スポンサーサイト

一定期間更新がないため広告を表示しています

■こんな記事も読まれています




■スポンサーリンク


微生物群は喘息予防の切り札になるかもしれない: レビュー

von Mutius E. The microbial environment and its influence on asthma prevention in early life. J Allergy Clin Immunol 2016; 137:680-9.

https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/26806048

 


久しぶりに土曜日に論文のUPをいたしますが、レビューの抄録のみです。

この論文は全文がフリーで閲覧でき、まとめのFigureを下に抜粋させていただきます。

この分野での権威であるErika von Mutius先生のレビューになります。


 

【まとめ】

環境中のマイクロバイオームが喘息発症の防御に働くことを示唆するエビデンスは増加している。

微生物による環境(農場の児やアーミッシュ)に強く曝露されている集団において喘息罹患率が非常に低いことは、その予防の可能性を強調している。

微生物の多様性は、安定した免疫応答を構築したり、環境要素(例えばアレルゲン、粒子、ウイルス)を吸入したり摂取することで炎症反応を調整したりするのに必要なのかもしれない。

免疫の成熟に重要な腸内マイクロバイオームや体外環境中のマイクロバイオームは若年時に皮膚・気道粘膜表面・潜在的には腸でも免疫応答を形成する可能性がある。

体外の微生物の多様性は、喘息発症に導いている多くの経路を、全てではないにしても、多くを相殺する。同様に、喘息の重要な誘因(例えば乳幼児期のアレルゲン感作とアレルギー症状)は抑制される。

このように、微生物とそれらの生成物・代謝産物が標的とする胎盤免疫は、喘息やアレルギー防御に対するマスタースイッチになるかもしれない。

 

論文より

農場などの微生物にさらされることで、粘膜上や皮膚、腸管のマイクロバイオームに影響し、喘息やアトピーの罹患を減らすかもしれない。

【クリックで拡大】

 

 

 

【コメント】

以前、アーミッシュの方々に喘息が少ないという報告をUPいたしました(http://pedallergy.jugem.jp/?eid=185)。

その論文では、喘息が遺伝要因より環境因子が大きく関与していることを示唆していると結論されていました。では、伝統的な生活が良かった、になるのでしょうか?

米国では麻疹根絶が宣言されているにも関わらず、アーミッシュの方々を狙ったかのように麻疹に罹患するという報告が、最近NEJMにありました(https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/27705270)。微生物に曝露されるということは一方で感染症の危機にさらされるということでもあります。平均余命が増加した大きな部分は、新生児死亡(感染症に起因する部分が大きい)が減ったことも大きな要因ですから、ただマイクロバイオームに晒されればよいというのは難しい側面があります。

(もちろん、アーミッシュの方々の家屋が汚いわけではありません。あくまで”微生物へ晒されること”のベネフィットもリスクもあるということです。)

一方、生後12か月以内の抗生剤投与は、その後の食物アレルギー発症に関連するという報告を以前ご紹介いたしました(http://pedallergy.jugem.jp/?eid=149)が、余分な抗生剤投与を減らす努力と過剰な清潔信仰を見直す時期が来ているのではないかと思います。

 

■こんな記事も読まれています




■スポンサーリンク


スポンサーサイト

■こんな記事も読まれています




■スポンサーリンク


Comments

Leave a Reply




Trackbacks

Trackback URL