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セリアック病(グルテン不耐症)は、小麦導入時期が遅いほど発症しやすい: システマティックレビュー&メタアナリシス

Pinto-Sanchez MI, et al. Gluten Introduction to Infant Feeding and Risk of Celiac Disease: Systematic Review and Meta-Analysis. J Pediatr 2016; 168:132-43.e3.

http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/26500108
 


セリアック病は正確には食物アレルギーではなく、小麦タンパクに対する自己免疫疾患です。



P: CENTRAL, MEDLINE, EMBASE,SIGLEの1982本から抽出した15本から、ランダム化比較試験2本、コホート試験10本、症例対照研究1本
E: 生後4-6ヶ月にグルテンを始める
C: 生後6ヶ月以降にグルテンを始める
O: セリアック病(CD)のリスク

【結果】
6ヵ月以降にグルテンを開始した群のほうが、4-6ヵ月にグルテンを開始したほうがCDの発症リスクが増加した(RR 1.25; 95%信頼区間 [1.08-1.45])。
母乳栄養と非母乳栄養ではCD発症リスクに影響しなかった(OR、0.55 [95%信頼区間、0.28-1.10])。

【コメント】
安易に「離乳食開始を遅らせましょう」は問題の先送りになるだけでなく、食物アレルギー以外の他の疾患のリスクを上げる可能性があるという報告をUPしました(http://pedallergy.jugem.jp/?eid=46)。

セリアック病といえば、食物アレルギー診療とは無縁ではないなと思わせる報告もあります。
例えば、乳児期から小麦アレルギーがあって3歳時には一旦小麦が食べられるようになって食べ続けていたお子さんが、9歳時にセリアック病と診断されて除去を指導され、それまで低下していた小麦特異的IgE抗体価が再度上昇し始めて重篤化したという症例報告です( Barbi E, et al., Fatal allergy as a possible consequence of long-term elimination diet. Allergy 2004; 59:668-9.[http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/15147454])。なお、その患者さんは、それまで摂取できていた乳をも除去指導されてしまい、16歳時に乳を誤って”吸入”し亡くなられたそうです。

もちろん除去食が必要な患者さんがいらっしゃるのは十分承知のうえですが、一方で除去食は両刃の剣であることを医療者側も十分に理解し、診療にあたる必要があるでしょう。



 

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皮膚バリア機能低下をきたしやすい素因を持っていると食物アレルギーを発症しやすい: コホート研究

Venkataraman D, et al. Filaggrin loss-of-function mutations are associated with food allergy in childhood and adolescence. J Allergy Clin Immunol 2014; 134:876-82 e4. 

http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/25174864
 


フィラグリンは角質層の形成に関与し、さらに天然保湿因子の生成にも関与します。アトピー性皮膚炎発症に対し、最も有力な遺伝子候補のひとつとされています。
ワイト島コホートは、たくさんの知見をもたらしている、有名なコホート研究です。



P: 1989年から開始されたWight島 (IOW)出生コホートに参加した 1536名中1456名を追跡評価。
18歳でも1313名(追跡率90.2%)。
E: フィラグリン遺伝子変異(Filaggrin loss-of-function; FLG-LOF)あり
C: FLG-LOFなし
O: 食物アレルギー(FA; [アレルゲン摂取後4時間以内の症状の病歴で評価])、食物アレルゲン感作(food allergen sensitization;FAS [皮膚プリックテストにより評価])

【結果】
FLG-LOF変異がある場合、食物アレルギーのリスクが10歳でオッズ比 31.46 [95%信頼区間 2.86-100]と18歳でオッズ比 4.25[95%信頼区間 1.55-11.61]になった。
また、乳児期の湿疹がすべての時期の食物アレルギーと食物アレルゲン感作に関係していた。

【コメント】
皮膚バリア能が低下する素因を持っていると食物アレルギーを発症しやすいということになり、その後長期にその影響が残ると理解できます。
先行研究と同様の結果ですが、それにしても18歳での追跡率が90%を超えているコホート試験は驚異的。
研究者らの熱意と努力を強く感じます。


