スポンサーサイト

一定期間更新がないため広告を表示しています

■こんな記事も読まれています




■スポンサーリンク


小児の円形脱毛症に対する治療はI群ステロイド外用薬が効果的: ランダム化比較試験

円形脱毛症 小児 ステロイドLenane P, et al. Clobetasol propionate, 0.05%, vs hydrocortisone, 1%, for alopecia areata in children: a randomized clinical trial. JAMA Dermatol 2014; 150:47-50.

http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/24226568

 


時折、患者さんから円形脱毛症に関して相談を受けることがあります。

本邦では皮膚科学会からガイドラインがあるように(https://www.dermatol.or.jp/uploads/uploads/files/guideline/1372913324_2.pdf)皮膚科疾患であり、専門的な加療を必要とする場合もあります。としても、小児科外来では初期治療としてステロイド外用を使うことが多いでしょう。しかし、ガイドラインにもあるようにエビデンスは不十分です。


 

P: 頭皮表面積の少なくとも10%の円形脱毛症に罹患している2〜16歳(平均7.3歳)の小児42例(1例同意撤回)

E: プロピオン酸クロベタゾール(0.05%)クリーム(商品名デルモベート) 6週間1日2回塗布、6週間休薬 計24週間 21例

C: ヒドロコルチゾン(1%)クリーム(商品名ロコイド) 同様の塗布方法 20例

O: 6、12、18、24週時の脱毛面積の変化があるか

 

【結果】

クロベタゾール群はヒドロコルチゾン群と比較し、6週後を除くすべての時点で脱毛面積が有意に改善した(P < .001)。

また、24週の脱毛表面積の減少率も、クロベタゾール群(96.5%; IQR、64%-100%)がヒドロコルチゾン群(4.6%; IQR、-444.3%-80.8%)と有意に改善した(P = .002)。

 

 

図は論文から引用。

クロベタゾール群のほうが効果が高く、ヒドロコルチゾン群はほとんど変化がない。

 

 

広範囲の円形脱毛患者1例において6週時に皮膚萎縮をきたしたが、6週間で自然に改善した。

開始時と試験終了において、尿コルチゾルに異常を認めなかった。

 

【コメント】

プロピオン酸クロベタゾール(デルモベート)はI群ステロイド外用薬であり、とくに小児には長期使用がためらわれる群です。

しかし、今回の検討ではIV群ステロイド外用薬であるヒドロコルチゾン(ロコイド)に比較し円形脱毛症に関して治療効果に優れるという報告で、副作用も可逆的な(治る)ものでした。

円形脱毛症は、本論文の中では有病率が0.1%、生涯で1.7%罹患すると言及されていました。小児の円形脱毛症に関して前向き試験が不足している状況でしたので、この報告は貴重です。

今後は、最適な期間や用量などを決めていかなければと結ばれていました。自分自身の診療としては、III群を使うことが多かったのですが、今後II群クリーム製剤にランクアップしてみようかと思っています。

 

 

評価:
---
学研メディカル秀潤社
¥ 3,780
(2016-01-29)
コメント:今回紹介した論文も、この本に少し触れられています。最近のEBMを参照したい場合は必見でしょう。

■こんな記事も読まれています




■スポンサーリンク


起立性調節障害の治療に静脈輸液が効果的: 前後比較研究

起立性調節障害 輸液 水分Moak JP, et al. Intravenous Hydration for Management of Medication-Resistant Orthostatic Intolerance in the Adolescent and Young Adult. Pediatr Cardiol 2016; 37:278-82.
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/26446285

 


起立性調節障害は、小児科外来でとてもよく見られる疾患です。
薬物療法以外に生活指導が重要で、「水分摂取」は薬物治療の効果も高めるとされていますが、この研究は輸液をしてみようという試みになります。



P: 起立性調節障害の患者39名(女性32名)年齢16.1±3.3歳(10.2~26.2歳) 
E: 生理食塩水輸液(1~2L/日、3-7日/週)
C: -
O: 起立性調節障害の症状とQOL(生活の質)が改善するか

