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アトピー性皮膚炎治療に対し、入浴頻度は重要か?: レビュー

Cardona ID, Stillman L, Jain N. Does bathing frequency matter in pediatric atopic dermatitis? Ann Allergy Asthma Immunol 2016; 117:9-13.

https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/27371966

 


昨日、アトピー性皮膚炎児の入浴頻度を、専門医は毎日の入浴を推奨し、プライマリ・ケア医は推奨しない: ウェブベースの横断研究(http://pedallergy.jugem.jp/?eid=235)をUPしました。

その研究を含むレビューがあったのでご紹介します。全文をフリーで閲覧可能です(https://www.researchgate.net/profile/Ivan_Cardona/publication/304633719_Does_bathing_frequency_matter_in_pediatric_atopic_dermatitis/links/577c3ea108aec3b74336710a.pdf)が、レビューですので一部のみの和訳にとどめ、コメントを述べさせていただきます。


 

アトピー性皮膚炎(AD)の入浴回数に関する臨床的役割について、100年以上議論が続けられている。

プライマリケア医はより少ない入浴回数を推奨するが、アレルギー専門医と小児皮膚科医は毎日の入浴を推奨しており、AD患児の保護者は、そのアドバイスに混乱し不満を持っているという報告がある(http://pedallergy.jugem.jp/?eid=235)。入浴回数の混乱は、水が皮膚に対し、益も害も起こしうるパラドックスから発生する。

 

 

頻回の入浴を勧めないことを支持する報告

 

アトピー性皮膚炎(AD)が乾燥によって特徴づけられるため、多くの臨床医は水を避けることが皮膚の刺激を減らし、水分蒸散を増加させない適切な方法であると考えている。

頻繁な入浴は洗剤の濫用としばしば関連しており、角質層pHを増加させ皮膚バリア破壊に関与する可能性がある。

保湿剤の塗布なく入浴する習慣は皮膚乾燥を悪化させる可能性があり、ADを悪化させる可能性がある因子は、他に、高温のお湯、皮膚に対する過剰なタオルドライもしくは手洗いによる身体的な刺激が挙げられる。

 

 

頻回の入浴回数に対する意見

 

頻繁な入浴方法を支持する臨床医は、pHバランスのよい洗剤の制限した使用と、やさしく押し拭きをし、すみやかな保湿剤の塗布(水分を”封入”する)を指導する。

実際に、経皮的水分蒸散量(TEWL)、角質層の増加した皮膚プロテアーゼ活性、セラミド欠損、フィラグリン欠損といった皮膚バリア障害に対する理解が進歩し、頻繁な入浴を正当化する理由となっている。

 

 

ガイドラインの推奨

 

2009年(2012年に改訂)されたヨーロッパのガイドラインでは、「入浴は非常に重要なようだが、不可欠であるということを証明するエビデンスは不十分である」とし、入浴回数のコメントはせず、5分の短時間の入浴・最後の2分でバスオイルを使用して軽く押し拭きをし、すみやかに保湿剤を塗布することを推奨した。

2007年の英国ガイドライン、2013年のアジア太平洋ガイドラインも入浴頻度にコメントしなかった。

2009年の日本のガイドラインも、定期的な皮膚治療のための入浴頻度に言及しなかったが、増悪時は入浴の後ステロイド外用を1日2回塗布することを勧めた。

米国免疫アレルギー学会は、入浴後少なくとも10分(20分まで)に保湿剤塗布を推奨したが、入浴回数には言及しなかった。

米国皮膚科学会は、”入浴時間や頻度に基準はない”とし、5-10分の1日1回の入浴を推奨した。

 

希釈ブリーチ入浴が、頻繁な細菌感染症を伴う中等度から重度の疾患の場合には有効であることが示唆されたが、最近の研究では、プラセボと有意差はないことも示されている。

最近、入浴に関して介入研究と観察研究を調査したメタアナリシスが実施されたが、頻回の入浴に有益性も有害性も認められなかった。

 

 

これからの研究

 

これらの研究のlimitationを考慮すると、多くの無作為化制御試験が実施されることが望まれ、前向きで相当な検体数でシングルブラインドの研究でなければならず、望ましくは一人の医療者が重症度を評価しなければならない。

また、クロスオーバー法が望ましく、保湿剤の使用方法もコントロールされなければならない。

抗炎症外用薬が使用されるなら、すべての被験者のために同じでなければならず、効力がlowもしくはmildランクでなければならない。

主要エンドポイントはAD重症度といった臨床指標(例えばSCORAD)でなければならない。

副次的エンドポイントは、生活の質、皮膚水分量、黄色ブドウ球菌コロニー形成を含むかもしれない。

 

 

コメント

 

入浴頻度に関し、まだ結論が出ていないと考えて良さそうです。

昨日もコメントしましたが(http://pedallergy.jugem.jp/?eid=235)、私は入浴頻度に関して、入浴もしくはシャワー後の保湿は必ず塗布していただくことを前提条件として、アトピー性皮膚炎の治療開始からの期間・重症度・気候・病期に応じて指導する必要性があると考えています。ですので、画一的に「入浴頻回はダメ」とか、「入浴しなきゃダメ」といった指導すること自体が難しく、患児ごとに指導しなければならないと思っています。

論文の最後に、将来の研究に対する提言がなされていたのが印象的でした。私も、この入浴頻度に関する研究はもっと必要であろうと考えています。

 

 

* 2016/11/27 フォーマットを修正しました。

 

 

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