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食物アレルギーの予後: レビュー

Savage J, Sicherer S, Wood R. The Natural History of Food Allergy. J Allergy Clin Immunol Pract 2016; 4:196-203; quiz 4.

http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/26968958

 


以前、鶏卵(http://pedallergy.jugem.jp/?eid=63)、牛乳アレルギー(http://pedallergy.jugem.jp/?eid=64)の予後に関しての報告をUPしました。

最近、鶏卵、牛乳、小麦、大豆といった多くの予後のデータがコホート研究で示されるようになり、「思ったより予後は悪いのではないか」とされるようになってきています。そのレビューです。


 

【まとめ】

小児のIgE依存性食物アレルギー(例えば乳と卵アレルギー)は、他の食物アレルギー(例えばピーナッツおよびナッツアレルギー)より、より寛解しそうである。しかし、残念ながら最近の研究は、過去の数十年の研究の印象と比較すると、寛解が遅くなる可能性があることを示唆している。

臨床医は、アレルギーの疫学についての知識を得ることで、患者の寛解への転帰を考える必要があり、個々の患者の食物アレルギーの自然経過を評価し、予測する能力は必須である。

そして、最近の研究は、乳児期の予後の指標を特定してきている。

 

【乳】 乳特異的IgE抗体価>50kUA/Lの児は18歳までにわずか60%しか寛解しない。ピーク時の特異的IgE抗体価は耐性獲得に逆相関する。十分に加熱した乳は、生牛乳に対する耐性を高め、予後を改善することを示唆する。

【鶏卵】 特異的IgE抗体価>50kUA/Lの児は18歳までの寛解のチャンスが低いことが示唆され、ピーク時の特異的IgE抗体価は耐性獲得に逆相関する。やはり十分に加熱した卵は、生卵に対する耐性を高める可能性がある、

【ピーナッツ】 1歳でピーナッツ特異的IgE抗体価>5kUA/Lは、4歳で寛解しない可能性が高いことを示唆する。また、ピーナッツ特異的IgE抗体価>3kUA/Lは、8歳前に寛解しそうにないことを示唆する。 

【小麦】 小麦特異的IgE抗体価高値は、寛解を阻害しない。しかし、ピーク時の小麦特異的IgE抗体価>50kUA/Lは、耐性獲得がより緩徐である。

【大豆】 ピーク時の大豆特異的IgE抗体価>50kUA/Lは、6歳までの低い寛解の可能性を示唆する。

【ナッツ】 2種類以上のナッツアレルギーは、予後不良を示唆する。

 

鶏卵、卵に関して、診断時の特異的IgE抗体価と寛解の予測のための計算はhttp://cofargroup.org/を参照できる。

 

 

図は論文より引用。

A 乳

B 鶏卵

C 大豆

D 小麦

 

それぞれ、特異的IgE抗体価高値であると寛解率が低いことが示されている。

 

 

【コメント】

上の図の横軸は月齢ではなく年齢です。思った以上に寛解は少ないと思われるでしょう。

よく言われている「3歳までに寛解」は、あくまでピーク時の特異的IgE抗体価が低値の児に限られるといえるかもしれません。

もちろん、食物経口負荷試験や、経口免疫療法が予後を大きく変える可能性はあります。

また、寛解予測の計算が上記のURLから参照できますので参考にしていただければと思います(もちろん英語ですが)。

 

 

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