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風邪に亜鉛が効果的?

 

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 風邪に直接効果がある風邪薬はないというのが定説です。

 以前、自然治癒の見込めるような気道感染症に対しての抗生剤治療で細菌感染症を予防できるかという研究結果をご紹介しました。

 その報告では、風邪に抗生剤を”予防的に”投与しても、効果は極めて少なく、7000人に投与して「治療可能な」肺炎や扁桃周囲膿瘍を約1名減らす程度という結果でした。

 私はどちらかというと漢方薬も処方することが多いのですが、現実的に小児では親御さんが難色を示されることも多く、抗生剤を希望されることも少なくありません(当然、多くのウイルス性の上気道炎には抗生剤は有効ではありません)。

 そこで、今回は、風邪に対する亜鉛の効果をご紹介いたします。二次資料をご紹介することは少ないのですが、今回はコクランレビューです。

 

P: CENTRAL、MEDLINE、EMBASE、CINAHL、Web of Science、LILACS、WHO ICTRP 、clinicaltrials.gov.を検索して抽出された、すくなくとも5ヶ月間の亜鉛によりかぜ症候群を治療もしくは予防する介入を行ったランダム化比較試験16件/1387人(治療)と2件/394人(予防)
E: -
C: -
O: 亜鉛は風邪の治療・予防に効果があるか

 

結局、何を知りたい?

✅亜鉛を飲んで風邪を予防もしくは治療した研究を18件探し出して、効果があるかどうかをまとめようとしている。

 

結果

 

 亜鉛の摂取は、症状期間(日)を有意に短縮した(平均差 [MD]-1.03、95%信頼区間(CI)1.72〜-0.34) (P = 0.003)(I2統計= 89%)が、風邪症状の重症度は低下させなかった(MD-1.06、95%CI-2.36〜0.23)(P = 0.11)(I2統計= 84%)。

 亜鉛摂取群は、7日間の治療後、症状があった参加者の率はコントロールより有意に小さかった(I2統計= 75%)(P = 0.05)(オッズ比 [OR] 0.45、95%CI 0.20〜1.00)。

 亜鉛群では、風邪を呈する比率( incidence rate ratio; IRR 0.64、95%CI 0.47〜0.88)(P = 0.006)(I2統計= 88%)、学校の欠席(P = 0.0003)、抗生物質処方(P < 0.00001)が少なかった。

 全体的な不都合なイベント(OR 1.58、95%CI 1.19〜2.09)(P = 0.002)、いやな味(OR 2.31、95%CI 1.71〜3.11)(P < 0.00001)、嘔気(OR 2.15、95%CI 1.44〜3.23)(P = 0.002)は、亜鉛群でより高かった。

 

結局、何がわかった?

✅風邪の時に亜鉛を飲むと、症状が平均約1日短縮されたが、重症度はかわらなかった。

✅亜鉛を内服して1週間後、症状があったひとは約半分になった。

✅亜鉛を予防内服すると、風邪のなりやすさが約0.65倍になった。

✅亜鉛の副作用は、約1.6倍多かった。

 

コメント

 

 健常者に対する症状発現24時間以内で投与される亜鉛は、風邪症状の持続期間を短縮するとまとめられますが、データの不均一性のために、注意が必要であるとされていました。

 亜鉛トローチ剤製剤が広く研究され、風邪罹病期間の減少は、亜鉛≧75 mg/日であるため、亜鉛を内服することを考えている場合、風邪の全罹病期間を通じて、この用量で内服することが勧められるとされていました。

 しかし、亜鉛の予防内服に関してはデータが不十分であるため、確固たる勧告は行うことが出来ないとされていましたので、まだ臨床にそのまま使うことはできないといえましょう。なお、この文献は、下記の書籍を読んでいて出てきた文献です。

 

今日のまとめ

✅亜鉛は、風邪の症状を1日程度短くする効果があるかもしれない。

 

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ヨード系造影剤による画像検査は、腎機能低下の原因になるかもしれない:症例対照研究

 

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 ヨード系造影剤は、X線を使用した血管造影やCT検査で、細かい部分を診るために必要となります。

