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ピーナッツを早期に摂取開始したほうがピーナッツアレルギーが減少する(LEAPスタディ)

Du Toit G, et al. Randomized trial of peanut consumption in infants at risk for peanut allergy. N Engl J Med 2015; 372:803-13.
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/25705822

 


順番が逆になりましたが、先日のLEAP-on研究(http://pedallergy.jugem.jp/?day=20160313)の前にpublishされたLEAP研究です。
今後別の研究結果も控えていますが、食物アレルギー予防研究としては今後、この研究とEAT研究を軸として議論されるでしょう。


P: 生後4ヶ月から11ヶ月未満で、湿疹と卵アレルギーのある乳児 640名
E: ピーナッツを生後60ヶ月まで摂取(Interevntion;I群)
C: ピーナッツを生後60ヶ月まで完全除去(Control;C群)
O: 生後60ヶ月でのピーナッツアレルギー率(リクルート時 SPT陰性例と陽性例でITT解析)。

【結果】
生後60ヶ月でのピーナッツアレルギー率は、リクルート時SPT陰性の530名ではI群1.9%、C群13.7%(p<0.001)。 SPT陽性98名ではI群10.6%、C群35.3%(p=0.004)。

【コメント】
生後早期から食物を開始することで食物アレルギーを予防できるとした初の大規模ランダム化比較試験。
最近、1300名もの乳児を対象としたEATスタディの結果が発表された(http://pedallergy.jugem.jp/?day=20160312)。
素晴らしい研究結果であり、さらにこの後、中断後の結果まで報告された。食物除去を長期に行うことで行なわれた過去の食物アレルギー研究を180度転換することになる研究結果である。もちろん、現状で証明されたのはピーナッツと卵のみとも言える。


 

評価:
伊藤 節子(同志社女子大学生活科学部食物栄養科学科教授)
診断と治療社
¥ 4,536
(2014-11-11)

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乳児期に早期導入して予防した食物耐性は、中断しても維持される(LEAP-onスタディ)

Du Toit G, et al. Effect of Avoidance on Peanut Allergy after Early Peanut Consumption. N Engl J Med 2016 (in press).

http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/26942922
 


P: LEAP study (NEJM2015)に参加した生後72か月児556名
E: ピーナッツ完全除去
C: -
O: 12か月後のピーナッツアレルギー(PA)率



【結果】
LEAP studyの終了者から556/628名(88.5%)が参加し、そのうちピーナッツ回避群90.4%、ピーナッツ消費群69.3%が12か月間のピーナッツ回避を順守した。 12か月の回避後、3例のPA発症が認められたが、PAの有意な増加は両群とも観察されなかった。Ara h2特異的IgE抗体価陽性者はピーナッツ消費群のほうが少なかった。ピーナッツ特異的IgG4/IgE比はピーナッツ消費群が高値であり続けた。

【コメント】
LEAP studyは、生後5-10ヶ月から5歳まで、ピーナッツ摂取群とピーナッツ回避群を比較し、ピーナッツ摂取したほうが有意にPAが少ないという研究。一方で、年齢が高くなってからの卵の経口免疫療法は有意に効果があることがランダム化試験で証明されているが、中断後に再度大多数が摂取できなくなることも明らかになっている(NEJM2012)。
そのため、ピーナッツを早期開始をするLEAP研究後、今度は除去をするというLEAP-on研究も注目されていた。予想に反し、除去を12か月続けても摂取可能であるという結果だった。低年齢のうちに確定したアレルギーは長期間持続する可能性があることを示唆しているのかもしれないし、4年以上続けて摂取していることが良い結果を示したのかもしれない。 


 

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生後6ヶ月より前からの早期離乳食開始は食物アレルギー予防となるかもしれない(EATスタディ)

Perkin MR, et al. Randomized Trial of Introduction of Allergenic Foods in Breast-Fed Infants. N Engl J Med 2016 (in press).

http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/26943128
 


P: 2012年7月から2009年11月までに英国・ウェールズでリクルートされた母乳栄養の生後3か月児1303名
E: ピーナッツ、鶏卵、牛乳、ゴマ、白身魚、小麦 生後3-6ヶ月からの早期導入群
C: 上記の食物を生後6か月以降開始する標準導入群(生後6か月までは完全母乳でその後は各自の自由)
O: 1歳、3歳でのそれぞれの食物アレルギー発症率



【結果】
早期導入群において皮膚プリック検査(SPT)陽性者は開始時に食物負荷試験を行い、週あたり推奨用量75%(蛋白質3g/週)の摂取を行った。早期導入群でのプロトコル順守率は31.9%だった。
ITT解析において、標準導入群では42/595名(7.1%)、早期導入群32/567名(5.6%)で食物アレルギー(FA)を発症し有意差はなかった(P=0.32)。しかし、per-protocol解析(生後3-6か月に少なくとも5週間、対象食物を週3g以上摂取した群)において、早期導入群は標準導入群より食物アレルギー発症率が有意に低かった(2.4%対7.3%、P=0.01)。特に、ピーナッツ(0%対2.5%、P=0.003)と鶏卵(1.4%対5.5%、P=0.009)で有意であり、乳、ゴマ、魚、小麦ではその効果が認められなかった。 ITT解析において、SPT陽性率は早期導入群において、生後12か月で低い傾向(p=0.07)だったが、有意ではなかった。per-protocol解析では、SPT陽性率は早期導入群で生後12か月で42%(P=0.01)、生後36か月で67%(P=0.002)低下した。

【コメント】
先行したLEAP study (NEJM2015)は、生後5-10か月からピーナッツを定期的に摂取する群と完全除去群でのランダム化試験であった。このEAT studyは生後3か月と6か月から離乳食を開始する群でのランダム化試験でありdesignはかなり異なる。つまり、「早期導入」とはいえ開始時期が異なることに注意が必要である。
そして、早期導入の3割程度しかプロトコルが順守できておらず、本文中でも「容易には成し遂げられなかった」と述べられている。プロトコール順守のできたPer-Protcol解析群で効果が認められた(ピーナッツ・卵のみ)ことから、早期開始は効果があることがわかる。本邦では5か月前後から離乳食を始め、本格的に摂取するのは6か月以降ではないだろうか。6か月以降で開始した群を早期開始と言えるかどうかはわからないが、実臨床への応用するには、この時期に積極的に開始することと,1歳まで除去食をするリスクを比較する必要があるかもしれない(倫理的に許される研究デザインかどうかは別)。ただし、生後6か月以降に始めるのは、さらにすでにFAを発症しているリスクに配慮しなければならないともいえる。また、その実施が可能なプロトコールであるのか、また、食物の種類によって効果が異なる可能性があることにも配慮しなくてはならない。このスタディは今後長く使われることになるであろう結果であるが、まだまだFA予防への地平線は遠いようだ。


 

評価:
伊藤 節子(同志社女子大学生活科学部食物栄養科学科教授)
診断と治療社
¥ 4,536
(2014-11-11)

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