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妊娠初期のピーナッツ、乳、小麦の摂取は、子どものアレルギー疾患を減らすかもしれない

Bunyavanich S, et al. Peanut, milk, and wheat intake during pregnancy is associated with reduced allergy and asthma in children. J Allergy Clin Immunol 2014; 133:1373-82.

https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/24522094

 


お待たせしました(?!)。およそ10日ぶりの論文情報の更新です。

小児アレルギー学会で見かけた論文で自分が目を通していなかった論文を挟みながら進めていきたいと思います。

以前、妊娠中の母のピーナッツ摂取は、児のピーナッツアレルギーを減らすかもしれないという研究結果をUPいたしました(http://pedallergy.jugem.jp/?eid=90)が、今回はピーナッツ以外の食物も妊娠初期から摂取しておいたほうが良いという報告を見かけましたので読んでみました。


 

P: Project Viva pre-birthコホート試験に参加した母児2128ペア中、直接診察ができた1277ペア

E: 母が妊娠中の第1・第2三半期における食物アレルゲンの摂取量

C: -

O: 小児期(平均年齢7.9歳)で、血清特異的IgE抗体価と食物アレルギー、喘息、アレルギー性鼻炎、アトピー性皮膚炎(アンケートによって評価)

 

 

【結果】

小児期において、食物アレルギーは5.6%に認められ、28.0%は少なくとも1種類の食物アレルゲンに感作していた。

第一トリメスターにおける母のピーナッツ消費量が多いと、児のピーナッツアレルギーは有意に低下した(オッズ比[OR] 0.53、95%信頼区間[CI] 0.30-0.94)。

第一トリメスターにおける母の乳消費量が多いと、喘息リスク(OR 0.83、95%CI 0.69-0.99)とアレルギー性鼻炎リスク(OR 0.85、95%CI 0.74-0.97)が有意に減少した。

第二トリメスターにおける母の小麦摂取が多いと、アトピー性皮膚炎リスクが有意に減少した(OR 0.64、95%CI 0.46-0.90)。

 

【コメント】

母が妊娠早期にピーナッツ、乳、小麦の摂取量が多いほど、小児期アレルギーや喘息が有意に減少するとまとめられます。

新しい食物アレルギー診療ガイドライン2016でも、「妊娠中の母の食物除去は推奨しない」とされています。

アレルギーを予防するどころか、発症させてしまう可能性すらあるという結果ですね。ただ、摂取しすぎはかえってアレルギーを増やすかもしれないという報告もあります(https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/21035177)ので、ほどほどがいいということでしょう。

 

 

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生後12か月以内の抗生剤投与は、その後の食物アレルギー発症に関連する: 症例対照研究

Love BL, Mann JR, Hardin JW, Lu ZK, Cox C, Amrol DJ. Antibiotic prescription and food allergy in young children. Allergy Asthma Clin Immunol 2016; 12:41.

http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/27536320


ここのところ多忙で、先々週・先週とブログの更新が4回になってます。

論文自体はできるだけ多く、ざっくりとでも読むようにしていますが、きちんと文章としてUPとなると結構大変なものですね。

電車内とかトイレとかで読むことが多いんですけど、文章にするとなるとパソコンに向かわなければなりませんから。

とはいえ、このブログを続けることで、「人に伝えられるレベルで」論文を読む習慣がついてきたので、できる限り頑張りたいと思います。

このブログをどれくらいの方に読んでいただけているのか分かりませんけど、、


 

P: 2007-2009年出生のサウスカロライナにおけるメディケイドの診療データから抽出された、生後12か月までに抗生剤処方された児

E: 2010年に食物アレルギー(ICD-9-CMコード)を原因としたクリニック受診または入院をした児 1504例

C: 出生年月、性、人種や民族的背景でマッチされた対照5995例

O: 抗生剤処方は、食物アレルギーの発症に影響するか

 

【結果】

皮膚炎(n = 655)が食物アレルギーと関連した診断名として挙げられ、その他に、アレルギー性胃腸炎・腸炎(n = 130)、アナフィラキシー(n = 87)、他の詳細不明のアレルギー(n = 50)が診断されていた。

牛乳(n = 99)、鶏卵(n = 77)、ピーナッツ(n = 70)、シーフード(n = 29)に対する食物アレルギーが報告されたが、大多数の例では食物アレルゲンは特定されていなかった。

食物アレルギー診断のオッズ比は、喘息、喘鳴またはアトピー性皮膚炎で調整された。 抗生物質の内訳は、ペニシリン(38.2%)、セファロスポリン(15.1%)、マクロライド(13.1%)、スルホンアミド(5.4%)だった。 抗生処方歴のない小児と比較して、抗生剤処方をうけた場合の食物アレルギー診断のaORは線形に増加し、5シリーズ以上の抗生処方を受けた児では、対照と比較してaOR 1.64; 95%CI 1.31-2.05)のFA診断リスクがあった。最も強い関連は、セファロスポリンとスルホンアミド系抗生物質の処方歴がある児で示唆された。

