。

7、14、21日目、5、8、12、16、20、24、36、48、72、96週に診察され、有効性は訓練された読影者2名によってデジタル写真によって評価された。

安全性評価は、開始時、試験終了時or終了5日後に診察、心電図、血糖が評価された。また、開始時、投与量増加時に投与後4時間、プロプラノロール療法に関連するとされる既知のリスク(低血糖、血圧低下、徐脈、気管支けいれん)をモニターされた。

治療群ではプラセボに比較して、有意に効果が高かった(60%対4%、P < 0.001)。

プロプラノロール治療群で治療効果があった例のうち10%は、追加の再処置を必要とした。

プロプラノロールに関連する副作用イベント(低血糖、血圧低下、徐脈、気管支けいれん)はプラセボ群と有意差がなかったが、プロプラノロール3mg群と1mg群を比較し、下痢(22%対14%)、気管支過敏(9%対6%)と高い発生率のように見受けられた。

 

【コメント】

結果として、もっともリスクベネフィットが高いのはプロプラノロール3mg/kg×6ヵ月間と結論されています。

重篤な副作用はプラセボ群と差はなく、レーザー治療などの処置が不要になる可能性がありますので今後普及してくる治療法と考えられます。ただし、現状ではまだ本邦で使用できる方法ではありません。また、別の報告ですが、プロプラノロールが中枢神経に対する副作用があるかもしれないという懸念も提示されています。私としては、今のところはこの報告の今後を確認していきたいと思っています。

 

 

 

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