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乳児期の水泳とライノウイルス感染は、喘鳴や細気管支炎のリスクを上げるかもしれない: コホート研究

Schuez-Havupalo L, et al. Association between infant swimming and rhinovirus-induced wheezing. Acta Paediatr 2014; 103:1153-8.

http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/25041066


最近、水泳と喘息の関連に関して調べています。その際に見つけた文献です。

これまで、水泳は喘息コントロールや増悪に影響せず、忍容性が高く、体力と肺機能を増加させる(http://pedallergy.jugem.jp/?eid=117)とか、頻回の水泳は喘息リスクを上げるかもしれない(http://pedallergy.jugem.jp/?eid=119)といった報告をUPしてきましたが、今回はライノウイルス感染を絡めて水泳が喘息と関連するかという報告です。


 

P: フィンランドにおける出生コホート研究に参加し生後17ヵ月までの乳児1827名のうち、水泳に関するデータを得た1038名、ウイルスに関する追跡データをを得た635名 

E: アンケートによる水泳の頻度、期間、年齢+PCRで検出したヒトライノウイルス(HRV)

C: -

O: 乳児期の水泳は喘鳴(細気管支炎と再発性喘鳴)と関連するか

 

【結果】

水泳をしている児45名/469名(9.6%)vs水泳をしていない児39/569(6.9%)は少なくとも1つの喘鳴疾患に罹患していた。そして、ライノウイルスは、水泳をしている児において11名/296名(3.7%)vs水泳をしていない児4名/339名(1.2%)の喘鳴に関連していた(p = 0.04)。

水泳は、細気管支炎のリスクをを調整オッズ比1.71(p = 0.05)、ライノウイルス関連の喘鳴リスクと調整オッズ比3.57(p = 0.06)関連した。

幼児期の水泳とライノウイルス関連の喘鳴は、アトピー性皮膚炎をもつ児によく認められた(p = 0.006)。

 

【コメント】

それに対し、今回の報告は乳児期の水泳は、ライノウイルスによる喘鳴疾患と関連があり、特にアトピー性乳児にある可能性があるとまとめられます。

乳児期のプール使用と喘息罹患率には明らかなエビデンスはないというメタアナリシスがあるようです(Goodman M, Hays S. Asthma and swimming: a meta-analysis. J Asthma 2008; 45: 639–47.)。

生後6か月以降の細気管支炎はライノウイルス(HRV)も原因になり、HRVは再発性喘鳴の発症に関連ししばしば検出されます。気道好酸球性炎症をもつ乳児はライノウイルス感染症により、喘鳴リスクが上がりますので、今回の結果は納得できる範囲といえるのではないでしょうか。

 

 

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頻回の水泳は喘息に悪影響かもしれない: コホート試験

水泳 喘息 予防 塩素Andersson M, et al., Swimming pool attendance is related to asthma among atopic school children: a population-based study. Environ Health 2015; 14:37.

http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/25890001

 


昨日紹介した論文は、水泳は喘息にいいかもしれないという報告。

今日は頻回にすると悪化に働くかもしれないという報告。

矛盾しているかもしれませんが、塩素濃度とも関連する可能性があります。最近の室内プールは塩素濃度を確認しながら最小限にコントロールしているらしいですので、問題が少なく、呼吸機能を改善させるかもしれません。


 

P: The second OLIN pediatric コホートに参加した2585名中の、アンケート調査に参加した11歳から12歳児 1866名、10種類の大気中アレルゲンの皮膚プリック試験を行った1652名(89%)

E: プール出席 ≧1回/週

C: プール出席 <1/週

O: 喘息の重症度に影響するか

 

【結果】

喘息・喘鳴の定義は、過去12ヵ月間の喘鳴(現在の喘鳴)、喘息用薬物の使用(現在の喘息治療)、医師に診断された喘息とし、「現在の喘息」は医師に診断された喘息に加え、「現在の喘鳴」もしくは「現在の薬物治療」とした。

現在の喘息罹患率は8.9%(10.0%の男児; 7.9%の女児)であり、14%は屋内プールの水泳参加≧1/週だった。

屋内プール水泳参加は、アレルゲン感作されている小児において、医師に診断された喘息と現在の喘息と有意に関連していた(それぞれオッズ比[OR] 1.93、95%信頼区間[CI] 1.13-3.31とOR 1.90、95%CI 1.09-3.32)。現在の喘鳴は、室内プール≧1回/週と関連していなかった(OR 1.16、95%CI 0.66-2.02)。

