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アトピー性皮膚炎は、皮膚感染症以外の感染症のリスクも上げるかもしれない: 横断研究

Strom MA, Silverberg JI. Association between atopic dermatitis and extracutaneous infections in US adults. Br J Dermatol 2016. [Epub ahead of print]

https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/27125261

 


アトピー性皮膚炎が、皮膚感染症のリスクになることはすでに報告があります。

しかし、皮膚感染症以外の感染症のリスクも増加させるとの報告が、小児に関しては既に同グループから報告されていました(   Silverberg JI, et al., J Allergy Clin Immunol 2014; 133:1041-7.https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/24094542)。では、成人ではどうでしょうか。


 

P: 2012年National Health Interview Survey (NHIS)における18歳以上の成人34613人

E: 過去1年間にアトピー性皮膚炎の既往がある人

C: 過去1年間にアトピー性皮膚炎の既往がない人

O: 皮膚以外の感染リスクを増やすか

 

【結果】

コンピュータシステムを使用して、400人の訓練されたインタビュアーによってそれぞれの家庭を調査され、1家庭ごと成人1人がランダムに選択された。

感染症は、インフルエンザ/肺炎、溶連菌性咽頭炎、副鼻腔炎、風邪、発熱、胃腸炎、水痘、肝炎、他の感染症に関して調査された。

アトピー性皮膚炎と他の併発したアレルギー疾患があるかないか、感染症の数の関連も調査された。

多変量モデルは、年齢、性別、人種/民族、世帯収入、家族の最終教育レベル、出身地、保険カバー範囲、ヘルスケア訪問数、喘息・花粉症・食物アレルギーの既往、予防接種(インフルエンザ、肺炎、A型肝炎、B型肝炎)で調整された。

多変量解析で、アトピー性皮膚炎のみに罹患している成人は、1種類の感染症(オッズ比 [OR] 1.62、95%信頼区間[CI] 1.22-2.16)、2種類の感染症(OR 2.36、95%CI 1.78-3.13)、3種類の感染症(OR 2.67、95%CI 1.93-3.69)と有意に関連しており、さらに、4種類以上の感染症に最も関連していた(OR 2.78、95%CI 1.82-4.24)

アトピー性皮膚炎以外のアレルギー疾患にも罹患している成人は、アトピー性皮膚炎のみの成人と比較して2種類の感染症(OR 3.11、95%CI 1.99-4.87)、3種類の感染症(OR 6.96、95%CI 4.40-11.03)、4種類の感染症(OR 17.34、95%CI 10.45-28.76)とさらに高いリスクとなった。

 

【コメント】

アトピー性皮膚炎は、皮膚感染症以外の感染症のリスクをあげる可能性があり、しかも他のアレルギー疾患を併発しているとさらにそのリスクは増える、とまとめられます。

アトピー性皮膚炎は、膿痂疹(+黄色ブドウ球菌のコロニー形成)、伝染性軟属腫、ヘルペス性皮膚炎といった皮膚感染症を発症しやすくなることはよく知られています。この論文では、アトピー性皮膚炎は免疫システムに異常をきたしやすくなり、他の感染症も増やすのではないかという仮説のもと、実施された横断研究となります。

アトピー性皮膚炎の患者さんには、皮膚以外の感染症が多いという印象を強く持つというわけではないのですが、それはアトピー性皮膚炎の患者さんを多くみているぶん、逆に認識できにくくなっているのかもしれません。そう言えば、私はアレルギー疾患以外には感染症の論文を読むことが多く、もしかすると感染症のお子さんも確率高く診ているぶん感染症の問題を抱えるお子さんを診る事が多くなって、無意識に読むことが増えているのかもしれないなと思いました。

 

 

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