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小児のペニシリンアレルギーにおける負荷試験陽性者の特徴

Mill C, et al. Assessing the Diagnostic Properties of a Graded Oral Provocation Challenge for the Diagnosis of Immediate and Nonimmediate Reactions to Amoxicillin in Children. JAMA Pediatr 2016. (in press) 

http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/27043788
 


薬物アレルギーは、外来で最も困るアレルギー分野のひとつではないでしょうか。
今回はペニシリンに対する薬物アレルギーの報告。



P: Montreal Children’s Hospitalにおいてアモキシシリン(ペニシリン)にアレルギーが疑われた818名
   年齢中央値、1.7歳、 男児53.9%
E: 臨床的特徴、疑わしい抗菌薬による治療歴、本人および第一親等の既往、アトピーと反応に対する加療歴
C: -
O: アモキシシリンの段階的負荷試験(PC)の陰性予測値および、即時型反応・非即時型反応の予測に関連している因子

【結果】
PCは、アモキシシリンの治療量(50mg/kg、max1.5g)の10%を投与後20分後に90%を投与し、少なくとも1時間経過観察した。
即時型反応陰性の場合は、メールや電話でいかなる有害事象も報告するように指示された。即時型反応陽性の場合は、2-3ヶ月にベンジルペニシリンとPRE-PENによる皮膚プリックテストと皮内反応を行った。

770例(94.1%)はPC)に耐性だった。
さらに、アモキシシリンの使用と経過を確認するために、3年間、家族と連絡した。
17例(2.1%)は軽度の即時型反応を呈し、31例(3.8%)は非即時型反応を呈した。
17例の即時型反応のうち、皮膚テスト陽性者は1名(5.9%)のみだった。

段階的に増量するPCは、100.0%(95%CI、90.9%-100.0%)の特異性、89.1%(95%CI、77.1%-95.5%)の陰性予測値、100.0%(95%CI、86.3%-100.0%)の陽性適中率を示した。
非即時型反応の中央時間は12時間(四分位5.0-36.0時間)であり、非即時型反応31名のうち9名はPCの24時間以上後に反応した。

暴露5分以内の反応歴は、PCに関して即時型反応に関係していた(補正オッズ比= 9.6; 95%CI、1.5-64.0)。
7日を超えて継続した発疹(補正オッズ比= 4.8; 95%CI、1.4-16.4)と、親の薬物誘発アレルギー既往歴(補正オッズ比= 3.0; 95%CI、1.3-6.8)は、PCに対する非即時型反応と関係していた。


【コメント】
薬物アレルギーは、外来のセッティングで最も難渋するアレルギー疾患のひとつ。
ペニシリンアレルギーがあると答えた成人に対して再度負荷試験を行ったところほとんど症状が再現できなかったという報告もありますが(J Allergy Clin Immunol Pract 2013; 1:258-63.)
、小児での大規模なデータはありませんでした。
本研究でもまた、ペニシリンアレルギーを疑っていても、90%以上耐性であったことになります。

一方、やはり皮膚検査の陽性率がとても低く、やはり臨床に直結するとはとても言えません。

負荷に関しては20分間隔で行っていたのが参考になりました。
自分自身では少々怖いので、もっと間隔を開けることが多いですが、20分間隔+1時間経過観察でいいのであれば、外来でも対応できるかもしれません。ただし、24時間以上経過してから非即時型反応が31名中9名起こっており、もし一泊入院で確認したとしても、その後に症状が出る場合もかなりあるということ。
皮膚試験が役に立たず、負荷試験も時間が経過してから症状が発現する場合があると考えると、薬物アレルギーが対応に難渋する疾患であることは変わりがないといえそうです。


どちらにせよ、ペニシリンのみではありますが、今後参考にするに値する素晴らしい研究であると思います。

 

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