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ジスロマックによるRSウイルス感染後の喘鳴予防はモラキセラ菌の減少が関与しているかもしれない: 事後解析

Zhou Y, et al. Azithromycin therapy during respiratory syncytial virus bronchiolitis: Upper airway microbiome alterations and subsequent recurrent wheeze. J Allergy Clin Immunol 2016.[Epub ahead of print]

http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/27339392

 


昨日UPした報告は、RSウイルス後の喘鳴に対し、アジスロマイシン(ジスロマック)が予防的に効果を示すかもという結果でした(http://pedallergy.jugem.jp/?eid=120)。その際はIL-8の減少から、抗好中球効果からかと考察されていましたが、最近その報告のpost-hoc解析が報告されましたのでUPします。


 

P: RSウイルス細気管支炎で入院加療した1-18ヶ月の乳児39名(以前の報告のpost-hoc解析) 

E: アジスロマイシン(商品名ジスロマック) 14日間  (10 mg/kg/日×7日間→5 mg/kg/日× 7日間)

C: プラセボ

O: 気道のマイクロバイオームの変化

 

【結果】

両群において、最も多い菌種はレンサ球菌とモラクセラ属だった。

試験治療終了後、全体の菌種構成と検出量は、2群間で有意に変化した(P = .001)。

プラセボ群において、Dolosigranulumとコリネバクテリウムの相対的発生量は有意に増加した(それぞれのq値= 0.03、0.03)が、レンサ球菌の相対的発生量は有意に減少した(q値= 0.01)。

AZM群において、モラクセラ属菌量は、有意に減少した(q値= 0.03)。 試験治療終了後のより低いモラクセラ属菌量は、AZM群・プラセボ群にかかわりなく、以降の再発性喘鳴を有意に減少させた(オッズ比[OR]、0.86; 95%信頼区間[CI] 0.75-0.99; P = .03)。

追加的な回帰モデルでは、14日のモラクセラ菌属量の減少の大きさは再発性喘鳴発症率に有意に関連した(OR、0.87; 95%CI、0.74-0.98、P = .04)。

 

【コメント】

モラキセラ・カタラーリスを含む菌による乳児期の上気道の無症候性コロニー形成が持続性喘鳴や喘息のリスクとなるという先行研究があるそうです。

同グループの先行研究ではIL-8の減少による好中球炎症の低下を指摘していましたが、モラクセラ属菌量減少が影響した可能性もあるとしていました。であれば、ジスロマックではなくクラリスでも効くのかもしれませんね。

 

 

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RSウイルス細気管支炎後、ジスロマックの2週間内服でその後の喘鳴を予防できる: ランダム化比較試験

Beigelman A, et al. Randomized trial to evaluate azithromycin's effects on serum and upper airway IL-8 levels and recurrent wheezing in infants with respiratory syncytial virus bronchiolitis. J Allergy Clin Immunol 2015; 135:1171-8.e1.

http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/25458910

 


RSウイルス感染後は喘鳴が長引きやすいですし、発症予防がその後の喘息を減少させる可能性が指摘されています(http://pedallergy.jugem.jp/?eid=50)。


 

P: RSウイルス細気管支炎で入院加療した1-18ヶ月の乳児40名

  平均3.8± 2.9ヶ月 男児59% 白人64%

E: アジスロマイシン(AZM;商品名 ジスロマック) 14日間 (10 mg/kg/日×7日間→5 mg/kg/日× 7日間)

C: プラセボ

O: 1) 50週間の喘鳴累積再発率

   2) 8日目、15日目の血液・鼻洗浄液IL-8レベル

 

論文から引用。

 赤線: アジスロマイシン 青線: プラセボ 

 アジスロマイシンは有意に喘息発症を抑制した。

 

 

 

【結果】

アジスロマイシン投与はプラセボと比較し、8日目の血清IL-8レベルを変化させなかった(P = .6)が、15日目の鼻洗浄液IL-8レベルを有意に低下させた(P = .03)。

喘鳴(少なくとも3エピソード)の再発は、アジスロマイシン治療群の22%であり、プラセボ群と比較して50%低下した(P = .07)。アジスロマイシン投与群は喘鳴症状の期間を1/3にし(P = .048) 、RSウイルス細気管支炎入院後1年間の呼吸器症状日数を有意に減少させた(36.7対70.1日、P = .01)。

