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伝染性単核球症は、どんな所見・検査結果があると可能性が高い?

 

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 伝染性単核球症は、主にEBウイルスの初感染でみられ、小児科医にとっては馴染みのある疾患です。

 しかし、いわゆる迅速検査はなく、病歴・診察などから鑑別を詰めていく必要があります。

 とくに溶連菌感染と考えてペニシリンを開始すると皮疹が出現する場合があります(余談ですが、以前は90%以上に皮疹が出るとされていましたが、最近30%程度の皮疹という最近の結果がもあります)。

 経験のある小児科医であれば、今回ご紹介する報告は、体感でわかっているような結果かもしれませんが、先日、症状の強いGianotti-Crosti症候群を経験しました。

 所見で迷うところでしたが、この論文を読んだあとでしたので少々助けになりました。

 

P: PubMed (1966-2016年) とEMBASE (1947-2015年)を検索して得られた、伝染性単核球症の診断の感度・特異度を検出するに足るデータのある計11研究
E: 臨床所見と検査結果
C: -
O: 伝染性単核球症の診断における、感度、特異度、尤度比。

 

結果

 

 伝染性単核球症(IM)の可能性は、リンパ節腫大がないと低下し(感度 0.91; 陽性尤度比[LR] 範囲 0.23-0.44)、後頸部リンパ節腫脹があると増加し(感度 0.87; 陽性LR, 3.1 [95%CI 1.6-5.9])、鼠径部もしくは腋窩リンパ節腫脹があると増加し(感度 範囲 0.82-0.91; 陽性LR 範囲 3.0-3.1)、口蓋の出血点があると増加し(感度 0.95; 陽性LR 5.3 [95%CI 2.1-13])、脾腫大があると増加した(感度 範囲 0.71-0.99; 陽性LR 範囲 1.9-6.6)。
 咽頭痛と疲労は、感度は高い(範囲 0.81-0.83)が、非特異的だった。
 異型リンパ球増加は、IMの可能性を有意に増加させた(異型リンパ球 ≧10%、LR 11.4 [95%CI, 2.7-35]; 異型リンパ球 ≧20%、LR 26 [95%CI, 9.6-68];異型リンパ球 ≧40%、LR 50[95%CI 38-64])。
 ≧50%のリンパ球、≧10%の異型リンパ球を両方満たす所見は有用だった(感度 0.99;陽性 LR, 54 [95%CI 8.4-189])。

 

コメント

 

 伝染性単核球症(IM)は、一般的に5〜25歳にみられ、特にに16-20歳の咽頭痛を有している患児の13人に1人に認められるとされていました。

 青年期もしくは成人患者で、咽頭痛、後頸部、鼠径部、腋窩リンパ節腫脹、口蓋溢血点、脾腫大、異型リンパ球増加を示すと、IMの可能性が高まるとまとめられます。

 小児科医にとっては当たり前の結果でもあるかもしれませんが、異型リンパ球の上昇で尤度比の上がり方がとても大きいことが印象的でした。

 ノモグラムを使用すれば、事前確率30%くらいかなーというのが、尤度比が10あれば、事後確率が70%を超えるわけですから(ノモグラムは下のサイトを参照ください)。

 

Definition, calculation and examples of likelihood ratios.
www.cebm.net

 

今日のまとめ

✅青年期もしくは成人における伝染性単核球症は、喉が痛い、首の後ろ・足の付け根・脇のリンパ節が腫れる、口の中の出血点、脾臓が脹れると可能性が高くなる。

✅さらに、血液検査で異形リンパ球という白血球数の割合が高ければ、きわめて可能性が高い。

 

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乳児の上部尿路感染症において、尿中細菌数が基準以下例の特徴: 症例集積研究

Swerkersson S, et al., Urinary tract infection in infants: the significance of low bacterial count. Pediatr Nephrol 2016; 31:239-45.

http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/26358231

 


先日、乳児尿路感染症におけるクリーンキャッチ法の報告(http://pedallergy.jugem.jp/?eid=156)をUPしました。今回は乳児尿路感染症の検査に関する報告です。


 

P: 恥骨上膀胱穿刺によって診断された1歳未満の尿路感染症(UTI)430例

E: 診断時の細菌コロニー数

C: -

O: VCG(排尿時膀胱尿道造影)、99mTc-DMSAシンチ、再発頻度の結果に違いはあるか

 

【結果】

UTI診断時のうち、83例(19%)は<100,000をコロニー形成単位(CFU)/mlであり、347例(81%)が≧100,000 CFU/mlだった。VURの頻度(両群とも19%)、細菌数低値群、高値群を比較して、腎障害(17と23%、p=0.33)、UTI再発頻度(6と12%、p=0.17)に有意差は認められなかった

細菌数低値群では、非大腸菌種が、より多く(19対6%、p=0.0006)、CRPが低かった。

 

【コメント】

一般的な診断基準となる、≧100000CFU/mlに達していない群でも、基準以上のVURと同様に腎障害は認められるとまとめられます。低値群では、大腸菌群以外である可能性が高いことと、CRPが低値がより多くの例で認められたとされています。

すべての検査で言えることでしょうけど、偽陰性の問題はどうしてもつきまといますね。

 

 

 

評価:
William W. Hay Jr.,Myron J. Levin,Robin R. Deterding,Mark J. Abzug
McGraw-Hill Education / Medical
¥ 9,099
(2016-05-02)

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乳児の尿採取におけるクリーンキャッチ尿の評価

Labrosse M, Levy A, Autmizguine J, Gravel J. Evaluation of a New Strategy for Clean-Catch Urine in Infants. Pediatrics 2016.[Epub ahead of print]

http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/27542848

 


乳児の尿路感染症は、少なからず経験しますが、導尿カテーテルや膀胱穿刺は侵襲的であり、クリーンキャッチ尿が適応できれば児に対するメリットが大きいと考えられます。なお、クリーンキャッチ尿は、自然に排出された尿を、直接きれいな容器にキャッチする方法です。


 

P: 尿路感染が疑われた生後生後90日未満の乳児126人(男児64人、年齢中央値55日)

E: クリーンキャッチ尿採取

C: 一般的な侵襲的尿採取

O: クリーンキャッチ尿採取の成功率

 

【結果】

クリーンキャッチ尿採取は、62人(49%;時間の中央値:45秒)で成功し、尿汚染率は16%であり(95%CI:8%〜27%)、侵襲的な尿採取群と統計的に変わらなかった(6%、95%CI:3%〜15%)

生後0〜29日、 30〜59日、60〜89日の乳児は、>89日の乳児より、クリーンキャッチ尿の成功率が高かった。

 

【コメント】

低年齢児の尿路感染は少なくなく、尿カテーテル挿入は小児科医にとっても出来れば避けたい処置です(難しいというより侵襲があることを避けたい)。クリーンキャッチ法は、エコーをしつつ尿が貯留していることを確認できれば圧迫するとそのまま採取できることが多いようです。存在は知りつつも積極的にはしてこなかったのですが、それでも16%の汚染はあるものの半数が45秒で採取できるならチャレンジしてもいい方法かなあと思いました。ただし、その45秒すら圧迫されているのが外来診療でもあるんですよね、、。

 

 

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