屋内プール水泳参加は、アレルゲン感作されていない児では、医師に診断された喘息、現在の喘息、現在の喘鳴に有意な関連は認められなかった(OR 1.04、95%CI 0.44-2.45、OR 0.84、95%CI 0.28-2.57、OR 0.83、95%CI 0.31-2.22)。

屋内プール水泳参加は、現在の鼻炎(OR 1.29、95%CI 0.94-1.77)または医師に診断された鼻炎(OR 1.05、95%CI 0.68-1.61)と関連していなかった。 また、屋内プール水泳と現在の湿疹(OR 0.88、95%CI 0.62-1.24)、または医師に診断された湿疹(OR 1.01、95%CI 0.69-1.48)と関連していなかった。

感作状態で層別化しても、屋内プール水泳と鼻炎、湿疹には有意な関連は認められなかった。

 

【コメント】

アレルゲン感作されている児において、週1回以上の屋内プール水泳が喘息リスクの増加に関連があるとまとめる事ができます。

一方、先行研究では断定できないとされているようです(Environ Health Perspect. 2009;117:500–7.)。 今後の研究として、trichloramines(消毒薬副産物(DBPs)の一種)や他の化学物質の測定が必要であると述べられていました。

 

 

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13歳時点の喘息は、幼児期のライノウイルス感染やアレルゲン感作と関係する: 出生コホート試験

喘息 原因 ライノウイルスRubner FJ, et al. Early life rhinovirus wheezing, allergic sensitization, and asthma risk at adolescence. J Allergy Clin Immunol 2016. [Epub ahead of print]

http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/27312820

 


ライノウイルスはいわゆる「鼻かぜ」の原因ウイルスですが、喘息発症や増悪に関与するという報告があります。

RSウイルスも喘鳴を来しやすく、RSウイルス免疫予防(予防接種)が4.5-6歳時の気管支喘息のリスクを減らすという報告があり(http://pedallergy.jugem.jp/?eid=50)、また、6歳時の喘息リスクを増加させるという報告もあります。

では、13歳までみていくとどうなるか?という報告です。


 

P:出生コホート研究であるCOASTスタディに参加した217人の小児

E: 3歳までのウイルス性喘鳴疾患の病因とタイミング

C: -

O: 13歳のエアロアレルゲン感作と喘息パターンに関連するか

 

【結果】

症状スコアが5以上(中等度から重度の呼吸疾患と想定)である場合、鼻洗浄が採取され、RSウイルス(RSV), ライノウイルス(RV), influenza A 、B型, parainfluenza virus 1-4型 (PIV), adenovirus (AdV), enteroviruses (EnV)、coronaviruses (OC143, NL63, and 0229) (CV)、metapneumoviruses (MPV) を同定した。

すべての原因ウイルスで調整されたとき、RVは13歳での喘息と関連していた(オッズ比[OR] 3.3、95%信頼区間[CI] 1.5-7.1])が、RSVは関連しなかった(OR 1.0、95%CI 0.4-2.3)。

アレルゲン特異的IgE抗体は、1、2、3歳でヤケヒョウヒダニ、コナヒョウヒダニ、アルテルナリア、イヌ、ネコに関して、5、6、9、11、13歳でヤケヒョウヒダニ、コナヒョウヒダニ、アルテルナリア、イヌ、ネコ、ブタクサ、シラカバ、オオアワガエリ、ゴキブリに関し評価された。

エアロアレルゲン感作の年齢も喘息リスクに影響し、1歳までに感作されている児の65%が13歳で喘息だったのに対し、1歳で感作されておらず5歳で感作されている児は40%、5歳で感作されていない児は17%だった。

 

【コメント】

幼児期のエアロアレルゲン感作のタイミングもその後喘息のリスクと関連し、さらに3歳までのライノウイルス(RV)感染に伴う喘鳴が喘息のリスクを増やすという結果でした。

同じグループが、RSVウイルス(RSV)による喘鳴が6歳での喘鳴を増やす(オッズ比2.6倍)と報告していますが、この報告では他のウイルスで統計を調整した場合はRSVに関して有意差が消失しているので、RVは長期の喘息予後を変化させ、RSVは6歳以降には影響が減少する、といえるかもしれません。

