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ビタミンDとアトピー性皮膚炎治療: メタアナリシス

Kim G, Bae JH. Vitamin D and atopic dermatitis: A systematic review and meta-analysis. Nutrition 2016. (in press)

http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/27061361
 


最近、アレルギー予防や治療に関してビタミンDの研究が増えている印象があったので、メタアナリシスを探して見つけた論文。
Abstractしか手に入らなかったので詳細は不明。



P: Ovid-MEDLINE、EMBASE、Web of Science、Cochrane Library、そして韓国語と中国語のデータベースのうち“vitamin D”、“atopic dermatitis”、“randomized”、“controlled trial”、“clinical trial”の検索用語を用い、選択基準を満たした9本
E: ビタミンD投与あり
C: プラセボ投与
O: ビタミンDはアトピー性皮膚炎の重症度を低下させるか

【結果】
4件のランダム化比較試験が、メタアナリシスに含まれた。
ビタミンDによる介入は、AD重症度を有意に低下させた(平均差=-5.81、95%CI:-9.03〜-2.59、P = 0.0004、I2 = 50%)。

【コメント】
アトピー性皮膚炎とビタミンDに関する、はじめてのメタアナリシスだそう。
ビタミンDによるアトピー性皮膚炎”予防”のメタアナリシスは今のところなさそうだ。
効果があったといえるが、結論では「さらに長い治療期間と大規模な研究が必要である」とまとめられている。
この論文を読んだ後、BJDに反対と言える結果がin pressに出ているのを見つけたので、明日UPします。



 

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プロアクティブ治療とリアクティブ治療の1年後: ランダム化比較試験

Fukuie T, et al. Potential preventive effects of proactive therapy on sensitization in moderate to severe childhood atopic dermatitis: A randomized, investigator-blinded, controlled study. J Dermatol 2016. (in press)

http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/27075216
 


リアクティブ治療は、初期治療として抗炎症薬(ステロイド外用薬が主体)を塗布して寛解したあとに、症状が出現した時のみ抗炎症薬を塗布して対処します。プロアクティブ治療は同様の初期治療後に、間欠的に(一般的には週2回程度抗炎症薬を塗布し、皮下の炎症をゼロに近づけていく治療です。最近システマティックレビューも出ています(http://pedallergy.jugem.jp/?eid=26)。



P: 中等症から重症のアトピー性皮膚炎患児 (生後3ヶ月-7歳)
E: プロアクティブ治療 15例
C: リアクティブ治療 15例
O: 1年後のSCORAD、QOL(CDLQI、DFI、QPCAD)、血清TARC、総IgE値、イエダニ特異的IgE抗体価の変化


【結果】
プロアクティブ治療は、症状が改善した後、隔日2週間ステロイド外用薬を塗布し、その後週2回、ステロイド外用薬を使用するといったプロアクティブ治療に移行した。悪化時には、悪化した局所に1日2回のステロイド外用薬を塗布開始し、改善後、再度プロアクティブ治療に移行した。
リアクティブ治療は、紅斑が出現した場合は1週間保湿剤のみ塗布し、その後ステロイド外用薬を塗布した。
ステロイド外用薬はそれぞれ、体幹四肢は0.12% betamethasone valerate(商品名;リンデロンV)、顔は0.1% hydrocortisone butyrate(商品名;ロコイド)塗布し、2歳以上の患児には顔面と頸部に局所的に 0.03% tacrolimus (商品名;プロトピック)を使用した。
塗布量はFinger Tip Unit (FTU)に従った。
両群における1日あたりのステロイド外用薬使用量に有意差はなく、皮膚萎縮・皮膚線条・血管拡張所見は認められなかった。
SCORADは、リアクティブ治療に比較しプロアクティブ治療はより有意に低下した(P = 0.018)
QOLスコア(CDLQI, DFI and QPCAD )はプロアクティブ群でより有意に低下した(P = 0.0003)。
さらに、ベースライン値と比較して血清TARCはプロアクティブ群で有意に低値を維持し、イエダニ特異的IgE抗体価はリアクティブ群のみ有意に上昇した(P = 0.006)。

