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エビデンスに基づくアトピー性皮膚炎治療は?

 

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 アトピー性皮膚炎に対する治療は、必ずしもエビデンスが十分カバーできている領域ばかりではありません。

 今回ご紹介する報告は、すでに先行して2000年に行われた報告があるのですが、それ以降の報告を集めてシステマティックレビューとして報告したものです。

 

P: 2015年12月までのPubMed, Embase, the Cochrane Library and NHS Evidenceを検索して抽出された、アトピー性皮膚炎治療に関するRCT 22件
E: 各種治療

 (i) ステロイドや免疫抑制剤外用
 (ii) 保湿剤や他の外用剤(入浴添加物や油を含む)
 (iii) 抗生物質(抗菌薬、消毒剤、抗真菌薬)
 (iv) 抗ヒスタミン剤、マスト細胞安定化薬
 (v) 食事介入(プロバイオティクス、必須脂肪酸、ビタミン、牛乳の代用乳);
 (vi) 非薬理学的介入(AE治療を提供する教育、心理的治療法、アレルゲン回避や再導入、医療器具)
 (vii) 光線療法
 (viii) 全身性免疫抑制薬
 (ix) 補完的な治療(ホメオパシー、アロマ療法、催眠療法、漢方薬、セントジョンワート、鍼、温泉治療、リラクゼーション)

C: プラセボ
O: アトピー性皮膚炎の症状・重症度・QOL・副作用に有益性がある治療法はなにか

 

 結局、何を知りたい?

 ✅アトピー性皮膚炎の治療に関し、質の高いランダム化比較試験を集めて、エビデンスが十分かどうかを確認しようとしている。

 

結果

 

 2000年以降、新規の研究として287件が同定されたが、バイアスが低いと考えられた報告は22件だった。
 そのうち14の研究は、有益性に合理的なエビデンスを持つと考えられ、ステロイド外用、カルシニュリン抑制剤外用、Atopiclair保湿剤、シクロスポリン、アザチオプリン、紫外線放射、教育プログラムに有益性が認められた
 一方、9つの介入試験は、有益性に対する十分なエビデンスがないことを示唆し、食事介入、イオン交換硬水軟化剤、ステロイド外用の1日複数回使用、抗生物質含有ステロイド外用には有益性は認められなかった
 一般的に行われているプラクティス(ステロイド外用の希釈、ステロイド外用と皮膚保湿剤使用の順序、包帯(亜鉛またはイクタモールを包帯に塗る)、さまざまな入浴習慣(消毒薬ではない入浴添加物、石鹸回避、入浴の頻度)、ルーチンのアレルギー検査に引き続くアレルゲン回避や再導入)におけるRCTのエビデンスがないことが示された。

 

 現在、RCTのエビデンスがない領域は下記の通り。
・アレルギー検査は、アトピー性皮膚炎治療にどんな役割を果たすのか?
・アトピー性皮膚炎患者の最善の洗浄方法はなにか?.
・アトピー性皮膚炎の治療において、最初に使用されるのは皮膚保湿剤なのかステロイド外用なのか?

 

 RCTのエビデンスが限定されている領域は下記の通り。
・アトピー性皮膚炎の対するステロイド外用薬の最善のおよび最も安全な方法は?
・アトピー性皮膚炎に対するステロイド外用薬の長期の安全性は?.
・どの皮膚保湿剤が最も効果的で安全か?
・かゆみ・ひっかきに対する最善の心理的治療は?
・皮膚に使用する最善・最も安全な「自然」製品は、何か?
・刺激物やアレルゲン回避は、アトピー性皮膚炎を改善させるか?.
・アトピー性皮膚炎の治療における食事の役割は(食事除去や栄養剤)?
・教育プログラム、一般開業医による治療、看護師主体の治療、多くの専門にわたるチームのの治療のうち、アトピー性皮膚炎の管理に効果的なのは?
・特にプロアクティブな紅斑予防のためにステロイド外用とカルシニュリン抑制剤のどちらがより安全で効果的か?
・皮膚感染を低下させる介入は、どれくらい効果的か?
・特に小児で免疫を抑制する薬を使用する最善のおよび最も安全な方法は?

 

 結局、何がわかった?

 ✅ステロイド外用、カルシニュリン抑制剤外用、Atopiclair保湿剤、シクロスポリン、アザチオプリン、紫外線放射、教育プログラムの有益性にはエビデンスがある。

✅食事介入、イオン交換硬水軟化剤、ステロイド外用の1日複数回使用、抗生物質含有ステロイド外用には有益性ないというエビデンスがある。

 

コメント

 

 思った以上に、アトピー性皮膚炎治療に対するエビデンスは不足していると言えましょう。

 しかし、”エビデンスがない”は、”効果がない”と同義ではなく、まだまだ明らかにしないといけない分野が多いことを示しています。

 また、”1日複数回のステロイド外用に効果があるというエビデンスがない”というのは、治療初期の複数回治療にエビデンスがないといっているのではありませんので念のため。

 なお、アトピー性皮膚炎に対する治療のエビデンス集として、”EBMとデータ集”が公開されています。やや古くなってきている印象もありますので、更新されることを希望しています。

 

 ”Atopiclair”というのは、海外の保湿剤のようです。Amazonで調べたら、下記のものがでてきましたが、とってもお高いですので、他の保湿剤をおすすめします

 今日のまとめ

 ✅アトピー性皮膚炎治療に関し、ステロイド外用・カルシニュリン抑制剤外用・Atopiclair保湿剤・シクロスポリン・アザチオプリン・紫外線放射・教育プログラムには有益性が認められたが、エビデンスが不足している分野も多く残されている。

 

[補足] 市販の保湿剤に関しては、"それぞれに合うもの"で良いと思いますが、私が外来で患者さんに聞かれたときは、"セタフィル"や、"2e baby"や、"キュレル"をおすすめしています。しつこいですが、"合うもの”でよいので、これらはあくまで参考程度です。

 

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