スポンサーサイト

一定期間更新がないため広告を表示しています

■こんな記事も読まれています




■スポンサーリンク


ヌーカラは、好酸球性重症喘息による入院率を約半分にする: メタアナリシス

 

topic

 

 最近、生物学的製剤/分子標的薬ラッシュとなってきており、多くの領域の医療にパラダイムシフトをもたらしました。

 アレルギーの世界でも、オマリズマブ(商品名ゾレア)を皮切りに、治療が大きく変わろうとしています。

 今回は、抗IL-5製剤であるメポリズマブ(商品名ヌーカラ)のメタアナリシスをご紹介いたします。

 

P: PubMed と GSK Clinical Study Registerから抽出された重篤な好酸球性喘息患者を対象にmepolizumab(商品名ヌーカラ)で加療された4研究1388人
E: mepolizumab投与を少なくとも24週間
C: プラセボ
O: プライマリエンドポイント:入院が必要な増悪率、入院/救急室受診を必要とする増悪率

 

 結局、何を知りたい?

 ✅メポリズマブ(商品名ヌーカラ)が効果が、成人重症好酸球性喘息に効果があるかどうかを過去の報告をまとめて評価しようとしている。

 

結果

 

 本メタアナリシスの条件は、重篤な好酸球性喘息患者に対しmepolizumabを投与したプラセボ比較無作為化試験であり、mepolizumabを少なくとも6回投与を少なくとも24週間継続したすべての研究だった。
 4研究の患者は、重篤な喘息におけるATS( American Thoracic Society)の定義を満たした(高用量吸入ステロイド薬+セカンドコントローラ使用でも抑制できていない)。

 ベースラインの標準的な薬物に加え、mepolizumab静注(75mg、250mgもしくは750mg)mepolizumab皮下注(100mg)を約4週毎に投与された。
 それぞれの研究で、参加者はおおむね50歳で喘息罹病期間は17−24年だった。
 ベースラインの好酸球数は、すべての研究で概ね類似しており、230~350cells/mLだった。

 また、前年の重篤な増悪回数も概ね類似しており、平均2.9~5.5回だった。

 患者の36%は、研究開始時に定期的にステロイド薬を内服していた。
 ベースラインの肺機能は、予測FEV1と気管支拡張薬後のFEV1は、58%to78%から、68%to78%までさまざまだった。
 Mepolizumabは、プラセボと比較して、有意に入院リスク(relative rate[RR] 0.49; 95%CI、0.30-0.80; P = .004)と入院/救急室受診する増悪リスク(relative rate[RR] 0.49; 95%CI、0.33-0.73; P < .001)を低下させた
 1回以上の入院を経験した患者の比率が45%、入院and/or救急室受診が38%、有意に減少した。

 

 結局、何がわかった?

 ✅メポリズマブ(商品名ヌーカラ)は、入院リスクを49%に、救急受診リスクを49%に低下させた。

 

コメント

 

 MepolizumabはIL-5(主に好酸球性炎症を阻害する)に対するヒト化mAbで、重篤な好酸球性喘息患者の好酸球値を低下させることが示されています。
 Mepolizumabは、重篤な好酸球性喘息患者における入院を必要とする増悪や、救急室受診を、プラセボと比較してほぼ半分にしたとまとめられます。

 とはいえ、これは成人に関するデータですので、小児に関しては、まだこれからの検討を要すると思われます。

 

 今日のまとめ!

