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乳経口免疫療法が失敗した群では、baked milkでも経口免疫療法の成功率が低い

Goldberg MR, et al. Efficacy of baked milk oral immunotherapy in baked milk-reactive allergic patients. J Allergy Clin Immunol 2015; 136:1601-6.
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/26194541

 


乳に対する経口免疫療法(OIT)は決して簡単ではなく、本邦でも卵や小麦に比較して、難渋することが多いと考えられています。 



P: 乳経口免疫療法に失敗した4歳以上の15例 
E: 180℃30分間加熱した乳蛋白を毎月50%増量し1.3gの乳蛋白まで負荷
C: -
O: 乳蛋白1.3g/日に達した率

【結果】
プライマリエンドカムである1.3g/日の乳蛋白に達したのは14例中3例(21%)のみだった。
増量できた3例は、ミルク特異的IgE抗体価が低下した。
治療開始時のミルクCD203c発現は経口免疫療法(OIT)が成功した群と失敗した群で有意差があった(-11% vs 4.4%,p=0.002)。

【コメント】
同グループの乳OITは61.5%(160/260例)が目標の乳蛋白量に達していますが、その達しなかった例からリクルートした研究。
つまり重篤な患児といえます。それらの例を対象にすると、baked milk、つまり十分に加熱したミルク(この場合、ホットミルク程度の加熱ではありません)でも成功率は極めて低値であることが理解でき、乳OITの成功率が低いことが実感されます。
なお、この研究のもとになった先行研究でもアドレナリン投与が15.7%の患児で施行されており、やはり乳OITは難しい印象がぬぐえません。
現状では、OITで目標が達成できなかった場合の次の手は、なかなかいいものがありませんが、オマリズマブによる副作用軽減が一つの方法として最近示されています(http://pedallergy.jugem.jp/?eid=37)。



 

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離乳食開始時期は早くなってきているかもしれない: コホート研究

Tey D, et al. Population response to change in infant feeding guidelines for allergy prevention. J Allergy Clin Immunol 2014; 133:476-84. 

http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/24388636
 


2008年にAAP(米国小児科学会)は離乳食の導入を遅らせるアレルギー予防の方針を撤回しています。
その影響を確認した論文です。



P: 2007〜2011年にHealthNuts研究にリクルートされた乳児5276名
E: 2007-2009年にリクルートされた参加者
C: 2009〜2011年にリクルートされた参加者
O: 離乳食を開始した月齢が早まっているか

【結果】
生後4か月からより離乳食を導入していた(adjusted multinomial odds ratio [aMOR], 1.21; 95% 信頼区間, 1.02-1.45; P = .032)、一方生後6か月での離乳食導入は減少していた(aMOR, 0.80; 95% CI, 0.69-0.92; P =.002)。
卵の開始を生後6か月以降に導入する参加者はより少なくなり (aMOR, 0.82; 95% 信頼区間, 0.71-0.94; P =.004)、ピーナッツを生後12か月以降に開始する参加者も減っていた(aMOR, 0.70; 95% 信頼区間, 0.49-0.98; P = .037)。
人工栄養導入は有意に減少していたが(aMOR, 0.84; 95% 信頼区間, 0.72-0.98; P =.023、部分加水分解乳の導入は増加していた(aMOR, 1.37; 95% 信頼区間, 1.12-1.70; P = .003)。

【コメント】
この論文の後になりますが、LEAPスタディやEATスタディにより、ピーナッツ早期摂取の方がピーナッツアレルギーを減少させる可能性があるという結果が報告されました。
何度も同じコメントを書いている感じがしますが、総論としては、早めに離乳食を導入したほうがよりよいのかもしれませんが、いつ、どの量で開始するのがいいのかは今後の検討課題でしょう。少なくとも、積極的に離乳食を遅らせ、完全母乳栄養を続けるほうがよりリスクが高いと考えられるようになってきました(http://pedallergy.jugem.jp/?eid=46)。

