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大気汚染の改善は、呼吸器症状も改善させる

Berhane K, et al., Association of Changes in Air Quality With Bronchitic Symptoms in Children in California, 1993-2012. JAMA 2016; 315:1491-501.

http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/27115265
 


カルフォルニア州って、ガソリンの最大の消費地なんだそうです。
だからこそ、米国の環境政策の話はカルフォルニアからの報告が多いのかもしれませんね。


 


P: 3つのコホート試験に含まれる、平均8歳児4602名  
女児2268名(49.3%)、ヒスパニック系白人(45.2%)
カルフォルニアの8つの地域((Alpine, Lake Elsinore, Long Beach, Mira Loma, Riverside, San Dimas, Santa Maria, and Upland)
E: 2003〜2012年の各汚染物質
C: 1993〜2001年の各汚染物質
O: 汚染物質量と呼吸器症状に関連はあるか

【結果】
10歳時、892例(19.4%)は喘息に罹患していた。
気管支炎性症状は一年間のアンケートを使用して評価された。

<10歳の喘息児の呼吸器症状>
1) 二酸化窒素: 中央値4.9ppbの減少により有症状率が10.1%減少し、オッズ比(OR)は 0.79 (95%信頼区間[CI]: 0.67-0.94)になった。
2) オゾン: 中央値3.6ppbの減少により有症状率が16.3%減少し、 OR 0.66 (95% CI: 0.50-0.86)となった。
3) PM10: 中央値5.8 μg/m3の減少により有症状率が18.7%減少し、OR 0.61 (95% CI: 0.48-0.78) となった。
4) PM2.5: 中央値6.8 μg/m3の減少により有症状率が15.4%減少し、OR 0.68 (95% CI: 0.53-0.86) となった。

<10歳の喘息のない児の呼吸器症状>
1) 二酸化窒素: OR 0.84(95%CI:0.76-0.92)となった。
2) オゾン: OR 0.85 (95%CI:0.74-0.97)となった。
3) PM10: OR 0.80 (95%CI:0.70-0.92)となった。
4) PM2.5: OR 0.79 (95%CI:0.69-0.91)となった。


【コメント】
大気汚染自体が喘息児にも非喘息児にも呼吸器症状が増悪因子という結果。
それはそうだとも思うし、環境の改善を目指すべきでしょう。
でも、家族の喫煙ももちろん大きな増悪因子ですよ。


 

 

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RSウイルス免疫予防は、4.5歳から6歳での喘息発症率を低下させる: 後ろ向きコホート(propensityスコア分析)

Kecia NC, et al., Respiratory Syncytial Virus Immunoprophylaxis in High-Risk Infants and Development of Childhood Asthma. J Allergy Clin Immunol 2016(in press)

http://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S0091674916300963
 


propensityスコアは、近年使用が増えている統計手法です。
観察研究の集団の中から統計的にマッチした群をランダム化比較研究的にピックアップする、、そういった方法です。
ランダム化比較研究に準じた統計手法ともされることもありますが、まだエビデンスレベルとしての評価は十分定まっていません。しかし、アレルギー学のトップジャーナルに掲載されるところをみると、市民権を得ているとも言えるのでしょう(見当違いがあったらすいません)。



P: 1996-2003年出生のPrevention of RSV: Impact on Morbidity and Asthma (PRIMA)コホート試験(2つの大規模出生コホートを含む)でRSウイルスの免疫予防を受けた小児
E: RSウイルス免疫予防の推奨用量に対し接種された%用量(アドヒアランス)
C:-
O: 4.5-6歳時の気管支喘息

【結果】
統計解析は、多変量ロジスティック回帰とpropensityスコア(傾向スコア)が用いられた。
ロジスティック回帰では、RSウイルス免疫予防に対する高い%用量は、喘息発症を低下させていなかった。
一方、propensity scoreを使用した分析では推奨用量70%以上で免疫予防を受けた児は、推奨用量20%未満の免疫予防を受けた児に比較して喘息発症率を低下させた(オッズ比0.62 [95%CI 0.50-0.78])


【コメント】
RSウイルス免疫予防率の高い児は、慢性肺疾患が多い、より出生時体重が少ない、新生児室滞在がより長いなどの交絡因子があり、それを克服するためにpropensityスコアを使用したとされている。ITの普及でビッグデータが使用できるようになったため、近年使用した論文が増えてきている統計手法がpropensityスコアで、観察研究のデータを用いたランダム化研究的な論文が今後増加すると思われる。



 

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口呼吸は喘息罹患率と関連する

Yumi I, et al. Mouth Breathing, another Risk Factor for Asthma: the Nagahama Study. Allergy 2016 (in press).

http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/26991116
 


"one airway, one disease"に関連した本邦からの報告です。



P: 滋賀県長浜市在住の9804名
E: 口呼吸(or/and アレルギー性鼻炎)がある
C: -
O: 口呼吸は喘息の罹患率と関連するか

【結果】
アンケート調査で口呼吸は17%で申告され、喘息罹患率と関連した。
喘息罹患率のオッズ比は口呼吸単独で1.85(95%信頼区間 1.27-2.62)、アレルギー性鼻炎で2.20(95%信頼区間 1.72-2.80)だった。
口呼吸とアレルギー性鼻炎が並存した場合は、オッズ比が4.09(95%信頼区間 3.01-5.52)まで増加した。
さらに非喘息患者の口呼吸は、チリダニ類感作、より高い好酸球数、より低い肺機能のリスクだった。

【コメント】
口呼吸に関して喘息のリスクとなるというコホート研究。
少なくとも、喘息を診療する医師としては、アレルギー性鼻炎や鼻閉に対して対応を怠らないようにしたいと思っている。
耳鏡で鼻腔をのぞくのは日常診療でのほとんどルーチンで、筆者は科で一番耳鏡のチップを消費しているらしい(もちろん耳鼻科の先生方以外)。



 

評価:
倉原 優
日本医事新報社
¥ 5,184
(2016-04-13)
コメント:倉原先生は、大量に本を出されていてすごいです。

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