 

【コメント】

生後12か月までの抗生剤投与は、その後の食物アレルギー発症に関連する可能性が上がるとまとめられます。特に、セファロスポリンは本邦でよく処方されている抗生物質の一つであり、やはり十分吟味して処方すべきでしょう。

以前、乳児期の抗生剤投与がその後のアトピー性皮膚炎発症リスクになる( http://pedallergy.jugem.jp/?eid=81)というシステマティックレビューをご紹介いたしましたが、今回は食物アレルギーに関与するという報告です。

小生は、もともと抗生物質を処方せずすむようにお話しをすることが多く、抗生剤を処方する場合もセファロスポリン系抗生物質を処方する率は低く、多くはペニシリンかマクロライドまでで収められるように努めています(もちろん、社会的背景やセッティングにもよると思いますので、抗生剤を処方することを強く批判したいわけではありませんけれども)。

現実的に、self-limited(自然治癒の見込める)気道感染症に対する抗生剤治療は、7000名に投与して一人効果がある程度という報告も最近ご紹介しました(http://pedallergy.jugem.jp/?eid=148)。これは乳児を対象としたものではありませんので、感染が重篤化しやすい乳児では必ずしも同列には扱えませんが、やはり広域抗生物質は十分考えて処方するように自戒するべきかと思いました。

なお、メディケイドは、米国の公的保険制度の一つです。どちらかといえば、低所得者向けのものです。

 

 

評価:
Donald Y. M. Leung MD PhD,Stanley J. Szefler MD,Francisco A Bonilla MD PhD,Cezmi A Akdis,Hugh Sampson
Elsevier
¥ 12,033
(2015-08-25)

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アトピー性皮膚炎治療に対しての完全食物除去は、即時型食物アレルギーのリスクを上げるかもしれない

Chang A, et al., Natural History of Food-Triggered Atopic Dermatitis and Development of Immediate Reactions in Children. J Allergy Clin Immunol Pract 2016; 4:229-36.e1.

http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/26597013

 


子供さんのアトピー性皮膚炎に食物アレルギーが関係していると考えて受診される患者さんは多く、実際に食物除去で改善する患者さんがいらっしゃるのは確かです(ただし、実際に証明した研究は少なく、メタアナリシスで統計的に有意ではない程度です[http://pedallergy.jugem.jp/?eid=13])。

しかし、一方で経口免疫寛容(食べることでアレルゲンを受け入れるようになる)の機序から、完全除去はかえって免疫寛容を破綻させて即時型反応が起こるようになってくるという報告(http://pedallergy.jugem.jp/?eid=11)もあり、除去は諸刃の剣ではないかという考えもあります。


 

P: 食物アレルギーに起因するアトピー性皮膚炎を心配し受診した小児298名(男児64%) 平均年齢1.82±1.63歳

E: 食物除去指導あり

C: 食物除去指導なし

O: 除去食は新規の食物アレルギーの発症に関連するか

 

【結果】

食物により引き起こされるアトピー性皮膚炎(AD)は、アレルギー専門医によって診断された。

298例の患者のうち、初回受診時に183例(61.4%)は食物に引き起こされるADの可能性があると診断されたが、その後19例(6.4%)は湿疹を食物とは無関係とされ、96例(32.2%)は食物との関係ははっきりしない湿疹とされた。追跡調査をされた206例のうち、132例は食物に引き起こされるADと診断された。

追跡期間中、60回の即時反応偶発的な誤食もしくは食物系後負荷試験(OFC)で認められた。

25例(追跡調査中19.8%、全コホートの8.4%、計31回即時反応)は、初診時に即時反応の既往歴がなかった。60例中、11例(18.3%)は以前は任意に任意に摂取していた食物で即時型反応を起こしていた。

食物に引き起こされるADを有し、以前の即時型反応を起こしていない患者の19%は、除去食開始後、食物即時型反応を呈しており、食物除去は、その食物に対する即時型反応を惹起するリスク増加と関連した(P < .01)。

即時型反応の70%は皮膚症状だったが、30%はアナフィラキシー症状だった。

牛乳と卵は、即時型反応の原因として最も多かった。

 

【コメント】

過去の症例報告では、長期の除去食をすることによって、以前摂取できていた食品に対しても即時型反応やアナフィラキシーを起こすようになることを示唆していました。そのため、食物によって悪化するアトピー性皮膚炎児に対する完全食物除去は注意しなければならないと結論されています。

今後、問題ある食物を許容される範囲に保つといった研究が必要ではないかとされていました。

なお、この論文中にも記載がありますが、食物によって悪化するアトピー性皮膚炎の診断には最適なスキンケアがなされなければならないとあり、十分なスキンケアの必要性が強調されています。