この論文の著者は、喘息の一次予防を考える場合は、特異的IgE抗体産生を減らすもしくは止める、さらに、ウイルス性疾患を目標にすることを提案していますが、現実的にライノウイルスは種類が多く、予防というのはよほど高性能の予防接種ができないと難しいでしょう。個人的には感作を減らす努力が必要なのではないかと思います。

 

 

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受動喫煙は、喘息入院や救急受診を増加させる: システマティックレビュー

受動喫煙 喘息 赤ちゃん 小児Wang Z, et al. Effects of secondhand smoke exposure on asthma morbidity and health care utilization in children: a systematic review and meta-analysis. Ann Allergy Asthma Immunol 2015; 115:396-401.e2. 
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/26411971
 
P: 受動喫煙曝露に関して小児の喘息増悪を含む喘息重症度を評価した25試験
E: 受動喫煙あり
C: 受動喫煙なし
O: 入院、救急もしくは緊急受診(重篤な喘息症状、喘鳴、肺機能検査結果)


【結果】
受動喫煙曝露のある喘息児は、受動喫煙のない喘息児に比べ入院リスクが約2倍だった(オッズ比[OR]1.85、95%信頼区間[CI]1.20-2.86、P = .01)。
受動喫煙曝露はまた、より多い救急受診や緊急受診リスク(OR 1.66、95%CI 1.02-2.69、P = 0.04)、より多い喘鳴症状(OR 1.32、95%CI 1.24、1.41、P < .001)、より低いFEV1.0%(OR 3.34、95%CI 5.35〜1.33、P = .001)と有意に関連していた。


図は論文から引用
入院リスクが2倍程度になっている。




【コメント】
以前、大気汚染と呼吸器症状に関しての報告をUPしました(http://pedallergy.jugem.jp/?eid=57)。
しかし、受動喫煙のほうも負けず劣らず(むしろ、もっと強力に)喘息発作には悪化要因になることがわかります。
患者さんのご両親に、「PM2.5より、目の前で吸っているタバコのほうが、お子さんの喘息に悪い影響を与えていますよ」とお話しすることがあります。とは言っても、喫煙しているご両親は、「タバコは喘息には悪い」ことは理解されていることは多く、理解していても行動に移せないというジレンマに陥っていることもままあり、禁煙指導は決して簡単ではありません。


 

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購入したミルクより農場で取れた未処理のミルクを飲んでいたほうが喘息になりにくいかもしれない: 症例対照研究

Brick T, et al. omega-3 fatty acids contribute to the asthma-protective effect of unprocessed cow's milk. J Allergy Clin Immunol 2016. (in press)

http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/26792208
 


コホート試験かと思ったら、コホート試験から選ばれた症例対照研究でした。
ω3系脂肪酸の研究結果ですが、衛生仮説的な影響もありそうな印象です。



P: Protection Against Allergy-Study in Rural Environments (PASTURE)研究に参加した、ヨーロッパ諸国の農村地帯に住んでいる1133名のうち、4歳時にミルク消費に関するアンケートに答え、血液サンプルを得た934名 
E: 4歳時に農場での未処理のミルクを消費している 
C: 4歳時に店でミルクを購入して消費している
O: 6歳時の喘息発症率は消費しているミルクによって影響するか

【結果】
6歳時の喘息児が35名おり、対照の非喘息児 49名を抽出した。
6歳時の喘息発症リスクは、未処理の農場のミルクを消費した群のほうが、店で購入したミルクを消費した群より少なかった(補正オッズ比 0.26; 95%CI、0.10-0.67)。
その効果の一部は、農場ミルクが含む脂肪分(特にω-3不飽和脂肪酸)によって説明された(補正オッズ比、0.29; 95%CI、0.11-0.81)。


【コメント】
ミルクに含有されるω3系不飽和脂肪酸の量も検討され、ω3/ω6比による抗炎症効果も考察されていました。
さらに、店で購入するミルクは、遠心・均質化と熱処理を行っているため、不耐熱性のミルク成分(例えば微生物、乳ホエイ、マイクロRNA)に影響を及ぼしているからかもしれないとも述べられています。
考察でも言及されていますが、もしこれが正しいのであれば、ω3系脂肪酸を強化したミルクによる介入研究が必要になります。
自分の考えとしては、単一の成分のみを強化しても良い結果にはならないような印象を持ちますが、将来的に「喘息予防目的の”強化ミルク”」みたいな、乳児のフォローアップミルクでもできたりするのでしょうか、、。


 

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