 

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アトピー性皮膚炎を低年齢で発症し重症度が高いほど、食物アレルギー発症が多い: コホート研究

Martin PE, et al. Which infants with eczema are at risk of food allergy? Results from a population-based cohort. Clin Exp Allergy 2015; 45:255-64. 

http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/25210971
 


HealthNutsスタディは有名なコホート試験です。
この研究からのアレルギーの話題は多いですね。



P: オーストラリアにおけるHealthNutsコホートに参加した乳児4453名
E: 湿疹既往がある児 
*湿疹はアンケート調査
C: 湿疹既往がない児
O: 湿疹の重症度と発病年齢に関する、1歳時の食物アレルギー(Food allergy;FA)のリスク要因 

【結果】
ピーナッツ、鶏卵、ゴマ皮膚プリックテスト(SPT)陽性の児に対しては負荷試験と特異的IgE抗体価測定が行なわれた(乳は予算上の問題でomit)。
ピーナッツFA罹患率は湿疹のない児では0.7%(95% 信頼区間 0.4-1.1)。
湿疹のあった乳児はピーナッツFAリスクが11倍( (95%信頼区間 6.6- 18.6) 、鶏卵FAリスクが5.8倍(95%信頼区間 4.6-7.4)だった。
生後3ヶ月未満でのステロイド外用薬処方を必要とした湿疹発症は、食物負荷試験で証明された1歳時のFAを50.8%(95%信頼区間 42.8-58.9)の乳児で発症した。
その他、FAのリスク因子として、男児、東アジア生まれの父が、リスクを下げる因子として犬飼育と未熟児(<36週)が同定された。

【コメント】
生後3ヶ月未満でのステロイド外用薬処方を必要とした湿疹発症が食物アレルギーを発症させやすいというのは、重症度が高い湿疹発症が食物アレルギーを発症させやすいと理解できます。
日常診療で、「生後何ヶ月からアトピー性皮膚炎(もしくは治りにくい乳児湿疹)を発症したか」は出来る限りお聞きするようにしており、1歳時点で初診となったとしても、早期の発症者と受診直前に発症では感作の状況も違うと感じています。
つまり、「発症時期」も関係するでしょうけど、「罹病期間」「重症度」も関係するだろうということになります。
そういえば、未熟児にはアトピー性皮膚炎発症も少ない報告があることを以前ブログにもUPしましたね(http://pedallergy.jugem.jp/?eid=56)。


 

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アトピー性皮膚炎は食物アレルギーの原因になる: システマティックレビュー

Tsakok T, et al. Does atopic dermatitis cause food allergy? A systematic review. J Allergy Clin Immunol 2016; 137:1071-8. 
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/26897122
P: 2014年11月までのMedlineとEmbaseからアトピー性皮膚炎(AD)と食物アレルギー(FA)の関連を報告した66研究
(検索条件は、食物アレルギー(FA)、食物過敏症、そして、全体もしくは特定の食品[乳、卵、ピーナッツ、ナッツ、小麦、ゴマ、シーフード]と組み合わせたアトピー性皮膚炎[AD] )
E: アトピー性皮膚炎
C: コントロール
O: 食物アレルギーの原因になるか


【結果】
population-based研究18本、ハイリスクコホート8本、残りは診断されたアトピー性皮膚炎(AD)か食物アレルギー(FA)を有する患者を対象としていた。
population-based研究において、AD患者は対照と比較して、食物感作リスクがオッズ比、6.18倍(95%信頼区間、2.94-12.98; P < .001)であった。
他のpopulation-based研究において、最高53%のAD患者は食物に感作されており、負荷試験で最高15%FAの徴候を示した。
一方、ADと診断されている患者のみを対照とした研究では最高66%が食物に感作されており、負荷試験で診断されたFAが最高81%に達した。
16研究は、FAがより重篤なADと関連していることを示唆した。
6研究は、より早い発症/持続するADが特にFAと関連していることを示唆した。
1研究が、ADがFA発症に先行することを明らかとした。