 しかし、大量のヨードは潜在的に腎臓に負担をかける可能性があります。

 そこで、ヨード系造影剤が腎臓機能異常をきたす可能性があるかどうかをみた研究結果をご紹介いたします。

 

P: 2001年から2015年にかけて三次病院(University of California Los Angeles [UCLA])に受診した、18歳未満の甲状腺機能異常(甲状腺機能亢進/低下の病名がある、もしくは甲状腺機能検査を受けた既往のある)を疑われた患者
E: 過去2年以内にヨード系造影剤 (Iodinated contrast media;ICM)を投与された870人
C: 年齢・性・人種でマッチされたコントロール870人
O: ICM投与は甲状腺機能異常に影響するか

 

結果

 

 69人が過去2年以内にICMを投与された甲状腺機能異常者であり、ICM投与群 53人(6%)コントロール群 16人(2%)だった。
 甲状腺機能低下のリスクは、ICM投与群で有意に高かった(オッズ比2.60;95%CI1.43-4.72; P<.01)
 甲状腺機能低下発症とICM投与の期間の中央値は、10.8ヵ月(interquartile range 6.6-.17.9)だった。
 甲状腺機能低下した例の血清TSHの中央値は、6.5mIU/L(interquartile range 5.8-.9.6)だった。

 

コメント

 

 画像診断で使用されるヨード系造影剤(Iodinated contrast media;ICM)の投与量は、ヨウ素の一日許容量の数百倍にあたるそうです。そこで、ICM投与が甲状腺機能低下のリスクを増すのではないかと組まれた研究です。
 結果として、小児におけるICM暴露は、甲状腺機能異常のリスクを増加させるとまとめられます。

 投与後、特に1年間は甲状腺の機能不全を観察しなければならないとされていました。

 もちろん、必要な造影剤検査を避けて不十分な検査になっては本末転倒ですが、不必要な造影剤使用は避けるべきであろうと改めて思いました。

 

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閉塞性呼吸障害のある児に対する扁桃摘出は、睡眠を改善させるか?: メタアナリシス

 

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閉塞性呼吸障害(いわゆるいびきなど)がある児に対し、よく扁桃摘出術が選択されます。

しかし、いわゆる”手術”は、親御さんには心配の種になりがちです。

そこで、扁桃摘出が、実際に睡眠の改善に役立っているかを検討した報告をご紹介させていただきます。

 

P: 1980年1月から2016年6月までPubMed, Embase, Cochrane Libraryを検索して得られた11研究

E: 閉塞性睡眠呼吸障害(obstructive sleep-disordered breathing;OSDB)のあり、扁桃摘出を受けた小児

C: OSDBがあり、手術を受けなかった小児

O: 扁桃摘出は睡眠を改善するか

 

 

結果

 

大部分の研究において、扁桃摘出を受けた小児は睡眠が改善した。

閉塞性睡眠呼吸障害(OSDB)の児においてポリソムノグラフィーで確認した5研究では、扁桃摘出手術を受けた児でのAHI(apnea-hypopnea index;無呼吸低換気指数)は有意に改善した。

3研究によるメタアナリシスでは、扁桃摘出を受けた児では、手術を受けなかった児と比較し、AHIが4.8ポイント改善した。

睡眠関連のQOLと、望ましくない習性(例えば、不安や情動不安定)も、扁桃摘出を受けた児では、より改善した。

実際の機能変化に有意差は認められなかった。

また、研究の追跡調査期間は、通常12ヵ月未満だった。

 

コメント

 

閉塞性睡眠呼吸障害(OSDB)のある児において、扁桃摘出は、手術をしない群と比較し睡眠を短期的に改善するとまとめられます。

しかし、より長期の結果はよくわかっていないとされていました。

 

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小児の片頭痛に対するアミトリプチリン(抗うつ薬)やトピラマート(抗てんかん薬)は効果がない: ランダム化比較試験

 

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片頭痛は、小児でもよく経験する疾患です。

 頭痛学会より、「慢性頭痛のガイドライン2013(http://www.jhsnet.org/GUIDELINE/gl2013/gl2013_main.pdf)」が発表されています。