そういえば、患者さんから、「WHO(世界保健機構)では生後6ヶ月以降に離乳食を”遅らせるように”と言っている」とインターネットで見たと言われることがあります。よくお聞きすると、原文を読まれたかたはいらっしゃいません。実際には、原文には「遅らせましょう」とは書かれていません。
ちょっと脱線しますが、明日は、WHOの推奨に関して私見を含めUPしてみたいと思います。


 

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オマリズマブ(ゾレア)は乳経口免疫療法の副反応を抑制する

Wood RA, et al. A randomized, double-blind, placebo-controlled study of omalizumab combined with oral immunotherapy for the treatment of cow's milk allergy. J Allergy Clin Immunol 2016;137:1103-10.

http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/26581915
 


P: 食物負荷試験(OFC)で証明された7-32歳の牛乳アレルギー患者57例
E: 4ヶ月の増量+以降の維持相28ヶ月まで オマリズマブ併用
C: 4ヶ月の増量+以降の維持相28ヶ月まで プラセボ投与
O: 28ヶ月(オマリズマブ中止時)、32ヶ月時点(オマリズマブ中止後8週間経口免疫療法[OIT]を継続、さらに8週間中断)での乳負荷試験クリア率



【結果】
乳蛋白は0.07mgから開始して漸増し、維持相として520mgの乳蛋白(15ml乳相当)まで増量した。
目標用量は3.3gから研究途中に3.8gに変更された。
28ヶ月時点での乳蛋白負荷試験クリア率は、オマリズマブ群24名(88.9%)、プラセボ群20名(71.4%)で有意差はなかった(p=0.18)。
一方で有害反応はオマリズマブ群で有意に少なかった(2.1% vs 16.1%, P =.0005)。
用量依存性反応もオマリズマブ群で有意に少なかった( 0.0% vs 3.8%, P =.0008)。

【コメント】
オマリズマブ(ゾレア)を併用することにより、経口免疫療法(OIT)の成功率が上がるかどうかを検討した論文だが、残念ながらOIT成功率に有意差はなかった。しかし、有害事象が少ないことは朗報。
ただし、治療期間もとても長く、オマリズマブは極めて高価な薬剤なので、現実的に使用できるかどうかは医療経済的な側面も考えねばならないだろう。



 

評価:
---
Wiley-Blackwell
¥ 23,525
(2014-01-28)
コメント:食物アレルギーの権威であるSampson先生監修で、思わず買ってしまいました。しかし、ここ数年で一気に知見が増え、改訂を望みます。内容はとても素晴らしいですけど。

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鶏卵経口免疫療法において、長期間継続したほうが完全寛解率が上昇する

Jones SM, et al. Long-term treatment with egg oral immunotherapy enhances sustained unresponsiveness that persists after cessation of therapy. J Allergy Clin Immunol 2016. (in press)
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/26924470

 


P: 卵経口免疫療法をうけた40名
E: 4年間フォローアップ
C:-
O: 長期フォローアップ後のDesensitization(中断しなければ摂取できる)の率、Sustained unresponsiveness (SU;中断しても摂取できる)の率、卵特異的IgE、IgG4の経過



【結果】
Desensitization/SUを達成している被験者は、2年で75%/27.5%、3年で77.5%/45.0%、4年で77.5%/50.0%だった。
経口免疫療法(eOIT)を継続できている児は、プラセボに比べ、非加熱もしくは加熱卵をより消費していた。
 SUを達成している被験者はよりIgG4値が高値であり(P = .001)、プリック試験が低値であり(P = .0002)、卵特異的IgE/総IgEが低値(P = .04)だった。

【コメント】
鶏卵経口免疫療法は効果が有意に認められるが、治療を中断すると多くが再燃してしまうと報告されていた(NEJM2012)。それらの患者の長期予後の報告。継続して卵を摂取しておいた方が、より中断しても摂取継続できることがわかる。ただ、4年間継続した場合でも持続性寛解(中断しても寛解が維持される)のは半数とも言える。



 

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