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卵早期摂取は、卵アレルギー予防に効果がない (HEAPスタディ): ランダム化比較試験

Bellach J, et al. Randomized placebo-controlled trial of hen's egg consumption for primary prevention in infants. J Allergy Clin Immunol 2016.[Epub ahead of print]

https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/27523961

 


本日と明日、”卵早期摂取によって卵アレルギーが予防できるか"というランダム化比較試験を2件提示させていただきます。

2本とも米国免疫アレルギー学会雑誌(J Allergy Clin Immunol)への報告ですが、それぞれドイツ、オーストラリアからの検討結果です。

本日は、”効果がない”という結果、明日は”卵アレルギーの予防効果は不十分だったが、感作は減らす”という結果(http://pedallergy.jugem.jp/?eid=208)にまとめられます。なお、本邦からの報告が近日中に発表予定であり、”卵アレルギーの予防に効果がある”という結果で、すでに学会では報告されています(http://search.proquest.com/openview/34385372fa7bcf7f607f1c38dc582ce2/1?pq-origsite=gscholar&cbl=105664)。さらに、最近行われたJAMAでのシステマティックレビューでは、卵の早期摂取開始には有益性があるとしており、当ブログでもご紹介いたしました(http://pedallergy.jugem.jp/?eid=187)。

本邦からの結果は、論文の形で発表されたら、是非読んでみたいと思っています。


 

P: 生後4-6ヶ月の乳児 383人

E: 卵粉末 蛋白重量2.5g(=1/3個卵相当) 週3回摂取 199人

C: プラセボ(米粉)週3回摂取 184人

O: プライマリアウトカム:生後12ヶ月での卵感作率

  セカンダリアウトカム: 生後12ヶ月での卵アレルギー(鶏卵蛋白7gの乾燥粉末負荷試験で確定)

 

【結果】

406人中23人(5.7%)はランダム化前に卵白特異的IgE抗体価陽性であり、鶏卵感作のリスクファクターは、帝王切開と湿疹だった。それら23人中17人が二重盲検プラセボ対照食物負荷試験を受け、16人はアレルギー症状が確認され、さらに11名はアナフィラキシー反応を呈した。

研究中のアレルギー症状は、卵摂取群の7.1%(13/184)対プラセボ群0.5%(1/199)であり、有意差が認められた(P = .001)。粉末摂取のコンプライアンスは、両群間に有意差はなかった(卵摂取群80.3%、プラセボ群83.9%(P =.45))。

生後12ヵ月で、卵白摂取群の5.6%、プラセボ群の2.6%は卵白感作が認められ、相対危険度は2.20 (95%CI 0.68-7.14; P = .24)だった。

また、12ヶ月時の鶏卵アレルギー率は、卵白摂取群2.1%、プラセボ群で0.6%で相対危険度 3.30 (95%CI 0.35-31.32; P = .35)だった。

 

【コメント】

本研究はHen’s Egg Allergy Prevention (HEAP) 研究という、結果が期待されていた研究ですが、生後4〜6ヵ月からの卵摂取は、卵アレルギーの予防効果はなく安全性も十分ではないと結論されています。

先行したピーナッツ早期摂取による予防研究であるLEAP試験が、ピーナッツ早期導入がピーナッツアレルギー予防するという結果を示した(http://pedallergy.jugem.jp/?eid=23)ことと対照的です。

また、卵早期導入に関するオーストラリアにおけるSTAR研究は、リスクが高いことが判明し、途中で試験中止となっています(http://pedallergy.jugem.jp/?eid=70)。

では、卵早期導入は、危険で効果がないのでしょうか。

まず、明日、別の研究の結果で生後4ヶ月からの早期導入の結果を提示いたします(http://pedallergy.jugem.jp/?eid=208)。そちらは”感作を予防する”という結果になっています。さらに、すでに本邦での研究結果で、”卵早期導入が卵アレルギーを予防できる”という結果が判明しており、近日中に発表される予定だそうです(http://search.proquest.com/openview/34385372fa7bcf7f607f1c38dc582ce2/1?pq-origsite=gscholar&cbl=105664)。

おそらく、それぞれの検討手法を十分検討し、”効果が高く安全な方法”を探求する必要性が出てくるであろうと思われます。

 

 

2016/10/26現在、食物アレルギーガイドラインはプレミアム価格になってしまっています。値段が下がってからご購入いただくことをお勧めいたします。

でも、ガイドラインが新しくなったという情報を兼ねて、リンクを貼ります。

 

 

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Comments

  • 小児アレルギー科の備忘録
  • 2016/10/26 20:50
クラブツリーさま

温かいコメントをありがとうございます。
いずれ、患者さん向けのまとめもして行きたいと思っていますが、なかなか時間が取れずに実行できないでいます。
ゆっくり続けて参りますので、今後ともよろしくお願いいたします。
  • クラブツリー
  • 2016/10/26 16:58
アレルギー体質の子供を持つ親として、一言お礼を申し上げます。知識がない者にはなかなか簡単には手に入れられない有益な情報を本当にありがとうございます。

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