 

【コメント】

palivizumab(商品名 シナジス)がRSウイルス感染後の喘鳴を予防するという報告がありますが、palivizumabはとても高価です。一方、ステロイド吸入薬といった喘息予防薬は十分な喘鳴予防効果がないという先行研究もあります。

アジスロマイシンで予防が可能なのであれば、しかも14日間の投与で効果があるのであれば有用な選択肢といえる。ただし、本邦ではアジスロマイシンは14日間の保険適応はなく、またマイコプラズマや肺炎球菌のマクロライド耐性に影響する可能性がありますので注意は必要かもしれません。

IL8の減少が認められることから、抗好中球作用により、再発性喘鳴予防に効果があるのではないかと考察されていましたが、その後の研究結果が最新報告されたので、明日UPします。

なお、RSウイルス後の喘鳴は、13歳まで経過をみていくと有意差がなくなってくるようです(http://pedallergy.jugem.jp/?eid=112)。

 

 

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喘息児に対する水泳の影響: メタアナリシス

Beggs S. Swimming training for asthma in children and adolescents aged 18 years and under. J Evid Based Med 2013; 6:199.

http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/24325377

 


「水泳は喘息に良い」というイメージがありますが、プールの塩素がむしろ悪化原因になっているという報告もあります。そこで、最近の報告をまとめているものがないかどうか確認したところ見つけた報告。

水泳は喘息を悪化させないという結果ですが、明日は頻回の室内プール水泳は喘息を悪化させるかもしれないという報告をUPします。


 

P: ランダム化比較試験8研究 5歳から18歳の喘息患者 262名

E: 水泳運動

C: 7研究は通常コントロール 1研究はゴルフ

O: 喘息に対する水泳の有効性および安全性

 

【結果】

7研究に関して、水泳負荷は30〜90分、2〜3回/週、6〜12週間以上と幅があり、1研究は週6回30分間おこなっていた。

4研究は塩素濃度の情報なし。2研究は塩素を使用せず。1研究は屋内プールで塩素を使用した。1研究は塩素を使用していたが換気が良いプールを使用した。

水泳は通常ケアもしくはゴルフと比較して、QOL、喘息コントロール、喘息増悪またはコステロイドの使用に有意な影響は認めなかった。

一方、水泳は、運動能力(VO2maxもしくは最大酸素消費量が9.67mL/kg/分増加)に臨床的に有意に改善した。また、肺機能が有意に改善した(FEV1%の平均差8.07(95%CI3.59-12.54)。

 

【コメント】

塩素の情報が不十分であることがlimitationでありながらも、水泳は喘息コントロールや増悪に影響せず、忍容性が高く、体力と肺機能を増加させると結論されています。

 

 

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妊娠中のビタミンD補充は、児の喘息予防に効果不十分(VDAARTスタディ): ランダム化比較試験

ビタミンD 喘息 予防Litonjua AA, et al. Effect of Prenatal Supplementation With Vitamin D on Asthma or Recurrent Wheezing in Offspring by Age 3 Years: The VDAART Randomized Clinical Trial. Jama 2016; 315:362-70.

http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/26813209

 


ビタミンDとアレルギー疾患に関する論文は増加しています(Allergy 2012; 67:10-7. http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/21933195)。しかし、妊娠中の魚油の内服に関しては1歳時点での湿疹は減らしてもその後は差がなくなってしまう(http://pedallergy.jugem.jp/?eid=85)など、アレルギー予防に関してはコントラバーシャルです。今回紹介するのは、妊娠中にビタミンDを補充することで児の喘鳴を減らせるかというものです。


 

P: 2009年10月から2015年1月 喘息児を持つハイリスクの18-39歳の妊婦881名(5名はランダム化後不適格であることが判明し除かれた)

E: ビタミンD 400IUを含むビタミン製剤に加えビタミンD 4000IU内服(=ビタミンD4400IU) 440名

C: ビタミンD 400IUを含むビタミン製剤+プラセボ内服(=ビタミンD400IU) 440名

O: (1) 3歳までの医師に診断された喘息もしくは再発性の喘鳴 (2)第三トリメスターにおける母の25-ヒドロキシビタミンD濃度

 