【結果】
すべての患者は、最初に10分間の起立試験を受け、全ての患者が複数の症状を示した(めまい 35例、疲労感 19例、動悸 16例、失神 14例、嘔気 14例、腹痛 11例、頭痛 10例、胸痛 5例)。
自己申告アンケート結果で、平均QOLスコアは4.2±2.2(標準のQOL = 最大10)だった。
研究前の薬物数は平均3.1±1.5種であり、フロリネフ26例、ミドドリン34例、mestinon16例、β-遮断薬20例、オクトレオチド3例だった。
静脈内輸液は、1週から3.8年(平均 30±47週)行われ、患者の79%(31例)が自己申告によるQOLが改善した。
輸液治療に反応しなかった群は、反応した群に比較して起立試験の心拍数がより低かった(69±8対80±14bpm、p = 0.03)。

【コメント】
Retrospectiveであるうえに、対照のない症例集積研究でした。そのため、「輸液」という目に見える、もしくは侵襲がある医療行為のため、プラセボ効果は否定出来ません。
しかし、論文ではQOLが低く薬物効果が不十分な起立性調節障害患者に対して、オプション治療とするべきと述べられおり、現実に、本邦でも輸液による対応をする場合もあるようです。もちろん、有力な治療補ではありますが、個人的には水分摂取を励行していただくための情報源として使うべき報告ではないかと思いました。



 

■こんな記事も読まれています




■スポンサーリンク


小児の軽症胃腸炎の治療に、希釈したリンゴジュースが使用できる: ランダム化比較試験

Freedman SB, et al., Effect of Dilute Apple Juice and Preferred Fluids vs Electrolyte Maintenance Solution on Treatment Failure Among Children With Mild Gastroenteritis: A Randomized Clinical Trial. Jama 2016; 315:1966-74.
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/27131100

 
今回は小児の経口補水液による話題です。

P: 2010年から2015年の10月から4月 
カナダのトロント、オンタリオでリクルートされた生後6-60ヶ月の胃腸炎と軽症の脱水のある小児647例
E: 2倍希釈リンゴジュース(本人が好む液体で希釈) 323例
C: リンゴ風味をつけた電解質維持液 324例
O: 7日間の静脈輸液、入院、予定外受診、症状遷延、3%以上の体重減少もしくは著明な脱水

【結果】
参加者は平均月齢28.3ヵ月で、男児 331名(51.1%)であり、644例(99.5%)が追跡調査を完了した。
希釈リンゴジュース群は、電解質維持液群に比較して、治療失敗が少なかった(16.7%対25.0%;絶対差-8.3%; 97.5%信頼区間[CI] ∞-2.0%; P < .001)。
また、希釈リンゴジュース群は静脈輸液加療率がより少なかった(2.5%対9.0%;絶対差、-6.5%; 99%CI 11.6%-1.8%)。
入院率、下痢・嘔吐頻度に有意差は認めなかった。

【コメント】
軽症胃腸炎で脱水が軽度であれば、希釈リンゴジュースによる初期療法は電解質維持液と比較して治療失敗が少ないという結果で、多くの先進国では、本人が好む液体で希釈したリンゴジュースによって電解質維持液に代替に使用できるとされています。
経口補水液(ORS)は決して美味しいものではありませんので、喜ばれる親御さん(本人も)は多いかと思います。
この結果を受けて、医療者側のアクションとしては、ORSとリンゴジュースを半々で混ぜるというのがいいのではないかと考えています。なぜなら、電解質や糖も必要かと思われるからです。
もちろん、飲んでもらう量に関しての具体的なインフォメーションはさらに重要で、普段の診療では飲む量や間隔に関して体重ごとのプリントをお渡しするようにしています。ORSに一石を投じる論文となりそうですね。


 

■こんな記事も読まれています




■スポンサーリンク