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妊娠中の魚油摂取は1歳でのアレルギー疾患を予防するが3歳では有意差が消失する: ランダム化比較試験

魚 妊娠中 アレルギー 予防Palmer DJ, Sullivan T, Gold MS, Prescott SL, Heddle R, Gibson RA, et al. Randomized controlled trial of fish oil supplementation in pregnancy on childhood allergies. Allergy 2013; 68:1370-6.

http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/24111502


n-3多価不飽和脂肪酸(LCPUFA)は魚油に多く含まれ、n-6多価不飽和脂肪酸に比べアレルギー予防に働く可能性が示唆されています。1歳時点でのアレルギー疾患予防に関して報告されていますが、その児たちのその後の結果です。



P: アレルギーハイリスクの妊婦706例
E: 魚油カプセル(n-3 LCPUFA900mg含有)を21週から出産まで毎日投与 368例
C: 植物油脂((n-3 LCPUFA含有なし) 21週から出産まで内服 338例
O: 3歳でのアレルギー疾患の発症に差があるか

【結果】
n-3多価不飽和脂肪酸(LCPUFA)と対照群で、3歳時点でのIgE依存性アレルギー疾患に有意差は認められなかった(64/368(17.3%)対76/338(22.6%);補正相対危険度0.78; 95%信頼区間 0.58-1.06; P = 0.11)。
湿疹は最も頻度の高いアレルギー疾患であり、 n-3 LCPUFA群の13.8%、対照群で19.0%(補正相対危険度0.75; 95%信頼区間 0.53-1.05; P = 0.10)発症していた。

【コメント】
この後、6歳時点でも差がないことが示されています。n3系PUFAの効果は長続きはしないものなのでしょうか、、
ただし、1才児展での効果は認められていることから、妊娠中に魚を積極的に摂取することは推奨はできると思います。


 

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4ヶ月以上の長期完全母乳はアトピー性皮膚炎を予防しない

Flohr C, et al., Lack of evidence for a protective effect of prolonged breastfeeding on childhood eczema: lessons from the International Study of Asthma and Allergies in Childhood (ISAAC) Phase Two. Br J Dermatol 2011; 165:1280-9.
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/21883137

 


ちょっと古い論文ですが、重要と考えられる論文ですのでUPさせていただきます。



P: 21ヶ国の8〜12歳の小児51119名(ISAAC Phase II)
E: -
C: -
O: 母乳栄養はアトピー性皮膚炎(AD)を予防するか


結果


湿疹と母乳栄養に関する情報は、親に対するアンケートによって集められた。
「eczema ever(過去湿疹あり)」は、「breastfeeding ever(過去母乳栄養)」・「6ヶ月未満の母乳栄養」と弱い相関があった(それぞれ調整オッズ比 1.11[ 95%信頼区間 1.00-1.22]、オッズ比 1.10 [ 95% 信頼区間 1.02-1.20])。
2ヶ月未満の完全母乳栄養、2-4ヶ月の母乳栄養、4ヶ月以上の母乳栄養と、過去12ヶ月の湿疹徴候と感作に同様のリスクがあった。
より重篤な湿疹は、母乳栄養が、睡眠障害をきたす湿疹のリスクを減少(調整オッズ比 0.71, 95%信頼区間 0.53-0.96)させたが、4ヶ月以上の完全母乳栄養でその効果は失われた(調整オッズ比 1.02, 95%信頼区間 0.67-1.54)。

コメント


4ヶ月以上の完全母乳栄養は、アトピー性皮膚炎の予防効果が認められないとまとめられます。母乳栄養は重要ですが、長期完全母乳は必ずしもアトピー性皮膚炎を予防はしないということですね。
湿疹に関する英国母乳栄養ガイドラインは、再検討されねばならないと結ばれていました。 



 

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長期完全母乳栄養はアレルギー感作予防に働かない: コホート研究

Jelding-Dannemand E, et al. Breast-feeding does not protect against allergic sensitization in early childhood and allergy-associated disease at age 7 years. J Allergy Clin Immunol 2015; 136:1302-8.e13. 

http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/25843315
 


母乳栄養がいけないというわけではなく、長期間の完全母乳栄養は必ずしもアレルギー予防には働いていないという論文です。


 

P: Copenhagen Prospective Study on Asthma in Childhoodに参加した新生児335名
E: 長期の完全母乳
C: -
O: (1歳,4歳,)6歳時の12種の吸入抗原、10種の食物抗原感作


【結果】

長期の完全母乳栄養と6歳時の感作には有意な関連は認められなかった(オッズ比 0.96 [95%信頼区間 0.84-1.10])
 

