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母体のビタミンDは、児の湿疹リスクに関連する: メタアナリシス

Wei Z, Zhang J, Yu X. Maternal vitamin D status and childhood asthma, wheeze and eczema: a systematic review and meta-analysis. Pediatr Allergy Immunol 2016. [Epub ahead of print]
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/27145360

 


最近多くなってきているビタミンDとアレルギー疾患の関連に関する話題です。
あ、そういえば、まだpublishされていない論文は、これまで "in press"と記載していましたが、Epubがある場合は今回から上記のように記載することにします。



P: 2014年8月までPubMed、EMBASE、コクラン・ライブラリ、Wanfang、VIP、Chinese National Knowledge Infrastructure (CNKI)から基準を満たした報告
E: 母体のビタミンD
C: -
O: 児の湿疹、喘鳴、気管支喘息のリスクになるか

【結果】
母体のビタミンDと小児喘息に関する4論文(母児3666例)、母体のビタミンDと幼児期の喘鳴に関する4論文(母児2225例)、母体ビタミンDと小児期湿疹(母児2172例)が、基準を満たした。

母体のビタミンDは小児期湿疹と関連があった(オッズ比[OR] 0.904(95%信頼区間[CI] 0.831-0.983)。
一方、喘息(OR 0.981(95%のCI=0.944-1.019)と小児期の喘鳴(OR 0.995(95%のCI=0.982-1.009)には関連しなかった。

【コメント】
ビタミンD濃度とアトピー性皮膚炎の重症度に関連がない(http://pedallergy.jugem.jp/?eid=52)や、ビタミンDによるアトピー性皮膚炎治療のメタアナリシス(http://pedallergy.jugem.jp/?eid=47)などをご紹介してきましたが、矛盾する結果です。

ビタミンDに関しての論文は増加していますが、喘息や感染症に関する報告が多く(Bozzetto S, et al., Allergy 2012; 67:10-7.http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/21933195)、アトピー性皮膚炎に関する報告はまだこれからのようです。
今後どのように発展していくか、見ていきたいと思っています。


 

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乳児期の抗生剤投与はその後のアトピー性皮膚炎発症リスクになる: システマティックレビュー

Tsakok T, et al., Does early life exposure to antibiotics increase the risk of eczema? A systematic review. Br J Dermatol 2013; 169:983-91. 
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/23782060
 
不要な抗生剤使用のリスクは、耐性菌の問題ばかりではありません。

P: 2012年3月までのMedline, Embase、Web of Scienceからの20研究
E: 妊娠中と生後12ヶ月までの抗生剤投与
C: -
O: アトピー性皮膚炎を増加させるか

【結果】
(出産後の抗菌薬治療に関する研究)
17研究では抗生剤加療によるアトピー性皮膚炎発症リスクのオッズ比(OR)は1.41(95%信頼区間(CI)1.30-1.53だった(うち、追跡研究10本でOR 1.40(95%CI 1.19-1.64)、横断研究7本でOR 1.43 (95% CI 1.36-1.51)。
抗生剤とアトピー性皮膚炎発症は用量依存性であり、抗生剤投与が1クール増加するごとにOR 1.07(95%CI 1.02-1.11)増加した。
(出産前暴露に関する研究)
4研究でORは1.30(95%CI 0.86-1.95)だった。

【コメント】
抗生剤使用がアトピー性皮膚炎のリスクになることに関する初めてのシステマティックレビューだそうです。
出産前では有意差はでていません。ですから、出生後の抗菌薬は十分吟味して処方するべきでしょう。


 

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唾液中・血清中ダニ特異的IgA2は、アトピー性皮膚炎に防御的に働く

den Hartog G, et al., House dust mite-specific IgA2 is associated with protection against eczema in allergic patients. Allergy 2016; 71:563-6.
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/26582722

 


最近、「水道中のトリハロメタンはダニ感作を促進するかもしれない(http://pedallergy.jugem.jp/?eid=35)」という本ブログ記事へのアクセスが急に増えました。なにかと思ったら、「水道水中にダニが混入した」というニュースがあったからのようです。そこで、直接は関係ないですが、唾液中のダニ特異的IgA2がアトピー性皮膚炎に防御的に働く可能性があるという論文です。



P: アレルギー性鼻炎の病歴があり一般的な吸入抗原に対する皮膚検査をうけた14歳以上の患者19名(男性6名、女性13名)
E: アトピー性皮膚炎、喘息の現病歴
C: 対照被験者(チリダニ類に対するアレルギー臨床症状またはに感作がない男性7名、女性7名)
O: 唾液/血清中のチリダニ特異的IgE、IgG4、IgA1とIgA2

【結果】
19名全員にアレルギー性鼻炎があり、10例がアトピー性皮膚炎、4名が喘息だった。
チリダニ特異的血清IgAは対照と有意差は認めなかった(P = 0.088)。
しかし、チリダニ特異的唾液IgA2はHDMアレルギー患者で有意に低下していた(P = 0.037)。
血清チリダニ特異的IgA2は、アトピー性皮膚炎をもつチリダニアレルギー患者において有意に低値だった。(P = 0.004)。
アトピー性皮膚炎がある患者のうち4例は喘息もあり、アトピー性皮膚炎+喘息を持つ患者は、アトピー性皮膚炎のみの患者に比較してチリダニ特異的IgA2がより低値だった(P = 0.063)。
また、チリダニ特異的IgA2はアトピー性皮膚炎も喘息もないチリダニアレルギー患者に比較して有意に低値だった(P < 0.001)。 つまり血清・唾液中チリダニ特異的IgA2(IgA1ではなく)が湿疹に罹患しているチリダニアレルギー患者において減少していた。