【コメント】
本邦からの報告。
少なくとも中等症以上のアトピー性皮膚炎に関しては、プロアクティブ治療のほうが効果が高く、1年間のステロイド外用薬の使用量にさえリアクティブ治療と差がつかないとまとめられます。
以前Fukuie先生から、後ろ向き研究で同様の結果があります(Fukuie T, et al. Proactive treatment appears to decrease serum immunoglobulin-E levels in patients with severe atopic dermatitis. Br J Dermatol 2010; 163:1127-9.)。それを前向きで証明した研究。
素晴らしい結果で、もっとインパクトファクターが高い雑誌に載ってもいいのではないかと思います。症例は決して多くはないですが、この症例数でここまではっきり結果が出るのであれば少なくて良いでしょう。最初の研究計画がしっかりしているということの証明でもあります。



 

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塩素浴はアトピー性皮膚炎の治療に効果的、、なのか? 第3回(全3回)

 

topic

 

 アトピー性皮膚炎治療に対する希釈塩素(Bleach)浴療法に関して、最終回です。
 Abstractのみしか入手できなかったのですが、最近、希釈塩素浴のクロスオーバー試験が報告されていましたのでご紹介いたします。

 

P: 中等度から重症のアトピー性皮膚炎患者40名
E: 週2回の希釈Bleach(塩素)入浴
C: 水のみ
O: SCORAD(アトピー性皮膚炎の重症度の指標)、黄色ブドウ球菌検出率

 

結果

 

 4週間のウォッシュアウトを挟んだクロスオーバーで実施された。
 40例全例が試験を完了したが、14例はアドヒアランス不良だった。
 4週後のCDLQI(QOL指標)、皮膚水分量、TEWL(経皮的水分蒸散量=バリア機能を反映)、抗生剤・ステロイド外用、抗ヒスタミン薬内服、総IgE値に有意差は認められず。
 ITT解析にでは、希釈塩素(Bleach)入浴に比べ、水入浴は有意にSCORADが低下し、改善した(水 -5.7±15.4 vs. Bleach浴 0.6±12.4; p=0.03)
 一方、希釈塩素(Bleach)入浴は、ステロイド外用薬(平均1.1±2.6日/週; p=0.014)と抗生剤外用(1.0±2.8日/週; p=0.044)を有意に減少させた

 

コメント

 

 希釈塩素入浴療法を検討したクロスオーバー試験になりますが、希釈塩素入浴療法には明らかな効果はなかった、とまとめられます

 塩素浴はアトピー性皮膚炎の治療に効果的、、なのか? 第1回では希釈塩素浴は効果があるとされ、塩素浴はアトピー性皮膚炎の治療に効果的、、なのか? 第2回では、その論文の信憑性に疑問が呈され、さらにこの研究結果は、希釈塩素浴に否定的となっています。
 ややこしい話ではありますが、塩素入浴療法に関しては、総論などで時々言及されることがあるものの、「消毒」そのものに対して自分自身が否定的てもあり、日常診療には使用していません(石鹸洗浄で十分と考えています)。
 この結果をみて、使用するかどうかはよほど患者さんを選ぶべきではないかと思ってしまいますが、中等症以上のアトピー性皮膚炎患者さんに対してはオプションの治療としては使用することを考慮はできると思います。

 

* 2017/2/19 フォーマットを修正しました。

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塩素浴はアトピー性皮膚炎の治療に効果的、、なのか? 第2回(全3回)

Craig FE, et al., Bleach baths to reduce severity of atopic dermatitis colonized by Staphylococcus. Arch Dermatol 2010; 146:541-3. 

