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小児アレルギー性鼻炎に対し、クラリチンの効果は不十分?

 

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 第二世代以降の抗ヒスタミン薬(ざっくりいえば、"眠気を少なく改良された製品")は多種多様にありますが、第二世代抗ヒスタミン薬同士を直接比較した研究は極めて限られています。

 今回、セチリジン(製品名ジルテック)、ロラタジン(製品名;クラリチン)の、小児アレルギー性鼻炎に対する比較試験がありましたのでご紹介させていただきます。

 なお、現在の私の環境では全文が読めず、abstractのみのまとめですが、きれいな結果ですので問題はないかと思います。

P: 米国71施設における6-11歳の季節性アレルギー性鼻炎(SAR)の小児
E1: セチリジン(商品名;ジルテック) 10mg 1日1回 2週間 231人 
E1: ロラタジン(商品名;クラリチン)10mg 1日1回 2週間 221人 
C: プラセボ 1日1回 2週間 231人
O: 14日間の 平均総症状スコア(total symptom severity complex;TSSC)の変化

 

 結局、何を知りたい?

 ✅こどもの季節性アレルギー性鼻炎に対し、ジルテックとクラリチンの薬効の差を確認しようとしている。

 

結果

 

 セチリジンを用いた治療を受ける小児は、14日間でプラセボ群に比較して有意にTSSCスコアが減少した(最小二乗平均変化、-2.1対-1.6; p = 0.006)
 セチリジン対ロラタジン群(-2.1対-1.8; p = 0.124)、ロラタジン対プラセボ群(-1.8対-1.6; p = 0.230)の14日間におけるTSSCスコア改善は、統計的に有意でなかった
 セチリジン、ロラタジン、プラセボ群における有害事象は、頭痛(それぞれ3.5、3.6、3.1%)、咽頭炎(それぞれ3.5、2.7、3.5%)だった。

 傾眠は、セチリジン群3人(1.3%)、他の群ではいなかった。

 

 結局、何がわかった?

 ✅14日間の小児アレルギー性鼻炎の治療において、ジルテックはプラセボより効果があったが、クラリチンは有意な差がなかった。

 

コメント

 

 6-11歳の小児の季節性アレルギー性鼻炎症状の治療において、プラセボに比較してセチリジン10mgは統計学的に有意に有効だったが、ロラタジン10mgとプラセボ群による有意差が認められなかったとまとめられます。

 この報告が正しいのであれば、クラリチンを使用している患者さんはジルテックに変更したほうが良いということになります。

 前も書きましたが、多くの病院と同様、当院は使える薬剤が限られていて、新規の薬剤を導入するためには他の採用薬剤を削除する必要性があります。いわゆる「一増一減」の原則です。

 ザイザルシロップを導入するときにジルテックドライシロップを削除されているため、この報告を読んで、どうするべきか頭を抱えてしまいました。

 増えていく薬剤に対応するためには仕方ないのかもしれませんが、せめて院外処方の薬剤に関しては、もう少し柔軟に対応できるようにしていただければうれしいと思うこともよくありますね、、。

 

 今日のまとめ!

 ✅小児アレルギー性鼻炎治療において、ジルテックの効果は有意だが、クラリチンの効果は不十分かもしれない。

 

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慢性副鼻腔炎に対して、鼻腔内ステロイド薬は効果があるか: コクランシステマティックレビュー

Chong LY, et al., Intranasal steroids versus placebo or no intervention for chronic rhinosinusitis. Cochrane Database Syst Rev 2016; 4:Cd011996.

https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/27115217

 


このブログではコクランシステマティックレビューによる二次資料を提示することは少ないのですが、今回は珍しくコクランの結果です。


 

P: 慢性鼻副鼻腔炎患者に対し、鼻腔ステロイド薬の効果を評価したランダム化比較試験 18件(2738人)

 鼻ポリープありの患者を含む14研究+鼻ポリープなしの4研究

 小児を対照にした研究は1つのみ

E: 鼻腔内ステロイド薬使用

C: プラセボ使用

O:鼻腔内ステロイド薬は副鼻腔炎に効果があるか

 