【コメント】
舌下ピーナッツ免疫療法を受けた後のIgAは、より多いピーナッツ摂取と関係していた(http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/22236732)という論文がReferenceに引用されており、では、「経口的に入ってきたダニはアレルギー的には防御的に働いている」ということになるのかもしれません。ダニ舌下免疫療法が存在することからも、ダニが経口的に侵入してくると防御的に働くのは理論上は正しいといえます(ただし、舌下免疫療法で使用されている抗原とは異なり、正に”粗”抗原ですね、、)。
もちろん、「目に見えるダニ」であるマダニ亜目などと、アレルギーとして問題になりやすいコナダニ亜目はダニとしては別の種類になります。しかし、交差抗原(例えばエビで症状があるかたの多くはカニでも症状があるといった同じようなアレルゲンで症状が交差する)として問題になり、チリダニに強く感作された患者さんが小麦粉などに繁殖したダニを摂取してアナフィラキシーを起こしたような報告は多数あります。
水道水中のダニの混入のニュースは大きく取り上げられたようで、もちろん衛生的な問題は見過ごせません。しかし、例えば貯水タンク中の虫の混入は日常茶飯事のようです。あまり想像したくないですけど、思ったより我々は虫を経口的に摂取してしまっていて、それはダニアレルギーに対して予防的に働いているのかもしれません。


 

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5歳までのアトピー性皮膚炎発症予測因子

Egeberg A, et al., Neonatal risk factors of atopic dermatitis in Denmark - results from a nationwide register based study. Pediatr Allergy Immunol 2016. (in press)

http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/26950896
 


先日、テレビ番組「世界一受けたい授業」で第1子にアレルギーが多く、IgEが高値であるという結果が放送されていました。
でも、それだけじゃないですよね。



P: 1997〜2007年出生の新生児673614例
(Danish National Patient Registerからすべての小児を同定)
E: 新生児期光線療法、出生時の妊娠期間、出生時体重(低体重≦2499g)、新生児黄疸、出生季節(春3/31-5/31、夏6/1-8/31、秋9/1-11/20、冬12/1-2/28)
C:-
O: アトピー性皮膚炎(AD)発症リスク因子

【結果】
5歳までに85743名がADを発症した。
AD発症リスクは、新生児黄疸でわずかに上昇した(IRR 1.13[95%信頼区間 1.06-1.21])。
AD発症リスクと低出生体重(≦2499g)は逆相関し(IRR 0.68[95%信頼区間 0.61-0.75])、過体重(>4000g)で発症リスクがわずかに上昇した(IRR 1.11 [95%信頼区間1.03-1.19])。
未熟児出生(IRR 0.74, [95%信頼区間 0.68-0.81])は逆相関し、>40週以上の出生ではややリスクが増加した(IRR 1.16[95%信頼区間 1.07-1.26])。
男児には女児と比較し、1歳までのAD発症リスクが高かった(IRR 1.55[95%信頼区間1.51-1.60])。
秋冬出生児は春夏出生と比較しAD発症リスクが増加した。
新生児に対する光線療法とAD発症リスクには相関はなかった。

【コメント】
低出生体重児・男児・秋産まれにADが少ないことは過去にも報告があります。
しかし、新生児黄疸・過体重の児に多いという印象はありませんでした。
もちろん、67万人という多数の確認のために有意差が出やすいのかもしれません。
最近帝王切開との関連の報告もあり、今後コホート研究からの検討結果がさらに増えることも予想できますね。






 

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ビタミンDとアトピー性皮膚炎重症度は相関しない

Berents TL,et al. Vitamin D levels and atopic eczema in infancy and early childhood in Norway: a cohort study. Br J Dermatol 2016.(in press)

http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/26972308
 


昨日、アトピー性皮膚炎に対しビタミンD投与が効果があるというメタアナリシスをUPしたばかりですが、その反対のデータです。



P: 急性細気管支炎に関する臨床試験に参加した乳児404例+一般乳児240例  
生後1-13ヵ月時 596例、2歳 449例 
E: ビタミンD(液体クロマトグラフィ-タンデム型質量分析により測定)
C: -
O: アトピー性皮膚炎(AE)とビタミンDレベルに相関はあるか


【結果】
AEは、1-13ヶ月時67名(11%)で、2歳時103名(23%)で診断された。
平均ビタミンD値は、1-13ヶ月時58.2nmol/l,2歳時66.9nmol/lであった。
ビタミンD値を三分位値を使用し群別し多変量回帰分析を行ったが、ビタミンD値とAEに関連はなかった。

【コメント】
ビタミンDとAEの関連に関し、ドイツ、香港、米国のコホートで関連があると報告されている。
また、最近、ビタミンD投与がアトピー性皮膚炎の治療に効果があるというメタアナリシスがある(昨日のブログにUP)。
しかし、この論文では、それぞれ対象年齢に差があるため直接比較が困難と述べられている。
さらに、最近、本邦から、Allergyに喘息に対するビタミンD投与のランダム化比較試験により効果ありと報告された(Tachimoto H, et al.,A Randomized, Double-Blind, Placebo-Controlled Trial. Allergy 2016.[in press]
)
まだまだビタミンDとアレルギーの関係は自分の中でも整理がつかないという状況である。


さて、明日は50本目の論文紹介です。



 

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