【コメント】

母乳栄養が人工栄養より優れているという報告は枚挙にいとまがなくメタアナリシスも多いです。例えば、完全母乳は、乳児期の死亡リスクを低下させる(http://pedallergy.jugem.jp/?eid=143)といった報告や、母乳栄養は川崎病を予防するかもしれない(http://pedallergy.jugem.jp/?eid=123)といった報告は、そのメリットを示したものといえるでしょう。
しかし、ことアレルギー発症に限るとメリットが明瞭ではなくなります。

母乳に含有される栄養分(蛋白とかミネラルというわけではなく、例えばTGF-βや分泌型IgAなど)が、防御に働いたりするようで、含有量により効果が変わるようです。
母乳栄養をすすめるのが小児科医として正しいとは思いますが、個人的には「少量で」「早めに」人工乳を開始してもいいんじゃないかなと思っています。生後14日以内に人工乳を始めたほうが圧倒的に乳アレルギーが少ないというコホートの報告もあります(Katz Y, et al. J Allergy Clin Immunol 2010; 126:77-82.http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/20541249)。そのため、乳児アトピー性皮膚炎の初診患者さんが人工乳を飲んでいるとほっとしてしまいます。スキンケア指導を十分行っていくだけで、そのまま乳の摂取を継続すれば、寛容を維持しやすい(食べられなくなりにくい)からです(反対意見もあると思いますが、、)。

最近は、母乳中の食物はむしろ予防に働くのではないかという報告(http://pedallergy.jugem.jp/?eid=218)や、母乳中の成分の影響も考えられており(http://pedallergy.jugem.jp/?eid=115)、まだ考えていかければならないことが多くありそうです。

 

* 2016/11/25 加筆修正いたしました。

 

 

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新生児期からの保湿剤定期塗布はアトピー性皮膚炎を予防する: ランダム化比較試験

Horimukai K, et al. Application of moisturizer to neonates prevents development of atopic dermatitis. J Allergy Clin Immunol 2014; 134:824-30.

http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/25282564
 


今回が、紹介させていただく論文が50本目になります。



P: アトピー性皮膚炎(AD)の既往のある両親もしくは同胞を一名以上持つ生後1週間以内の乳児118名
E: 毎日保湿乳液を1日1回以上塗布59例(Intervention;I群)
C: 乾燥が目立つ部位のみプロぺトを局所塗布59例(Control;C群)
O: 生後32週までのアトピー性皮膚炎の発症率

【結果】
C群に比べ、I群は32%アトピー性皮膚炎(AD)発症が少なかった(Log rank test; p=0.012)。
両群で卵白感作率に有意差は認められなかったが、AD発症群とAD未発症群では卵白感作に有意差が認められた(OR 2.86 [95% CI,1.22-6.73)。


文献より引用
Intervention群はControl群よりアトピー性皮膚炎の累積発症率が低い。



【コメント】
新生児期からの保湿剤塗布によりAD発症を抑制するという初のランダム化比較試験。
同じ雑誌の同じ号に英米合同チームから同様の結果が報告され(J Allergy Clin Immunol 2014; 134:818-23.)、地域によらず保湿剤塗布によるAD発症予防の可能性が示唆された(ただし、英米合同チームでの研究はあくまでアドヒアランスをみるpilot研究の位置づけ)。






 

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アトピー性皮膚炎の治療と予防のレビュー

Madhok V, et al. What's new in atopic eczema? An analysis of systematic reviews published in 2012 and 2013. Part 2. Treatment and prevention. Clin Exp Dermatol 2015; 40:349-54; quiz 54-5.

http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/25622761
 


今回はレビューです。
システマティックレビューのレビューでお得?



【Abstract】
2012年1月から2013年12月までのアトピー性湿疹(AE)に関するシステマティックレビュー22本に関し、治療と予防に関してレビュー。
・ 最もAE予防としてエビデンスあるのはプロバイオティクスである。
・ ペット(特にイヌ)に関しては防御的に働く可能性がある。
・ 生後7ヶ月までの完全母乳は明らかなベネフィットなし。
・ Vitamin Dの予防効果は不分明。
・ 漢方薬、ホメオパシー、specialist clothing(チュビファストなどのこと?)に明確なエビデンスなし。
・ マツヨイグサ油とルリヂサ油はAE治療には不十分というEvidenceあり。

【コメント】
システマティックレビューのレビューというおトクと言えばおトクな論文。
なお、保湿剤定期塗布による予防のランダム化比較試験は、2014年10月の発表なので、この論文には反映されていない。
しかし、ペットがむしろ予防的に働くことはいくつかの論文で示されており、予想と逆ではある。
ただし、発症してから飼い始めることはお勧めできないと考えている。
それにしても、マツヨイグサやルリヂサって何だろう?



 

評価:
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講談社
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(2015-11-27)
コメント:専門医でも難しい内容をやさしく噛み砕いて伝えてくださっています。とはいえ、一般には少しむずかしい内容かもしれません。

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