【結果】

プライマリアウトカムに特異的なHRQLを評価するRhinosinusitis Outcome Measures-31(RSOM-31)を使用した研究は、ポリープのない20人の成人患者に対しての1研究のみであり、有意差を示さなかった(エビデンスレベル非常に低い)。

セカンダリアウトカムである重症度に関しては、ポリープのない134人に対し、Chronic Sinusitis Surveyを使用して評価されたが、明らかな差を認めなかった(平均差[MD] 2.84、95%信頼区間[CI] -5.02〜10.70; 0〜100スケール)

一方、別の報告では鼻ポリープを伴う慢性鼻副鼻腔炎患者109人を評価し、鼻腔内ステロイド群で有意に改善することを報告した(RR 2.78、95%CI 1.76〜4.40)

EPOS基準の全4つの症状(それぞれ0〜3スケール)で評価された2研究(243人)では、ベースラインからのMDの変化は平均 -0.26(95%CI -0.37〜-0.15)だった。

鼻閉塞と鼻漏だけを考慮した6研究(1702人)場合は、MD -0.31(95%CI-0.38〜-0.24)であり、嗅覚低下を考慮した4研究(1345人)もMDは同程度だった。

個々の症状に対する効果は、鼻漏(MD-0.25、95%CI-0.33〜-0.17; 1702人; 6研究)、嗅覚(MD-0.19、95%CI-0.28〜-0.11; 1345人; 4研究)より、鼻閉塞(MD-0.40、95%CI-0.52〜-0.29; 1702人; 6研究)で大きかった。

鼻腔内ステロイドは、鼻出血のリスクを上昇させた(リスク比(RR)2.74、95%CI 1.88〜4.00; 2508人; 13研究)が、局所的な刺激のリスクは、不明だった(リスク比 0.94、95%CI 0.53〜1.64; 2124人; 11研究)。

 

【コメント】

慢性副鼻腔炎に対し、鼻腔内ステロイド薬は汎用されていますが、生活の質(QOL)に対しての情報はほとんどないとされています。 一方、症状に関しては、すべての症状を改善させるようで(エビデンスレベル低)、鼻閉に対しても中等度の有益性、鼻漏に対しての小さな有益性がある(エビデンスレベル中)とまとめられます

鼻出血のリスクは増加しますが(エビデンスレベル高)、鼻出血は患者さんにとっての主要な懸念にはならないのではないかとされていました。

 

 

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花粉の舌下免疫錠は効果はあるが十分ではない: システマティックレビュー&メタアナリシス

Di Bona D, et al., Efficacy of Grass Pollen Allergen Sublingual Immunotherapy Tablets for Seasonal Allergic Rhinoconjunctivitis: A Systematic Review and Meta-analysis. JAMA Intern Med 2015; 175:1301-9.

https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/26120825

 

 

P: EUと米国における季節性アレルギー性鼻炎(Seasonal allergic rhinoconjunctivitis ;SARC) に対し、花粉舌下錠を用いた舌下免疫療法(SLIT)を評価したランダム化比較試験 13件(4569人)

E: SLIT施行群

C: プラセボ群

O: 症状スコアと薬物スコアが改善するか


【結果】

症状スコアが標準平均差(SMD)-0.28; 95%信頼区間(CI) -0.37〜-0.19 (P<.001)の改善薬物スコアがSMD -0.24; 95%CI -0.31〜-0.17 (P<.001)改善した。

有害事象は、SLIT群 2259例のうち1384例(61.3%)、プラセボ群2279例のうちの477例(20.9%)で認められ、SLIT群のうち7例は、アドレナリンを必要とする有害事象が発生した。

 

【コメント】

舌下免疫(SLIT)錠は、欧州では2009年9月26日に特異的免疫療法の投与経路として認可され、米国では2014年4月1日に米国食品医薬品局(FDA)により5種花粉舌下錠として認可されました。