 ✅メポリズマブ(商品名ヌーカラ)は、重篤な好酸球性喘息患者の入院・救急室受診をおよそ半分にする。

 

■こんな記事も読まれています




■スポンサーリンク


抗コリン薬は、小児喘息に有効か?:ランダム化比較試験

 

topic

 

 久しぶりにweekdayの更新を一日とばしてしまいました。最近3週間ほど休息日が取れていない分、自分自身のパフォーマンスが発揮できていないようです、、

 さて、それはさておき、抗コリン薬は気管支拡張薬の一種でCOPDによく使われますが、小児にCOPDはほぼありません。しかし、喘息の追加治療として行われる場合があります(小児の保険適応はありませんが)。

 今回ご紹介するのは、抗コリン薬であるtiotropium(商品名スピリーバ)が、重症喘息児の呼吸機能を改善するかどうかをみた研究になります。

 まだEpub ahead of printですが、全文フリーで読めます。

 

P: 6~11歳の重症喘息小児401人
E1: tiotropium(商品名スピリーバ) 5μg(2.5μg×2puff)1日1回 12週間
E2: tiotropium(商品名スピリーバ) 2.5μg(2.5μg×1puff)1日1回 12週間
C: プラセボ 12週間
O: プライマリエンドポイント:投薬後3時間以内の最大FEV1
セカンダリエンドポイント:トラフFEV1

 

 結局、何を知りたい?

 ✅抗コリン薬吸入が、重症喘息児に対する追加治療として有効かどうかを知ろうとしている。

 

結果

 

 参加者は、下記の基準を満たした。
1) スクリーニング前の少なくとも4週間、1つ以上のコントローラ薬物(例えば、LABAまたはLTRA)を併用して継続した高用量ICSを使用しているが、2つ以上のコントローラ薬物(例えば、LABAおよび/またはLTRAおよび/または持続性テオフィリン)と併用して持続して中用量ICSを使用している。
2) スクリーニング前に、気管支拡張薬使用前の予測FEV1の60%〜90%を示す。
3) 200μgのサルブタモール(アルブテロール)を使用15〜30分後にFEV1が12%以上の可逆性を示す。
4) ランダム化のスクリーニング時にFEV1の変動が±30%以内である。
 プラセボと比較して、2.5μg群では効果に有意差がなかったものの、tiotropium 5μg群では、プライマリエンドポイントである、投薬後3時間以内の最大FEV1(5μg群 139mL[95%CI 75-203; P < .001]; 2.5μg群 35mL[95%CI -28〜99; P = .27])を改善した。

 また、セカンダリエンドポイントであるトラフFEV1も改善した(5μg群  87mL[95%CI、19-154; P = .01]; 2.5μg群 18mL[95%CI -48〜85; P = .59])
 tiotropiumの安全性と忍容性は、プラセボと同等だった。

 

 結局、何がわかった?

 ✅他の薬剤を使用している重症喘息児に、抗コリン薬であるスピリーバを1日5μg追加吸入すると呼吸機能が改善し、特に副作用も増えなかった。

 

コメント

 

 吸入ステロイド薬や長時間作動性気管支拡張薬(LABA)、抗ロイコトリエン拮抗薬(シングレアなど)を使用してもコントロール困難な児は時折見られます。

 治療の選択肢が増えることは助かりますが、先行したLABAに関しての安全性の決着も、ようやく最近ついたばかりです。

 

 

 使用しなければ喘息のコントロールがままならない患児もいらっしゃるのですが(ただし現状では本邦で小児に保険適応はありません)、安全性などに関し、今後も注意を払っていきたいと思っています。

 

 今日のまとめ

 ✅他の薬剤を使用している重症喘息児に、抗コリン薬であるスピリーバを追加治療するオプションがあるかもしれない。

 

■こんな記事も読まれています




■スポンサーリンク


抗ロイコトリエン拮抗薬は、成人喘息に有効か?

 

topic

 

 抗ロイコトリエン拮抗薬が喘息に有効かどうかというタイトルですが、「そりゃ効くでしょ」と思いますよね?

 それが、思ったよりメタアナリシスは少ないみたいで、今回インパクトファクターの高いJournalにメタアナリシスがでていたのを見つけたのでご紹介いたします。

 

P: 2015年6月までのMEDLINEやCochrane Central Registerに報告された対照をおいた、条件を満たした50試験
E1: 抗ロイコトリエン拮抗薬(LTRA) 
E2: LTRA+吸入ステロイド(ICS)
C: プラセボ
O: LTRAsの有益性や害は、プラセボより大きいか

 

 結局、何を知りたい?