【結果】

810名の乳児が本研究で出生し、3歳時に806名が分析された。218名が喘息または再発性の喘鳴を発症していた。

ビタミンD 4400IU群において98/406名(24.3%; 95%CI、18.7%-28.5%)が発症、ビタミンD 400IU群において120/401名(30.4%、95%CI、25.7%-73.1%)の発症であり、ハザード比は0.8(95%CI、0.6-1.0; P = .051)だった。

4400IU群の母において、289名(74.9%)は第三トリメスターまでに、30ng/mL以上の25-ヒドロキシビタミンD濃度であり、400IU群の133名(34.0%)に比較し有意に高値だった(差、40.9%; 95%CI、34.2%-47.5%、P < .001)。

 

【コメント】

母体がビタミンD内服したほうが、児の3歳までの喘息(もしくは再発性喘鳴)が6%程度少ない傾向にはあるものの、有意ではないという結果。

統計学的に有意差ぎりぎりなので妊婦さんのビタミンD補充が児の喘鳴を減らす傾向はあるといえそうですが、あるとしても小さなもの、とも言えそうです。

なお、Dicussionで研究の限界に関しての言及があり、肺の形成は第4週から始まるため本研究の平均14週から開始は遅いかもしれない、また、ビタミンDが十分量だったかどうかなどが考察されていました。

ビタミンDに関しての報告はアレルギーの分野以外も多くでてきています。まだこれからの分野といえるのではないでしょうか。

 

 

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アレルギー性鼻炎に対するアレルゲン免疫療法は喘息を予防する: 大規模後ろ向きコホート試験

Schmitt J, et al., Allergy immunotherapy for allergic rhinitis effectively prevents asthma: Results from a large retrospective cohort study. J Allergy Clin Immunol 2015; 136:1511-6.

http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/26371838

 


アレルゲン免疫療法は、その後の喘息リスクを減らすという報告があります。また、まだ使用できる種類は少ないですが、本邦でも舌下免疫療法が保険適応になってきています。

今回の紹介するのは健康保険のシステムを使って大規模に確認したという後ろ向きコホート試験です。


 

P: 2005年のドイツの国民健康保険受給者から特定したアレルギー性鼻炎患者118,754例

E: 2006年にアレルギー免疫療法(AIT)を始めている群

C: 2006年にアレルギー免疫療法を受けていない群

O: 2007〜2012年の喘息インシデントのリスク(喘息インシデントは2回以上のの医師の診察と、2回以上の吸入ステロイド薬処方と定義)は下がるか

 

【結果】

2006年にアレルギー免疫療法(AIT)を開始した患者は計2431例(2.0%)であり、2007-2012年から新規に喘息を発症したのは1646例(1.4%)だった。

喘息インシデントのリスクは、2006年にAITを受けた患者は、受けない患者と比較して有意に低かった(リスク比[RR]、0.60; 95%信頼区間[CI]、0.42-0.84)。

影響度分析では、皮下免疫療法(RR 0.54; 95%CI 0.38-0.84)と天然アレルゲンによるAIT(RR 0.22; 95%CI 0.02-0.68)で有意な予防的効果を示唆した。

SLIT(舌下免疫療法)滴剤(RR 0.43; 95%CI、0.14-1.33)とSCIT(皮下免疫療法)+SLIT(RR 1.22; 95%CI、0.52-2.99)は統計学的有意差に達しなかった。

3年以上のAITは、3年未満のAITより予防効果の傾向があった(RR 0.62; 95%CI、0.39-0.98 対 0.57; 95%CI 0.34-0.94)。

 

【コメント】

アレルゲン免疫療法(AIT)は、アレルギー性鼻炎のある患者さんの喘息予防に効果的といえる結果です。

この喘息予防性効果は天然アレルゲン(粗抗原、という意味?)によるAITで最も強く、アレルギー疾患の初期に開始し、少なくとも3年間続けられなければならないと記載されていました。

本邦では、ようやくダニとスギの舌下免疫製剤が使用できるようになってきていますが、皮下製剤も舌下製剤も種類は限られています。さらに、この研究では舌下免疫療法では十分な効果は認められなかったため、この知見を実臨床に使っていくことはむずかしいかもしれません。しかし、舌下免疫はこれから普及が進んでくるでしょうし、今後の研究結果に注目したいですね。

 

 

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