【コメント】
アトピー性皮膚炎、食物感作、食物アレルギーは強く用量依存的な関連があり、重症度が高く慢性のアトピー性皮膚炎は、特に食物アレルギーと関係していると述べられています。

つまり、アトピー性皮膚炎を発症すると、食物アレルギーになりやすくなることを示しており、それはアトピー性皮膚炎の重症度にも応じるということ。

とても重要なシステマティックレビューです。
(しかし、正式なメタアナリシスは、それぞれの研究の非均一性のため困難であるとされていましたので注意は必要です。)
とはいえ、現状ではアトピー性皮膚炎を予防することで食物アレルギーを直接予防できたとするランダム化比較試験も存在しません。 アトピー性皮膚炎を予防すればその先の食物アレルギーを予防できるかどうか、この疑問を解決するためには、ランダム化比較試験しかないでしょう。
興味深く、まだ読んでいない参考文献がでてきていたので、近いうちに参考文献から孫引きで読んでおきたいと思っています。


 

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生後2日目のTEWL高値(=バリア機能低下)は、2歳時の食物アレルギー発症を予測する: コホート研究

Kelleher MM, et al. Skin barrier impairment at birth predicts food allergy at 2 years of age. J Allergy Clin Immunol 2016 (in press).

http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/26924469
 


まだAbstractしか読めない段階なのですが(Journalのin pressにもまだ見つけられなかった)、海外の医学サイトで見つけて、とても興味深かったのでUPします。
本文も読んだら、修正するかもしれません。昨日の論文とテーマが少し近いです。



P: Longitudinal Impact Using NeurologicalとNutritional Endpoints(BASELINE)出生コホートに参加した1903名の乳児のうち、2歳児に皮膚プリックテストと経口食物負荷試験でスクリーニングされた1260例
E: -
C: -
O: 生後2日、6ヶ月の経皮的水分蒸散量(TEWL)が生後2歳時の食物アレルギー(FA)を予測するか

【結果】
食物感作(FS)は6.27%(79/1260; 95%信頼区間(4.93%〜7.61%)で存在した。
食物アレルギー(FA)有病率は4.45%(56/1258; 95%信頼区間(3.38%〜5.74%))で、FAの有症率は、鶏卵が2.94%、ピーナッツ1.75%、牛乳0.74%だった。
生後2日における上位1/4のTEWL(>9g water/m2/h)は、2歳時のFAに関する有意な予測因子だった(オッズ比[OR]、4.1; 95%信頼区間、1.5-4.8)。また、2歳時にFAをもつ75%の児は、生後2日にTEWLが上位1/4だった。
ADを発症しなかった児でおいても、生後2日目に上位1/4のTEWLの乳児は、下位1/4の児に比較して、生後2歳時に3.5倍(95%信頼区間、1.3-11.1; P = .04)のFAの発症が予測された。

【コメント】
TEWLは皮膚から蒸散してくる水分量ですので、皮膚バリア機能を反映します。
 生後2日目の皮膚バリア機能がその後のFAも予測し、それはADを発症しなくても起こりうるという結果。最近、本邦からも同様の報告が最近でている(Horimukai K, et al. Allergol Int 2016; 65:103-8.)。
ごく軽症のAD(つまり乾燥レベル)でもTARC/CCL17は上昇することが別の報告であり(Furue M, et al. J Dermatol Sci 2012; 66:60-3.)、バリア機能が引き金でTh2サイトカインが誘発され、その後ADやFAを引き起こしてくると考えていいのではないか?


 

評価:
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コメント:本邦で行なわれた乳児アトピー性皮膚炎予防で使用されました。最近、乳児用に「2e baby」も市販されています。本論文とは関係ないですが。

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