 ✅抗ロイコトリエン拮抗薬が成人喘息に効果があるかどうかを多くの文献をまとめて確認しようとしている。

 

結果

 

 LTRAのみによる6試験の結果、LTRAは増悪のリスクを低下させることが示唆された(summary risk ratio[RR]= 0.60、95%CI 0.44-0.81)

 吸入ステロイド薬に追加したLTRAsの効果をみた4試験の結果は、増悪に対するsummary RRは 0.80(95%CI:0.60-1.07)であった。

 LTRAは単独の治療として、または、吸入ステロイド薬への追加治療として有意にFEV1を増加させた。

 LTRA単独治療のみ、予測FEV1 %は改善された。

 不都合なイベントの発生率は、介入群とコントロール群で同程度だった。

 アウトカムの定義や相違、バイアスが高いこと、試験の不均一性、選択バイアスの可能性などがLimitationであった。

 

 結局、何がわかった?

 ✅喘息に対し、抗ロイコトリエン拮抗薬は、単独では喘息増悪のリスクを6割にするが、吸入ステロイド薬への追加では改善の傾向はあるも統計的な差はなかった。

 

コメント

 

 単独療法としてのLTRAは、プラセボと比較して喘息コントロールを改善するとまとめられます。

 しかし、追加治療としての効果が不十分である可能性があるとも言えます。

 

 今日のまとめ!

 ✅抗ロイコトリエン拮抗薬(シングレアやオノンなど)は、成人・思春期の喘息に有効であるが、吸入ステロイド薬への追加効果は明らかではない。

 

■こんな記事も読まれています




■スポンサーリンク


オマリズマブ(ゾレア)の喘息予防効果は、次年度も続くのか?

 

topic

 

これまで、オマリズマブ(商品名ゾレア)で軽減した食物アレルギーは、中止すると再燃するかもしれないという報告や、オマリズマブ(ゾレア)はアトピー性皮膚炎に効果があるか?と言う報告をご紹介してきました。

■ 本来はゾレアは食物アレルギーやアトピー性皮膚炎ではなく喘息に使われ、本邦でも保険適応となっています。そして特に秋の発作(1年の中で最も発作が多い)を減らすことがわかっています。

■ では、ある年に投与されたゾレアの効果は、次のシーズンまで効果が続くのでしょうか。

 

P: 重篤な喘息増悪の既往歴のある児で、オマリズマブで冬季の喘息発作の抑制が見られるかどうかをみたランダム化比較試験に参加した小児27人(年齢6-15歳[平均11.45±2.99歳];男児14人)
E: オマリズマブの治療期間の冬季
C: オマリズマブの治療期間の次年度の冬季
O: オマリズマブは次年度まで効果が持続するか

 

結果

 

■ すべての小児はエアロアレルゲンに感作されており、平均7.7年間、喘息に罹患していた。

■ ベースライン時の総IgE値にもとづき、オマリズマブ(n = 14)もしくはプラセボ(n = 13)を5ヵ月間投与されていた。

■ 25人の小児は研究治療を完了し、22人は追跡調査を完了した。

■ プラセボ群におけるインシデント率(6例)は、オマリズマブ群(1例)より10.8倍多いと見積もられた(P = .024)

■ 初回の重篤な増悪までの時間は、オマリズマブ群でより長った(平均、240.5日[SD 87.9日]対107.0日[SD 115.9日]; P = .08)。

■ しかし、次年度の追跡調査期間では、重篤な増悪率の差は変化しなかった(インシデント率 0.45; P = .45)

 

コメント


■ 秋季のウイルス感染期間の喘息増悪に関してオマリズマブ(ゾレア)の効果はすでに報告されています(N Engl J Med 2011;364:1005-15.)。