 小児に関しては、一般的な鎮痛薬であるアセトアミノフェンやイブプロフェンだけでなく、トリプタン製剤に関してが選択されると記載があります。

 一方、トピラマートに関しての言及もあり、有効性と許容性があるとされています。

 しかし、小児に関するエビデンスは乏しかったのが現状でした。

 

P: 片頭痛に罹患している8〜17歳の小児 361例

E1: アミトリプチリン(1mg/kg/日) 132人

E2: トピラマート(2mg/kg/日) 130人

C: プラセボ 66人

O: プライマリアウトカム: ベースライン期間28日間と、24週間の研究期間最終28日間における、50%以上頭痛日数の相対的減少

セカンダリアウトカム: 頭痛関連障害、頭痛日数、試験補助指標、研究期間の重篤な有害事象

 

 

結果

 

予定された中間解析の結果、有益性が認められないため試験は中断された。

 それぞれの群のプライアウトカムの結果に有意差は認められなかった(アミトリプチリン群 52%、トピラマート群 55%、プラセボ群 61%(アミトリプチリン群vsプラセボ群; P=0.26、 トピラマート群vsプラセボ群; P=0.48、アミトリプチリンvsトピラマート群; P=0.49)

 24週間の研究期間を終了した患者の頭痛関連障害、頭痛日数もしくは割合にも有意差は認められなかった。

 アミトリプチリン群もしくはトピラマート群はプラセボ群より有害事象率が高かった(トピラマート群における疲労[30%vs14%]、口渇[25%vs12%];アミトリプチリン群感覚異常[31%vs8%]、体重減少[8%vs0%])

 アミトリプチリン群の3例は気分変調という重篤な有害事象があり、トピラマート群1例には自殺企図が認められた。

 

コメント

 

 小児の片頭痛患者に対するアミトリプチリンやトピラマートは、効果がないどころか有害事象がより増えるとまとめられます。

 個人的には、小児の片頭痛に関しては、アセトアミノフェン、イブプロフェン、トリプタン製剤(特に点鼻)、漢方薬(呉茱萸湯や五苓散)を使うことが多いですね。

 

 

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小児のMRI鎮静における塩酸デクスメデトミジン(プレセデックス)点鼻の有効性: ランダム化比較試験

Zhang W, et al., Comparison of rescue techniques for failed chloral hydrate sedation for magnetic resonance imaging scans--additional chloral hydrate vs intranasal dexmedetomidine. Paediatr Anaesth 2016; 26:273-9.

https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/26714442

 


昨日の抱水クロラール(エスクレ)の鎮静成功率(http://pedallergy.jugem.jp/?eid=244)に引き続き、MRI実施時における小児の鎮静に関する論文です。

塩酸デクスメデトミジン(商品名プレセデックス)は、すでに本邦でも認可がおりている鎮静剤ですが、本邦では集中治療のセッティングでしか使用できないようです。

エスクレで鎮静できなかった児に対し、プレセデックスを追加で使うと安全に効果的な鎮静できるかを検討した研究をご紹介いたします。


 

P: 抱水クロラール 50mg/kgで適切に鎮静できなかった生後1-6ヵ月の150人

E1: 塩酸デクスメデトミジン(プレセデックス)点鼻 1 mcg/kg 追加 (L群)

E2: 塩酸デクスメデトミジン(プレセデックス)点鼻 2 mcg/kg 追加 (H群)

C: 抱水クロラール25 mg/kg追加(C群)

O: 追加鎮静の成功率

 

 

結果

 

追加鎮静薬の鎮静成功率は、C群40人(80%)、L群47人(94%)、H群49人(98%)であり、H群はL群より有意に追加の鎮静に成功した(P < 0.01)

鎮静誘導時間に有意差はなかったが、覚醒時間は、L群がC群やH群より有意に短かった(P < 0.01)

血行動態や低酸素血症に対する副作用は、観察されなかった。

 

 

コメント

 

塩酸デクスメデトミジン点鼻は、MRI検査の鎮静に有効であり、用量依存的に鎮静されるようだと結論されていました。

塩酸デクスメデトミジンは鎮痛性かつ鎮静性があるα2受容体アゴニストだそうで、本邦でも集中治療に限定して認可されているそうです。

もし安全に使用できるなら、オプションとして使えるようになればいいですね。

 

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