ADに食物アレルギーが関与する場合があるにせよ、まずはスキンケアをしながら、摂取できる範囲では維持をすることが大事だろうと考えています。

 

 

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皮膚黄色ブドウ球菌陽性者は、より食物アレルギーを発症するかもしれない: 症例対照研究

黄色ブドウ球菌 アトピー性皮膚炎 食物アレルギーJones AL, et al. Food allergy is associated with Staphylococcus aureus colonization in children with atopic dermatitis. J Allergy Clin Immunol 2016; 137:1247-8.e3. 
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/26960580
 
Letter(短報)になります。アトピー性皮膚炎は、重症度が高いほど黄色ブドウ球菌を保菌します。黄色ブドウ球菌は感作やアトピー性皮膚炎の増悪に関与しますが、黄色ブドウ球菌の保菌自体が食物アレルギーの発症に関与するかもしれないという報告です。

P: 黄色ブドウ球菌に関して確認した、0〜18歳のアトピー性皮膚炎患者718例
E: メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)コロニー陽性 139例(19.4%)、メチシリン感受性黄色ブドウ球菌(MSSA)コロニー陽性 411例(57.2%)
C: 黄色ブドウ球菌コロニー陰性168例(23.4%)
O: 黄色ブドウ球菌コロニー形成は食物アレルギーに関与するか

【結果】
食物アレルギーは、ImmunoCAPによる95%を超える陽性予測値により定義した(特異的IgE抗体価ピーナッツ14kUA/L、卵白7kUA/L、牛乳15kUA/L定義された。
ピーナッツ、卵白、牛乳アレルギーと特異的IgE抗体価は、黄色ブドウ球菌コロニー形成と関連していた。
また、ピーナッツ特異的IgE抗体価の中央値は、MRSA群でMSSA群より高値だった(77.7対38.9kUA/L、P = .02)(卵白、乳では有意差なし)。年齢は、ピーナッツ特異的IgE抗体価に影響しなかった(P = .20)。
総IgE値は、黄色ブドウ球菌陽性群は黄色ブドウ球菌陰性群より有意に高値だった(MRSA:4498kU/L、MSSA:2709kU/L、陰性217kU/L(P < .0001)。
黄色ブドウ球菌陽性群は、陰性群に比べ、皮膚プリックテストで特定出来ないピーナッツアレルギー陽性的中率を有する患者をより高く特定した(59%対47%、P = .01)。エピネフリン自己注射液の処方も、黄色ブドウ球菌陽性者は陰性者より有意に多かった(53%対44%、P = .04)。

【コメント】
アトピー性皮膚炎増悪は黄色ブドウ球菌の保菌率に関与しますので、アトピー性皮膚炎増悪の交絡因子になったのではないかと思いました。黄色ブドウ球菌が検出されるくらいのアトピー性皮膚炎であれば、しっかり治療してコロニーを減少させれば、感作も減らせる可能性があると思います。実際、十分なアトピー性皮膚炎治療で保菌率は減少します。



 

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妊娠中の母のピーナッツ摂取は、児のピーナッツアレルギーを減らすかもしれない: コホート研究

ピーナッツ アレルギー 食物除去 妊娠中Frazier AL, et al., Prospective study of peripregnancy consumption of peanuts or tree nuts by mothers and the risk of peanut or tree nut allergy in their offspring. JAMA Pediatr 2014; 168:156-62.
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/24366539

 
赤ちゃんの食物アレルギー予防目的での母の食物除去は、本邦のガイドラインでも推奨されていません。
今回の論文では、母のピーナッツ摂取は、むしろ児のアレルギーの防御に働く可能性すらあるという報告です。


P: Growing Up Today Study(コホート研究)に参加した10907名のうち評価できた8205名
E: 妊娠中の母のピーナッツ消費頻度
C: -
O: 児のピーナッツアレルギーリスクは変化するか

【結果】
8205名のうち、140例のピーナッツ・木の実アレルギーを含む308例の食物アレルギー児が同定された。
ピーナッツ・木の実アレルギーでない母から出生した児では、妊娠中のピーナッツ・木の実の摂取が≧5回/月の群では、<1回/月に比較しオッズ比 0.31; 95%信頼区間(0.13-0.75; Ptrend =.004))とピーナッツ・木の実アレルギーの発症率が有意に低かった。
一方、ピーナッツ・木の実アレルギーの母146名の児は、妊娠中のピーナッツ摂取と児のピーナッツアレルギーのリスクに関連は認められなかった(Ptrend =。12)。


【コメント】
ピーナッツが月に5回以上摂取した群が、月に1回未満(ほぼ除去したといえますね)の母から生まれた児のほうが、ピーナッツアレルギーのリスクが大きく下がるという結果です。
ただし、摂取しすぎは逆の結果も報告されています(http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/21035177)ので、あくまで「バランスの良い食事」が勧められます。
あえて除去をせず、バランス良く!ですね。



 

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