http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/20479303
 


4/10のブログにUPした論文の疑問点などを示した論文。
あくまでレビューですので、PECOはなし。



【Sumally】
・ Bleach(塩素)の匂いは盲検化を失わせないか(著者に問い合わせて問題はないという返信があったとのこと)
・ ランダム化の方法が述べられていない。
Bleachの匂いのため、研究参加者を盲検化することが困難だったはずだが、盲検化したと述べられている。
・ 研究のドロップアウト率が高い。
3か月間のフォローは、治療群で15名中9名だった(著者は、症状が改善したため、同意を取り下げた例があったと述べたそうだ)。
・ ITT解析をしたと述べているが、論文内では、31名の参加者のうち、3か月で25名、1か月で22名が評価されているように記載があり、ITT解析ではないのではないかと指摘。
・ EASIスコアがベースラインで治療群(26.9)とプラセボ群(17.7)で異なる。
・ 抗炎症外用薬や保湿剤に関しての情報がない。
不十分な盲検化のために、介入群ではBleachで乾燥したと考えて保湿剤をより多く使用したかもしれない。
・ 試験レジストリ・プロトコルでは、secondary outcomeが搔痒感のVASだった。しかし、論文に全く記載がない。
・ Bleach群の9名中1名が搔痒と炎症を経験した。論文中ではBleachは安全と謳われているが、これがBleachに起因するものかもしれない。
・ 著者は、ムピロシンの耐性は進行しなかったと述べたが、他の菌の耐性化は検討されていない。
・ より有用な研究計画は4群によるクロスオーバーかもしれない。

【コメント】
確かに、ITT解析といいながら例数が少なくなるのは不可解。
また、secondary outcomeに触れられていないなども(必ず触れなければならないわけではないが)、恣意的な印象も受ける。とはいえ、同じJournal内で論文が論評されるのはよく見るが、別のJournalでここまで批判的吟味をするのはあまり見かけない。もちろん、医学論文をそれぞれ批判的に吟味することは悪いことではない。
先の論文が間違っていると言いたいわけではないが、クロスオーバー試験結果を見てみたいと思っていると、最近報告されていた。

ということで、明日UPします! って、楽しみにしているひとなんているのかな?



 

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塩素浴はアトピー性皮膚炎の治療に効果的、、なのか? 第1回(全3回)

 

topic

 

今回、少し古い論文を提示するのは、その後興味深い展開を見せているからです。
3回シリーズの1回目です。

 

P: 生後6か月から17歳の中等症から重症アトピー性皮膚炎患者31名
E: 経口セファキシレン(14日間)+鼻腔内ムピロシン軟膏(1か月に5日間連続)と希釈次亜塩素剤ナトリウムによる入浴(週2回) 3か月間 15例
C: 鼻腔内ワセリンと淡水浴3か月間 16例
O: 3か月後のEASI(Eczema Area and Severity Index)スコア

* セファキシレン(商品名;セファレックスなど)=抗生剤
** ムピロシン(商品名:バクトロバン)=抗生剤

 

結果

 

■ 鼻腔内ムピロシン軟膏と希釈次亜塩素剤ナトリウムによる入浴群は、1か月と3か月時の湿疹領域とEASIスコアが有意に減少した(治療群15.3、プラセボ群3.2の低下 [p=0.004)])。
■ 治療群はプラセボ群(P = .02)の2.5ポイントの削減と比較して、ベースラインからEASIスコア10.4ポイントの減少)。
■ 頭頚部(入浴できない部位)のEASIスコアは低下しなかったが、その他の部位は低下した。
■ 耐性黄色ブドウ球菌の感染または定着は増加しなかった。

 

コメント

 

 例数は少ないですが、次亜塩素酸ナトリウム(Bleach)入浴で中等症以上のアトピー性皮膚炎を改善させるとした論文です
■ Google scalarで確認してみると、被引用数は極めて多くなっている(2016/4/10時点で243)し、実際、総論で引用されているのを見かけることがある論文です。
■ しかし、その後の報告を調べてみると、興味深い展開をみせていました。
■ ということで、続きは、”塩素浴はアトピー性皮膚炎の治療に効果的、、なのか?"は、 第2回、第3回へ続きます。

 

 

* 2017/1/22、2017/3/6 フォーマットを修正しました。

 

 

 

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