■ 上で述べた食物アレルギーを抑える効果と同様に、オマリズマブの喘息予防効果は明らかですが、その効果は次のシーズン(冬)までは続かないとまとめられるでしょう。

 

■こんな記事も読まれています




■スポンサーリンク


気管支喘息に対する環境整備は、治療薬を減少させるか?: ランダム化比較試験

DiMango E, et al. Individualized Household Allergen Intervention Lowers Allergen Level But Not Asthma Medication Use: A Randomized Controlled Trial. J Allergy Clin Immunol Pract 2016; 4:671-9.e4.

https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/27025297

 


気管支喘息患者さんは、多くがダニに感作されており、環境整備が勧められています。

とはいえ、環境整備の気管支喘息に対する効果を検討したランダム化比較試験は多くはありませんでした。


 

P: 喘息コントローラ治療を受け、少なくとも1つの屋内アレルゲンに感作され曝露されているニューヨーク市に住む成人と小児

E: 家庭のアレルゲンを減少させるプログラムを個別的に介入をうけた125人小児56人と成人69人)

C: 虚偽の介入を受けた122人(小児54人と成人68人)

O: 40週後の薬物治療のステップダウンに差があるか

 

 

結果

 

環境の評価は、まず受動喫煙の曝露、ペットのあるなしと数、リビング・台所・寝室・バスルームの状況を視覚的に評価し記録された。

掃除機で吸引したハウスダスト検体をベッドと寝室の床、台所から採取した。

喘息のコントロールは、喘息症状の有症状日数、臨時の薬物使用日数、定期受診前2週間の夜間症状、FEV1にもとづき評価した。

介入群に対し、カウンセラーは、アレルゲンを減少させるために必要とされる道具(例えば、マットレスカバー、清掃製品、掃除機[エレクトロラックス]、モップ[Swiffer WetJet]、HEPAフィルター空気清浄器[Orek])を提供して介入した。さらに18週。32週にも介入した。

コントロール群は、アレルゲン回避の説明をせず、喘息と無関係な介入(例えば、ウインドウ・ガード)を行った。

20週と36週に、すべての被験者に対し集塵が行われた。

介入群は、すべてのアレルゲンレベル(寝室のネコ・イヌ・ダニアレルゲン、台所と寝室のゴキブリとネズミアレルゲン)を有意に低下した。

対照群は、寝室のダニとネズミアレルゲンと台所のゴキブリアレルゲンが低下した。

介入群は、National Asthma Education Prevention Programにおける治療ステップ4.4から3.50(範囲0-6)まで低下し、コントロール群は、ステップ4.4から3.4まで低下し、有意差は認められなかった(P=.76)

 

 

コメント

 

特に先進国において屋内アレルゲンに対する曝露は、喘息症状の主な誘因です。

しかし、今回の研究結果は、アレルゲン回避の方法では、すでに最適なコントローラ治療を受けている患者における喘息薬物治療のステップを低下させなかったとまとめられます。

ただ、この結果を本邦でも適応できるかどうかはわかりません

この研究では環境中のダニの量が、明らかに本邦より少ないことがあげられます。 例えばベースラインでのダニアレルゲン量(Der  f1)がコントロール群0.06μg/g (0.05-0.08) 、介入群0.07 μg/g(0.06-0.09) です。

また、”有意に減少した”とは言え、最も多いアレルゲンである台所のゴキブリアレルゲンBla g 2 ですら介入群で0.73μg/g (0.48-1.11) から 0.30μg/g (0.21-0.44)に減少に過ぎません

現実的には環境整備により薬物の減量が出来ている場合も多く、まだこの論文から結果を決めることは出来ないと思います。

一方で、”環境整備の難しさ”を示した結果とも言えるでしょう。

 

 

Continue Reading

■こんな記事も読まれています




■スポンサーリンク