本邦では、ダニに対するSLIT錠が認可されています(スギは液剤です)。

効果は明らかなのですが、今回のシステマティックレビューでは、季節性アレルギー性鼻炎患者の症状改善や薬物(抗ヒスタミン剤とコルチコステロイド)使用を減少させるには、花粉舌下錠の有効性は十分ではないと評価されていましたそのため、SLITの有益性と簡便さは、実施するのに充分な理由とはならないかもしれないとされていました。また、SLITの効果が高い患者を同定する因子を特定する更なる研究が必要であるとされています。

個人的には長期の使用などに関しての検討もさらに要するように思います。

 

 

 

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季節性アレルギー性鼻炎に対する点鼻ステロイド薬は、症状があるときのみでも良いかもしれない: ランダム化比較試験

Wartna JB, et al. Symptomatic treatment of pollen-related allergic rhinoconjunctivitis in children: randomized controlled trial. Allergy 2016.[Epub ahead of print]

https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/27696447

 


今回は、小児の季節性アレルギー性鼻炎(オランダのデータですのでスギ花粉ではありません)に対し、鼻噴霧ステロイド薬の使用方法を連日がいいのか屯用でいいのかを比較した研究です。


 

P: 季節性花粉に対するアレルギー性鼻炎(AR)のある6-18歳の小児150人

E: プロピオン酸フルチカゾン 12歳未満 100mcg/日、12歳以上 200mcg/日

 (点鼻ステロイド薬;INCS=本邦での商品名フルナーゼ)連日 50人

C1: プロピオン酸フルチカゾン点鼻屯用 52人

C2:レボセチリジン 5mg/日(経口抗ヒスタミン剤=本邦での商品名ザイザル)内服屯用 48人

O: 花粉飛散時期3か月間の無症状日数率

 

【結果】

リクルートされる季節性アレルギー性鼻炎(AR)患者は、前年に同診断があり、AR関連の薬剤の投与歴があり、花粉関連の特異的IgE抗体価クラス2以上もしくは皮膚プリックテストの径3 mm以上、前年のAR症状スコアが21点中7点以上とした。

点鼻ステロイド薬(INCS)連日群の消費された薬物重量に基づくアドヒアランスは71%と良好だった。

無症状日数の割合(%)は、INCS屯用群 30%、INCS連日 22%であり、差は8%(95%CI -5〜+21%; 有意差なし)だった。

抗ヒスタミン薬屯用群は無症状日数割合 15%であり、INCS連日との差が7%(95%CI -6〜+19%; 有意差なし)だった。

INCS屯用群は、平均してINCS連日群より、フルチカゾン使用量が61%少なく(p < 0.0001)、INCS連日群はフルチカゾンを平均23.1ml(±257噴霧)使用し、INCS屯用群はfluticasoneを平均9.1ml(±102噴霧)使用した。

 

【コメント】

過去、60名の成人に対する点鼻ステロイド薬(INCS)連日群と屯用群の差をみて、INCS連日群がより症状スコアを低下させたという報告があるようです(Juniper EF, Journal of Allergy and Clinical Immunology 1990;86(3, Part 1):380-386.https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/2212409)。

しかし、小児を対象とした今回の報告は、花粉飛散時期の無症状日数に対し、INCS連日投与は、INCS屯用もしくは内服抗ヒスタミン剤屯用と効果に差がないこととなり、季節性アレルギー性鼻炎の児に対するINCS屯用は、ステロイドの使用量やコストを減らす可能性がある、とまとめられます。

これまで毎日の使用が必要であると考えられていた理由のうちの1つは、INCSが有効性が最大になるまで3-36時間を要することであり、花粉関連ARの症状が、花粉暴露によって悪化してから使用されても、十分な効果が認められないことが危惧されるからです。しかし、本検討結果は2,3時間でその効果は現れるんだそうです。

とはいえ、今回の検討は海外の季節性アレルギー性鼻炎が対象であり、通年性(たとえば、ダニが原因)ARは結果が異なる可能性が十分ありますし、また、本邦のスギ花粉の結果ではないことには十分注意を要するでしょう。さらに、明らかな使用量に差があるとはいえ、屯用群も連日群に比較して半分近くの使用量であることを考えると、フルナーゼが1日2回の薬剤なのでおおむね1日1回くらいは使用していることになります。それだと確かに差は出にくいかもしれませんね。

 

 

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